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この記事は2026年5月時点の公開情報・複数の専門報道に基づいて作成しています。最終的な詳細は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知をご確認ください。
2026年6月1日、診療報酬改定がやってくる——何が変わるの?
2026年(令和8年)6月1日から、診療報酬改定が施行されます。診療報酬とは、医療機関が受け取る診療の対価として国が定めた「医療行為の公定価格」のこと。通常2年に1度見直されるルールで、施行日以降は病院やクリニックでの窓口負担に小幅な変動が生じる可能性があります。
この記事では、3割負担で外来通院している現役世代の方を主な対象に、「実際にお財布にどう影響するの?」を患者目線で整理します。
まず知っておきたい大前提——「1点=10円」のしくみ
診療報酬には「点数」という単位が使われます。1点=10円で計算され、3割負担の場合は「点数×10円×0.3=点数×3円」が窓口負担になります。
たとえば1点の変動は、3割負担で3円の差。「たった3円?」と思うかもしれませんが、複数の加算が重なると数十円〜百円規模の差になってきます。
また、具体的な金額は受診する医療機関によって異なります。同じ「初診」「再診」でも、医療機関ごとに届け出ている加算や施設基準が違うため、以下の金額はあくまで「概ねこのくらい」という目安です。
① 外来の初診・再診の窓口負担はどう変わる?
再診料(同じ病気で再受診するとき)
再診料が75点→76点に引き上げ(+1点)。1点=10円なので再診料そのもので+10円、3割負担で+3円。
これに加えて、今回新設される「物価対応料」が初診・再診時に2点(=20円、3割負担で+6円)上乗せされます。さらに、医療スタッフの賃上げを支援する「外来・在宅ベースアップ評価料」も届出区分によって再診時に上乗せとなる施設があります。
合計すると、施設の届出状況にもよりますが、3割負担で概ね+10〜30円程度のレンジになるケースが多い見込みです。
初診料(初めて or 久しぶりに受診するとき)
初診料の基本点数(291点)自体は据え置きの方向ですが、物価対応料2点(3割負担で+6円)が上乗せ。さらに「外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰ」の初診時分が6点→17点に大幅引き上げ(+11点=+110円、3割負担で+33円)となります。
合計で3割負担数十円〜百円程度のレンジになる見込み。施設の届出状況によって幅が出ます。
毎月通院している人は年間でどれくらい?
たとえば高血圧で月1回通院している方なら、再診の負担増は単純計算で1回あたり数十円程度。月1回×12ヶ月で年間数百円規模、というのが目安です。受診ごとの点数明細は領収書で確認できます。
② 「同じ受診なのに金額が違う」のはなぜ?
「あのクリニックでは○○円、こちらでは△△円——なぜ?」と感じることがあるかもしれません。これは医療機関ごとに以下が異なるためです。
- 施設基準・届出区分:地方厚生局に届け出ている体制によって算定できる加算が変わる
- 病院 vs 診療所:診療報酬の体系そのものが異なる
- 受診のタイミング:時間外・休日・深夜は別途加算が乗る
- マイナ保険証の利用有無:医療DX関連の加算で差が出るケースがある
- 機能強化加算・地域包括診療加算などの有無
そのため「2026年6月から全国一律で○円増」という単純な話にはなりません。具体的な金額は、かかりつけ医の受付や会計窓口で確認するのが確実です。
③ 入院する人は食費・光熱費にも注意
入院時の食費
入院中の食事代(食事療養費)の基準額が、1食690円→730円(+40円)に引き上げられます。患者の実際の窓口負担(一般所得の場合)は1食550円。1日3食×入院10日なら数千円規模の負担増になる計算です。
入院時の光熱水費(療養病床に長期入院している65歳以上の方)
療養病床(主に長期療養を目的とした病床)に入院している65歳以上の方に適用される光熱水費が、1日あたり60円引き上げの方向で議論されています。長期療養の方ほど影響が大きい項目です。
※住民税非課税世帯など所得に応じた軽減区分がある方は、別の負担額が適用されます。詳細は入院先の医事課にご確認ください。
④ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のCPAP治療、対象が広がる!
外来診療に関する変更で、患者さんにとって朗報となるのがCPAP治療(持続陽圧呼吸療法)の保険適用基準の緩和です。
CPAPとは、睡眠中にマスクから空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐ治療法。これまでは検査での無呼吸・低呼吸の指標(AHI)が一定以上でないと保険適用になりませんでした。今回の改定でそのハードルが下がります。
- 精密検査(PSG):AHI 20以上 → AHI 15以上に緩和
- 簡易検査:AHI 40以上 → AHI 30以上に緩和
これまで「数値が足りないので保険適用外」と言われた方も、再評価のチャンス。外来の簡易検査だけでCPAP導入できる範囲も広がります。「いびきがひどい」「日中眠い」と感じている方は、かかりつけ医に相談してみる価値があります。
⑤ 市販薬と同じ成分の薬の自己負担見直しは「2027年3月予定」(現時点は調整中)
2026年6月施行ではありませんが、関連する話題として——。
2027年3月から、OTC類似薬(市販薬と同成分の医療用医薬品)の保険給付に変更が入る予定とされています。湿布、一部の解熱鎮痛薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬など約77成分・約1,100品目が対象案で、価格の4分の1相当を患者が追加負担する案で調整中。子どもやがん患者などは対象外とされる方向です。
2026年6月時点では未施行。最終的な内容は今後の決定を待つ必要があります。
よくある疑問に答えます
Q. 毎月の通院でどれくらい負担が増えますか?
受診する医療機関の施設基準によって異なります。再診中心の方であれば1回あたり数十円程度の幅と考えておき、正確な金額は会計時に確認するのがおすすめです。
Q. 子どもの医療費は変わりますか?
自治体の子ども医療費助成制度は別途運用されています。助成範囲内のお子さんは実質的な影響が小さい場合が多いですが、詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。
Q. 入院予定があります。食費の引き上げはいつから?
2026年6月1日以降の入院から新基準が適用される見込みです。
Q. マイナ保険証を持っていません。負担が増えますか?
マイナ保険証の提示の有無で、医療DX関連の加算の扱いが変わるケースがあります。詳細は受診時に受付でご確認ください。
Q. 高額療養費制度は変わりますか?
2026年6月施行分では、現役世代の高額療養費の自己負担限度額に大きな変更は含まれていません(別途、段階的な見直しの議論はあります)。
Q. CPAPを使っています。毎月の負担は変わりますか?
CPAP管理料そのものに大きな変更はありません。新たに保険適用の対象となる範囲が広がる、というのが主な変化です。
まとめ
- 2026年6月1日から診療報酬改定が施行(薬価改定は4月1日から)
- 診療報酬は1点=10円。3割負担なら点数×3円が窓口負担に反映
- 再診料は75点→76点(+1点)。物価対応料・ベースアップ評価料の上乗せ込みで、3割負担で概ね+10〜30円程度
- 初診料の基本点数は据え置きだが、各種上乗せ込みで数十円〜百円程度のレンジ
- 具体額は医療機関の施設基準・届出区分によって異なる
- 入院食費は690円→730円/食(+40円)に引き上げ
- 療養病床に入院中の65歳以上は光熱水費が1日60円引き上げ方向
- CPAP(睡眠時無呼吸症候群の治療)の保険適用基準が緩和——これまで対象外だった方も再評価のチャンス
- OTC類似薬の自己負担見直しは2027年3月実施予定(現在調整中)
不明な点は、受診時に受付や医事課に気軽に聞いてみましょう。領収書の点数明細を手元に置いておくと、変動が確認しやすくなりますよ。
※本記事の内容は2026年5月時点の情報です。最新かつ正確な情報は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知をご参照ください。
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