自閉スペクトラム症(ASD)の症状改善に期待!体への負担が少ない「次世代FMT法」の可能性
自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんを持つご家族にとって、日々の生活は様々な困難を伴うことと思います。対人関係の難しさ、特定の物事への強いこだわり、感覚の違いなど、ASDの症状は多岐にわたり、その治療法はまだ確立されていないのが現状です。
そんな中、体への負担が少ない新しい治療法「次世代FMT法(NanoGAS®-FMT)」が、国際学術誌『Frontiers in Pediatrics』に掲載されることになりました。このニュースは、ASDで悩む多くの方々にとって、まさに一筋の光となるかもしれません。今回は、この画期的な治療法がどのようなもので、どのような効果が期待できるのかを詳しく見ていきましょう。
自閉スペクトラム症(ASD)とは?
自閉スペクトラム症は、発達障害の一つで、「社会的コミュニケーションや社会的相互作用における持続的な欠陥」と「興味の限局や反復行動」が特徴です。近年、腸内環境と脳機能が密接に関わる「脳腸相関」が注目されており、ASDの子どもたちの多くが便秘や下痢といった消化器系の問題を抱えていることがわかっています。
FMT(糞便微生物叢移植)ってどんな治療法?
FMT(Fecal Microbiota Transplantation)は、学術的には「糞便微生物叢移植」、一般的には「腸内フローラ移植」や「腸内細菌叢移植」と呼ばれる治療法です。私たちの腸内には100兆個以上もの細菌が共生しており、その多様な集合体は「腸内フローラ」と呼ばれています。この腸内フローラは、免疫機能や消化・吸収だけでなく、心の安定にも深く関わっていることが明らかになってきました。
近年、この腸内環境のバランスが崩れた状態をFMTによって整えるアプローチが、従来の薬物療法では改善が難しかった病気に対する「新しい治療法」として、世界中で注目を集めています。
従来のFMT法の課題
しかし、従来のFMT法には課題がありました。移植を行う前に抗菌薬の投与や腸管洗浄が必要な場合が多く、これらが患者さんの身体的・精神的な負担になることが少なくありませんでした。特に、感覚過敏を持つASDのお子さんにとっては、これらの前処置は大きなストレスになることが予想されます。
負担が少ない!画期的な次世代FMT法「NanoGAS®-FMT」
そんな従来のFMT法の課題を解決するために、シンバイオシス株式会社などが開発したのが「水素ナノバブル水を用いるNanoGAS®-FMT法」です。この次世代FMT法は、患者さんの負担を大幅に軽減しながら、より安全で効果的な治療を目指しています。
従来のFMT法とNanoGAS®-FMT法には、以下の決定的な違いがあります。
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糞便微生物叢の調製液
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従来法:生理食塩水
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NanoGAS®-FMT法:水素NanoGAS®水(シンバイオシス独自の技術で作られた水素ナノバブル水)
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FMT施行前の処置
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従来法:抗菌薬投与や腸管洗浄が必要
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NanoGAS®-FMT法:不要
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投与方法
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従来法:多くの場合、大腸内視鏡による投与
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NanoGAS®-FMT法:細いゴム管による直腸投与(投与時間:数分)
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このように、NanoGAS®-FMT法は、抗菌薬や腸管洗浄剤を使うことなく、ごく微量の糞便微生物叢を短時間で直腸に投与できるため、患者さんへの負担が少ないのが大きな特徴です。
国際学術誌で発表された驚きの臨床研究結果
シンバイオシス株式会社は、(一財)腸内フローラ移植臨床研究会に所属する医師や大阪大学の片山泰一教授らとの共同研究により、このNanoGAS®-FMT法がASDの子どもたちの症状にどのような影響を与えるかを検証しました。その結果、NanoGAS®-FMT法の有効性と安全性が明らかになり、その論文が国際学術誌『Frontiers in Pediatrics』に近日中に掲載されることになりました。
『Frontiers in Pediatrics』に掲載予定の論文はこちら: https://www.frontiersin.org/journals/pediatrics/articles/10.3389/fped.2026.1767346/abstract
ASDの中核症状が約30%改善し、その効果が2年間持続!
この特定臨床研究では、ASD症状の評価尺度であるSRS-2(対人応答性尺度)を用いて、NanoGAS®-FMT法の効果を検証しました。その結果、ASDの子どもたちの症状が統計学的に有意に約30%改善することが明らかになりました。さらに嬉しいことに、この改善効果は2年間も持続することが追跡調査で確認されています。
具体的には、FMT施行前の平均重症度(SRS-2合計粗点)が101.6だったのに対し、30週後には72.4まで減少しました。この効果が2年後も維持されていることが示されています。

また、重症度別の患者数の変化を見ても、FMT施行前には30名中28名が重症域だったのに対し、30週後には重症域の患者が減少し、軽度や正常域の患者が増加していることがわかります。この傾向は2年後も持続しています。

この研究により、NanoGAS®-FMT法が、ASDの主要な症状である「社会的コミュニケーションや社会的相互関係における持続的な欠陥」、および「興味の限局や強いこだわり」に対して、偏りなく一様に改善効果をもたらすことが示されました。
感覚処理障害も約30%軽減!
ASDを持つ人たちの多くは、音や光、触覚、味や匂いなどに対する感じ方が他の人と異なる「感覚処理障害」を抱えています。この研究では、SSP(感覚プロファイル短縮版)を用いて感覚処理障害を評価したところ、NanoGAS®-FMT法によって、ASDの子どもたちの感覚処理障害が約30%軽減されることが明らかになりました。

これは、学校生活や社会参加の可能性を広げる、非常に大きな福音と言えるでしょう。
胃腸障害やうつ症状・不安症状にも効果
さらに、この治療法はASDの中核症状だけでなく、高頻度に見られる「胃腸障害」や「うつ症状・不安症状」へも効果が及ぶことが確認されました。
GSRS(消化器症状評価尺度)による評価では、ASDの子どもたちの胃腸障害の重症度が約27%大幅に軽減されました。また、便の性状評価(BS Scale)では、30名中26名(87%)が理想的な便に変わり、消化器症状が大きく改善したことがわかります。


PHQ-4(うつ症状・不安症状の評価系)による評価では、うつ症状・不安症状が約28%低減される効果が示されました。これはASD重症度の低減率とほぼ同等です。

これらの結果から、NanoGAS®-FMT法は、ASDの幅広い症状に対して、総合的な改善効果をもたらす可能性を秘めていることがわかります。
高い安全性と低い侵襲性
この臨床研究では、治療期間中に軽微なものも含めて有害事象が全く確認されませんでした。FMTの施行は数分で終了するため、感覚過敏を持つASDのお子さんでも、回数を重ねるごとに抵抗なく受け入れることができ、身体的・精神的な負担が少ない方法であることが明らかになりました。
未来への展望と関係者の声
今回の国際学術誌への論文掲載は、ASDで悩む人々にとって大きな希望となるでしょう。シンバイオシス株式会社の代表取締役である田中三紀子氏は、今回の成果を「根本的な治療法が確立されていないASDにおいて、ご本人とご家族が未来を切り拓くための『確かな選択肢』を届ける一歩」と語っています。

シンバイオシス株式会社 代表取締役 田中 三紀子氏
また、この研究には多くの医療関係者や専門家が関わっており、それぞれがNanoGAS®-FMT法の可能性に大きな期待を寄せています。

医療法人仁善会 田中クリニック 理事長・院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 代表理事 田中 善 氏
「今後、腸内フローラ移植臨床研究会として、NanoGAS®-FMTによる他の疾患への有効性、安全性を検証するための臨床、研究を進めていきたいと考えています。」

城谷バイオウェルネスクリニック 院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 専務理事 城谷 昌彦 氏
「身体への負担を最小限に抑えた日本発の技術が、世界に認められた意義は極めて大きく、専務理事として今後も安全性を最優先に、臨床と研究の両輪で邁進してまいります。」

医療法人喜和会 喜多村クリニック 理事長・院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 理事 喜多村 邦弘 氏
「臨床現場では低侵襲性が最優先です。抗菌薬や洗腸を要さず短時間で完結する本手法は、多感な時期のお子様やご家族の大きな救いとなります。有害事象ゼロの事実は、FMTを身近な医療へ押し上げる大きな一歩です。」

医療法人 ふたまた会 ナチュラルアートクリニック 院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 理事 御川 安仁 氏
「精神症状のみならず、消化器症状(GSRS)感覚障害の大幅な改善が見られ2年後もその効果が継続出来ていたことは、FMTが全身の恒常性を整える根本的なアプローチであることを示唆しています。次世代の医療を担う選択肢として期待しています。」

医療法人 はるなクリニック 副院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 春名 令子 氏
「今回の研究で、五感の過敏性が約30%軽減されたことは、学校生活や社会参加の可能性を広げる福音です。薬の投与もなく処置の負担も少ないこの方法が、多くの悩める親御さんの希望となることを願っています。」

医療法人悠亜会 かわい内科クリニック 理事長・院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 理事 川井 勇一 氏
「NanoGAS®-FMTが国際誌で評価される運びとなったことは、我々臨床医にとっても大きな自信となりました。侵襲性が低く、日常の延長で取り組めるこの治療が、多くの家族の未来を明るく照らすと確信しています。」

こいでクリニック 院長 小出 誠司 氏
「私は精神科医として長年自閉スペクトラム症の診療に携わっておりますが、決定的な治療法はいまだ確立されていないのが現状です。抗菌薬などの事前投与の必要もなく、患者さんの負担の少ない方法で投与可能な本糞便微生物叢移植法が有力な選択肢となることを期待しております。」

医療法人医新会 よろずクリニック 理事長・院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 理事 萬 憲彰 氏
「本研究で安全性と長期有効性が示されたNanoGAS®-FMT法は、腸内細菌‐腸‐脳軸を基盤とする新たな医療として、ASDのみならず消化器疾患や神経変性疾患など多様な領域への可能性を秘めています。」

医療法人 LAGOM ライフクリニック蓼科 理事長・院長 一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 理事 麻植 ホルム 正之 氏
「設立以来、私たちが追求してきた『患者様第一の移植療法』が、ついに世界の舞台へ。FMTが日本の次世代医療の柱となる未来を目指し、共に歩み続けます。」

大阪大学大学院・連合小児発達学研究科 研究科長 分子生物遺伝学研究領域 教授 附属子どものこころの分子統御機構研究センター センター長 片山 泰一 氏
「本研究は、その理論を臨床の現場で検証し、安全性と有効性の可能性を示しています。神経発達症治療の新しい方向性を提示する成果であり、今後はより厳密な試験で科学的妥当性を確立していきます。」
当事者家族からの喜びの声
実際にNanoGAS®-FMTを受けた子どもたちの家族からも、喜びと感謝の声が寄せられています。

一般社団法人チャレンジドLIFE 代表 畠中 直美さん
「自閉症の息子が9歳で腸内フローラ移植を受けてから、家族の日常は大きく変わりました。以前は常に緊張し、カメラを向けると逃げてしまう子でしたが、移植後は『写真を撮って』と自分から言えるように。ゆるい便しか出ずトイレも嫌がっていましたが、きれいな便が出るようになり笑顔も増えました。生活の土台が整い、いろいろなことに挑戦できるようになりました。本当に感謝しています。」

アイステップ名古屋 代表 小島 育子さん
「自閉症による強い偏食と慢性便秘に長年悩み、薬に頼る日々に不安を抱えていました。10歳で腸内フローラ移植を受け、現在13歳。今では自然に快便となり、野菜にも挑戦できるように。流暢な会話はできませんが、言葉が増え、自分の気持ちを伝えようとする姿に胸が熱くなります。あの時の決断は間違いではなかったと心から感じています。」
南條 美樹さん
「不安の強い息子が14歳で腸内フローラ移植を受けました。痛みもなく短時間で終わるため安心して続けられ、『腸内フローラが応援してくれている』と前向きに高校受験へ挑戦。今では高校生活にも意欲的に取り組み、親として成長を感じられる毎日が励みになっています。」
論文発表会と関連情報
シンバイオシス株式会社は、今回の取り組みを多くの方に知ってもらうため、大阪と東京で論文発表会を開催する予定です。新しい医療の未来を共に展望できる機会となるでしょう。
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論文発表会の詳細はこちら: https://fmt-japan.org/
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NanoGAS®サービスサイト: https://fmt.sym-biosis.co.jp/cases/asd
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jRCT(臨床研究等提出・公開システム): https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCTs031230041
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シンバイオシス株式会社 公式サイト: https://sym-biosis.co.jp/
まとめ
自閉スペクトラム症は、ご本人だけでなくご家族にとっても、多くの課題を抱える病気です。しかし、今回発表されたNanoGAS®-FMT法は、その中核症状から周辺症状、さらに身体的な負担までを軽減する可能性を示しており、多くの人々に希望をもたらすでしょう。有害事象もなく、体への負担が少ないこの治療法が、ASDで困っている方々の未来を明るく照らすことを期待しています。
