「知ろうCKD。続いてほしい今日があるから。」慢性腎臓病(CKD)早期発見・治療が未来を守るカギ!
あなたの腎臓、大丈夫?「知られざる国民病」CKDってどんな病気?
「腎臓の病気」と聞くと、なんだか遠い世界の話のように感じるかもしれません。でも実は、私たち日本人成人のなんと約5人に1人、実に約2,000万人もの人が「慢性腎臓病(CKD)」を抱えていると言われているんです。これって、もう「国民病」と言っても過言ではないですよね。
それなのに、どうしてあまり耳にしないのでしょうか?その理由は、CKDが「サイレントキラー」、つまり「静かなる病気」だからです。初期の段階では、ほとんど自覚症状がないため、「自分は大丈夫」と思ってしまいがち。気がつかないうちに病気がどんどん進行してしまうことが、この病気の大きな特徴なんです。
CKDが重症化すると、人工透析や腎移植が必要な「末期腎不全」になるリスクが高まります。これは、体にとって大きな負担となり、生活の質も大きく変わってしまう可能性があります。さらに、末期腎不全に至る前にも、心筋梗塞や心不全といった心血管疾患のリスクを高め、全身の健康に深刻な影響を及ぼすことがわかっています。
こうした背景から、「生活者がCKDを正しく理解し、早期発見・適切な医療につなげること」を目指して、2026年3月1日(日)にNPO法人日本腎臓病協会とアストラゼネカ株式会社が市民公開講座「知ろう CKD。続いてほしい今日があるから。」を都内で開催しました。3月12日の「世界腎臓デー」を前に、多くの参加者が会場とオンラインで集まり、CKDへの理解を深める貴重な時間となりました。

新たな取り組み「CORE PROJECT」が始動!
この市民公開講座では、CKDの正しい知識を広め、良質な治療を普及させるための新しい取り組み「CORE PROJECT」の概要が初めて発表されました。
日本腎臓病協会とアストラゼネカは、2022年に腎臓病啓発アンバサダーに就任した俳優の檀れいさんを通じて、「GFR値が59以下の方は、お医者さんにご相談を。」というメッセージを広く発信してきました。この活動の貢献もあり、2021年以降、新規透析患者数が減少傾向に転じたと考えられています。これは本当に素晴らしいことですよね。
「CORE PROJECT」という名前は、人の健康にとって“コア”(核)となる臓器である腎臓の役割にちなんで名付けられました。このプロジェクトは、全国各地でCKDの早期発見と早期治療を推進し、以下の3つの目標達成を目指しています。
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末期腎不全への進行を阻止すること
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CKDによる心血管疾患の発症を予防すること
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死亡リスクを軽減すること
このプロジェクトが全国に広がり、一人でも多くの人が健康な腎臓で過ごせるようになることを期待したいですね。
専門家から学ぶ!CKDを理解するための大切なポイント
市民公開講座では、CKDの専門家である先生方が、病気のメカニズムから治療のポイントまで、わかりやすく解説してくれました。
柏原直樹先生の講演「腎臓病の克服に向けて」

NPO法人日本腎臓病協会の理事長でもある川崎医科大学高齢者医療センター病院長の柏原直樹先生は、2018年の協会設立以来、「患者さんをひとりにしない」という共通の価値観を大切にしてきたと語りました。
腎臓病は、専門医の助けが必要になることも少なくありません。そこで、看護師さんや薬剤師さん、栄養士さんなど、さまざまな医療従事者が必要な知識を身につけるための「腎臓病療養指導士」制度を始めたり、患者さんと良質な腎臓病医療との距離を縮める「協力医」制度を立ち上げたりしているそうです。
「かかりつけ医と専門医が連携して、患者さんの病気を一緒に受け止めてくれる環境が整いつつあります。ぜひ、CKD患者さんにはこのことを知っていただきたいです」と、先生は心強いメッセージを送ってくださいました。病気と向き合う中で、一人じゃないと感じられることは、きっと大きな支えになりますよね。
猪阪善隆先生の講演「慢性腎臓病(CKD)2,000万人時代 未来のためにできること」

大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授の猪阪善隆先生は、腎臓が血液をろ過するフィルターの役割を果たす「糸球体」の異常が、血液検査や尿検査でどのように現れるかを解説しました。特に、「GFR値」に注意することが、CKDの早期発見には欠かせないポイントだそうです。
先生は、GFR値が低下するほど、心血管疾患による入院や死亡のリスクが高まることを示し、CKDが腎臓だけでなく、全身の健康に深く関わっていることを強調しました。CKDの治療では、禁煙、節酒、食事、運動、生活リズム、体重管理といった生活習慣の改善が非常に重要です。加えて、高血圧や糖尿病といったCKDの原因となる病気の治療や、貧血などのCKDによって引き起こされる症状への対処、そしてCKDそのものの進行を遅らせるための薬物療法もカギとなります。
「早期診断、早期治療が何よりも大切です」と先生は語り、わかりやすい解説で、日々の生活の中でできること、そして医療機関と連携することの重要性を教えてくださいました。
内田啓子先生のコメント「検査結果を見る際のポイント」

横須賀クリニック診療部長で東京女子医科大学腎臓内科客員教授の内田啓子先生は、CKDが自覚症状の少ない病気だからこそ、検査結果が非常に重要だと強調しました。検査結果を見る際のポイントは二つあるそうです。
- 「現状の数値を見ること」
- 「変化を知ること」
「去年の数値と今年の数値を比較したり、体調が悪い時とそうでない時の数値を比べてみたりすることで、腎臓の状態の変化に気づきやすくなります」と先生。もし、かかりつけ医がいれば、普段の状態との変化を診てもらいやすいですし、そうでない場合でも、過去の健康診断の結果などを持参して受診すると良いとのことです。
内田先生は、日々人工透析患者さんの診療にあたっている経験から、「早期発見・早期治療の啓発活動にも積極的に貢献していきたい」という強い思いを語ってくださいました。私たちも、自分の検査結果に少しだけ意識を向けることから始めてみませんか?
檀れいさんと細越百合香さんのクロストーク「あの日、治療と向き合ってよかった。」

専門医の先生方に加え、腎臓病当事者の細越百合香さんと、腎臓病啓発アンバサダーの俳優・檀れいさんが登壇し、クロストークセッションが行われました。第一線の専門医による解説と、当事者の貴重な体験談を踏まえながら、檀さんは生活者の立場から率直な思いを語りました。
檀れいさんのコメント「GFR値への意識と医療連携の心強さ」

「2022年から腎臓病啓発アンバサダーとして活動していますが、啓発ポスターをきっかけに声をかけていただくこともあり、検査結果ではGFR値に注目するようになりました。おかげで、『腎臓の健康』は私にとっても身近なテーマになったんです」と檀さん。
かかりつけ医と専門医の先生方が連携して命を守るという取り組みには、とても心強く感じたそうです。また、細越さんの病気との向き合い方という貴重なお話を聞いて、「私だけではなく、今日参加された皆さんにとってもCKDについてより深く学べる時間になったのではないかと思います。人生100年時代を健康に楽しく過ごせるよう、今日の学びを活かしていただけたら嬉しいです」と、優しく語りかけてくれました。
細越百合香さんのコメント「腎臓との対話、主治医との対話」

CKD患者である細越百合香さんは、病気になって「腎臓を知る」ことが本当に良かったと感じているそうです。「腎臓にとって良いこと、良くないことを正しく理解することで、漠然とした不安がぐっと減りました」と語る細越さん。
病気について深く理解することで、かかりつけ医の先生が言っていることも深く理解できるようになり、適切な質問もできるようになったと言います。「病気というとお医者様に治してもらうという感覚になりがちですが、検診の血液検査や尿検査の結果を『治療の通知表』と捉えて、主治医の先生とはたくさんお話をしています」と、細越さんの前向きな姿勢が伝わってきました。
細越さんは、「私は『腎臓との対話』と『かかりつけ医との対話』をこれからも頑張っていきたいと考えていますし、皆さんにもおすすめしたいと思います」と、力強くメッセージを送ってくださいました。自分の体のこと、病気のことを知ろうと努力し、医療者と積極的にコミュニケーションを取ることの大切さを改めて教えてくれるお話でした。
市民公開講座の概要
今回の市民公開講座「知ろうCKD。続いてほしい今日があるから。」は、NPO法人日本腎臓病協会とアストラゼネカ株式会社の共催で開催されました。
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日時: 2026年3月1日(日)11:00~12:30
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会場: グランドハイアット東京
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プログラム:
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オープニングセッション(柏原直樹先生)
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講義セッション(猪阪善隆先生)
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クロストークセッション(柏原直樹先生、内田啓子先生、檀れいさん、細越百合香さん)
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慢性腎臓病(CKD)についてもっと知ろう
ここで改めて、慢性腎臓病(CKD)について簡単に確認しておきましょう。
CKDは、腎臓の機能が低下したり、腎臓に障害があることを示す指標の変化が3カ月以上続いている場合に診断されます。主な原因となる病気には、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎などがあります。
CKDは非常に多くの人が抱える病気で、心不全や若年死につながる心血管イベントのリスクを高めることがわかっています。CKDが最も重篤な状態に進行すると、「末期腎不全(ESKD)」と呼ばれ、透析療法や腎移植が必要になります。しかし、CKD患者さんの多くは、ESKDになる前に心血管系の病気が原因で亡くなってしまうことが多いのも事実です。
だからこそ、早期にCKDを発見し、適切な治療を始めることが、元気な毎日を長く続けるためにとても大切なんです。
関連情報
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NPO法人日本腎臓病協会
医療者、市民、企業、行政などが連携し、腎臓病を克服するために活動している組織です。腎臓病の普及啓発、診療連携体制の構築、腎臓病療養指導士制度の運営など、幅広い事業を展開し、全国どこにいても良質な医療を受けられる環境を目指しています。
詳しくはNPO法人日本腎臓病協会をご覧ください。 -
アストラゼネカ
サイエンスに基づいたグローバルなバイオ医薬品企業で、がん、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患などの領域で、医薬品の創薬から開発、製造、販売までを行っています。世界中の患者さんの命を救い、健康を改善することを目指しています。
詳しくはアストラゼネカまたはアストラゼネカ株式会社をご覧ください。
まとめ:あなたの「続いてほしい今日」のために、今できること
今回の市民公開講座を通して、慢性腎臓病(CKD)が「知られざる国民病」であり、早期発見・早期治療がいかに大切であるかを改めて学ぶことができました。
自覚症状が少ないからこそ、定期的な健康診断を受け、特にGFR値などの検査結果に意識を向けることが重要です。もし気になることがあれば、迷わずかかりつけ医に相談し、必要であれば専門医と連携して診てもらうことが、あなたの腎臓を守る第一歩になります。
「患者さんをひとりにしない」という日本腎臓病協会の思いや、「CORE PROJECT」のような新しい取り組みが、きっと多くの人々の未来を明るく照らしてくれるでしょう。あなたの「続いてほしい今日」のために、今一度、ご自身の腎臓の健康について考えてみませんか?
この情報が、あなたの健康な毎日を支えるきっかけになれば嬉しいです。
