肺炎球菌ワクチンって何?——65歳以上と持病のある方に知ってほしい基礎知識
日本人の死因の上位に挙げられる「肺炎」。その原因菌としてもっとも多いのが肺炎球菌です。65歳以上の方や持病のある方では重症化しやすいことがわかっており、予防のためにワクチン接種が推奨されています。
ただ、肺炎球菌ワクチンには種類があって、「どれを・いつ・何回打てばいいの?」と迷う方も多いはず。この記事では、ワクチンの種類や接種の考え方をわかりやすく整理します。
肺炎球菌ワクチンには2つのタイプがある
肺炎球菌ワクチンは大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴を見てみましょう。
① 多糖体ワクチン(PPSV23・ニューモバックス)
23種類の肺炎球菌の型をカバーするワクチンです。2025年度まで65歳の方を対象とした定期接種(公費助成あり)に使われてきましたが、2026年4月からは定期接種で使うワクチンが20価結合型に切り替わりました。効果は5年程度で弱まるとされており、状況に応じて再接種を検討することがあります。
② 結合型ワクチン(PCV)
免疫の「記憶」をより強く・長く残すタイプのワクチンです。カバーする型の数はやや少なめでも、効果の持続性が高いとされています。成人向けには20価(プレベナー20)・21価(キャップバックス)・15価(バクニュバンス)などがあり、2026年4月からは20価のプレベナー20が定期接種のワクチンとして採用されています。
「どちらが優れているか」は一概には言えず、年齢・持病・これまでの接種歴によって最適な組み合わせが変わります。定期接種の対象にあたらない方は任意接種(原則自費)となり、自己負担額や助成の内容はお住まいの自治体によって異なります。
接種を特におすすめしたい方
以下にあてはまる方は、積極的にワクチン接種を検討しましょう。
- 65歳以上のすべての方
- 60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に重い障害がある方、またはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)による免疫の障害で日常生活がほとんど困難な方(定期接種の対象)
- 年齢を問わず、糖尿病・慢性の心臓病・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺の病気・肝臓病・脾臓(ひぞう)を摘出した方・免疫が低下している方(任意接種でも大きな意義あり)
- 喫煙者の方、施設で生活している方
※COPDとは、たばこの煙などが原因で気管支や肺が慢性的に炎症を起こす病気です。
よくある疑問に答えます
Q. インフルエンザワクチンと同時に打てますか?
はい、同時接種が可能です。秋の受診で両方をまとめて済ませることもできるので、手間が省けて便利です。
Q. 副反応はありますか?
もっとも多いのは接種した部位の腫れや痛みです。筋肉痛・だるさ・頭痛が出ることもありますが、通常は数日で治まります。発熱は少数の方にみられる程度です。
Q. 接種すれば肺炎にかからなくなりますか?
このワクチンはすべての肺炎を予防するものではありません。肺炎球菌が原因の肺炎を減らし、重症化を防ぐことを目的としています。ウイルス性の肺炎などには効果がありませんが、死亡リスクの高い肺炎球菌感染症に対する備えとして大きな意義があります。
かかりつけ医への相談のポイント
医師に相談するとき、以下の3点を伝えるとスムーズです。
- 過去に肺炎球菌ワクチンを打ったことがあるか(あればいつ・どの種類か)
- 現在の持病や服用している薬
- 年齢
予防接種済証や母子手帳など、接種の記録がわかるものがあれば持参すると、どのワクチンをどう組み合わせるかを判断しやすくなります。また、定期接種の助成対象かどうかはお住まいの自治体の案内でご確認ください。
まとめ
- 肺炎球菌は高齢者や持病のある方で重症化しやすく、ワクチンで予防できる
- ワクチンには「多糖体タイプ(PPSV23)」と「結合型タイプ(PCV)」があり、2026年4月から定期接種は20価結合型に切り替わった
- 65歳以上の方、慢性疾患のある方、喫煙者などは特に接種を検討したい
- インフルエンザワクチンとの同時接種も可能で、秋にまとめて受けると効率的
- 過去の接種歴・持病・年齢をかかりつけ医に伝えて、自分に合った接種プランを相談しよう
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