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帰省・長時間移動で脚が痛む…それって「旅行者血栓症」かも?
お盆の帰省や旅行で、車・飛行機・新幹線に長時間乗ったあと、片方の脚がむくんで痛い、急に息が切れる——そんな症状、「疲れかな」と放っておいていませんか?
実はそれ、旅行者血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)のサインかもしれません。飛行機だけの話だと思っていたら大間違い。渋滞中の車の中でも、条件がそろえば十分に起こりうる病気です。今回はそのしくみと予防法を、わかりやすくお伝えします。
なぜ長時間の移動で血のかたまり(血栓)ができるの?
脚の静脈の血液は、ふくらはぎの筋肉がポンプのように収縮することで心臓へ戻っていきます。ところが、座ったまま脚をほとんど動かさない時間が続くと、このポンプがほぼ働かなくなり、膝の裏や太ももの奥にある深い静脈で血液がよどんでしまいます。
そこに汗などで水分が不足して血液が濃くなった状態が重なると、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。これを医学的には「深部静脈血栓症(DVT)」と呼びます。
さらに怖いのは、できた血栓の一部がはがれて血流に乗り、肺の血管に詰まる「肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群の重症型)」を起こした場合。突然の息切れ・胸の痛み・失神などが生じ、最悪の場合、命に関わることがあります。
「飛行機だけの病気」は大きな誤解!車の渋滞でも起こる
「エコノミークラス症候群」という名前のせいで、飛行機特有の病気と思われがちですが、発症の本質は「長時間座ったまま動かないこと」にあります。
お盆の帰省ラッシュで渋滞に巻き込まれ、数時間トイレも我慢しながら座り続ける——まさにリスク条件がそろった状況です。実際、災害時の車中泊でも多発したことが知られており、「自分には関係ない」とは言えません。
こんな人は特に注意!血栓ができやすいリスク要因
以下に当てはまる方は、長距離移動の際に特に意識して予防することが大切です。
- 妊娠中・出産後の方、経口避妊薬(ピル)を服用中の方
- がんの治療中の方、大きな手術を受けてまもない方
- 肥満のある方、足の静脈がこぶ状に浮き出る「下肢静脈瘤」がある方
- ご高齢の方
- 過去に血栓症を経験したことがある方、ご家族に血栓症の方がいる方
リスクが高いほど、後述の予防策をしっかり実践することが重要です。
移動中にできる!血栓予防の4つのハック
① 2時間に1回は「立って歩く」休憩を
サービスエリアや休憩ポイントをうまく活用して、車から降りて数分歩くだけで、脚の血流がぐっと改善します。
② 座ったままでも「ながら体操」を習慣に
足首をグルグル回す、かかとを上げ下げする、ふくらはぎを軽くもむ——これだけでも脚のポンプ機能を助けることができます。1時間に数回、意識的に行いましょう。
③ 水分はこまめにしっかりとる
「トイレが近くなるから」と水分を控えるのは逆効果です。血液が濃くなって血栓リスクが上がります。水やお茶をこまめに飲みましょう。アルコールやコーヒーには尿を増やす作用があるため、移動中は特に注意が必要です。
④ ゆったりした服装+着圧ソックスも効果的
体を締めつけない服装を選びましょう。さらに、着圧ソックス(弾性ストッキング)は脚の静脈の血液を心臓方向へ押し上げる効果があり、リスクが高い方には特におすすめです。
移動後も油断禁物!こんな症状は受診・救急の目安
血栓症は、移動中だけでなく到着後から数日〜2週間ほど経って症状が出ることがあります。旅行から帰ってしばらくしてから不調が出た場合も、念頭に置いておきましょう。
🟡 早めに医療機関へ(深部静脈血栓症のサイン)
- 片方の脚だけがむくむ
- ふくらはぎが痛む・赤紫色になる
ポイントは「片脚だけ」という点。両脚が同じようにむくむのは、移動後によくある一時的なむくみのことが多いですが、片脚だけの腫れや痛みは血栓を疑う重要なサインです。
🔴 ためらわず119番!(肺血栓塞栓症の疑い)
- 突然の強い息切れ
- 胸の痛み
- 失神・意識が遠のく感じ
これらが突然起きた場合は、一刻も早く救急要請してください。
まとめ
- 旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)は、飛行機だけでなく車の長距離移動でも起こる
- 長時間座ったまま動かない+水分不足が血栓のきっかけになる
- 予防の基本は「定期的に動く・こまめに水分補給・着圧ソックスの活用」
- 片脚だけのむくみ・痛みは要注意。突然の息切れ・胸痛は即救急へ
- 症状は帰宅後2週間以内に出ることもあるので、移動後も体の変化に注意を
長距離移動の多いこの季節、ちょっとした意識と習慣で血栓リスクをぐっと下げることができます。楽しい旅行・帰省のあとも、ぜひ自分の脚の状態を気にかけてみてください。
参考:厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」/日本循環器学会ほか「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン」
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