病気で悩むあなたへ!内科医が教える「運動は最高の薬」ってホント?
もしあなたが、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の診断を受けて、「どうしたらいいんだろう…」と悩んでいるなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
「薬を飲んでいるから大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんね。でも、実は薬だけでは守れない健康があるって知っていましたか?今回ご紹介するのは、内科医が伝える「生活習慣病に対する運動療法」の大切さ。運動が、まるで薬のようにあなたの健康を支えてくれる、そんなお話です。

薬だけじゃない!「動くこと」が治療の柱
2026年6月6日に開催された「第5回ようが健幸教室」では、内科医の立場から「生活習慣病に対する運動療法」の重要性について講演が行われました。
高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、現代社会で多くの人が抱える健康課題です。これらの病気に対して、もちろん薬による治療は大切ですが、それと同じくらい、いやそれ以上に「体を動かすこと」が治療の大きな柱になる、と講演では強調されています。
「え、運動ってそんなに大事なの?」と思う方もいるかもしれませんね。でも、実際に運動は、これらの病気の改善だけでなく、予防にも大きな効果を発揮するんです。
メタボだけ見てちゃダメ!ロコモも知っておこう
生活習慣病と聞くと、「メタボリックシンドローム」という言葉を思い浮かべる人が多いでしょう。血圧や血糖値、コレステロールを下げること、つまり「メタボ管理」に注目しがちですよね。
しかし、それだけでは十分とは言えません。
実は、年齢を重ねるとともに、筋肉や骨、関節の機能が少しずつ低下していく「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」という状態が進行します。このロコモが進行すると、将来的に寝たきりになったり、介護が必要になったりする可能性が高まってしまうんです。
つまり、生活習慣病の管理と、筋肉や運動機能の維持は、別々に考えるものではなく、両方を一体として取り組むべき課題なんですね。どちらか一方だけ良くても、本当に元気で長生きすることは難しいのかもしれません。
運動のプロがあなたの健康をサポート!
「運動が大事なのはわかったけど、どうすればいいの?」そう思いましたか?ご安心ください。
医療の現場では、運動療法を専門的にサポートする体制が整えられています。例えば、2026年には新たに「健康運動指導士」という資格が取得されました。
健康運動指導士は、厚生労働省が認可した資格で、医学的な知識に基づいて、安全で効果的な運動指導を行う専門家です。一人ひとりの体の状態や病気に合わせて、どんな運動が良いのか、どれくらいの強度で行えば良いのかを教えてくれる、心強い存在なんですよ。
さらに、日本医師会認定健康スポーツ医、人間ドック健診専門医・指導医、総合内科専門医・指導医、消化器病学会専門医・指導医、肝臓学会専門医・指導医といった、さまざまな専門知識と経験も活かされています。
これらの専門知識を駆使して、「病気を治す医療」だけでなく、「病気になる前に防ぐ医療」を実践していこうという強い思いがあるそうです。これなら、安心して運動に取り組めそうですね。
なんで運動がそんなに大切なの?〜代謝異常と筋肉の関係〜
では、具体的にどうして運動が生活習慣病の改善に欠かせないのでしょうか?
生活習慣病、特に糖尿病、高血圧、脂質異常症などは、それぞれが複雑に絡み合いながら、体の血管を硬くしてしまう「動脈硬化」を進行させます。そして、この動脈硬化が、最終的には脳卒中や心筋梗塞といった、命に関わる重大な病気につながってしまうのです。
これらの病気の背景には、「代謝異常」という共通の原因が存在しています。近年では、脂肪肝も単なる肝臓の病気ではなく、全身の代謝異常を映し出す「鏡」のような病気であることがわかってきました。
そして、この代謝異常と深く関わっているのが、実は私たちの体にある「筋肉」なんです。筋肉は、単に体を動かすだけでなく、全身のエネルギー代謝において非常に重要な役割を担っているんですよ。
「痩せればいい」は危険信号!無理なダイエットが招く落とし穴
「とにかく痩せなきゃ!」と思って、極端な食事制限をした経験はありませんか?実は、無理なダイエットはかえって健康を損ねてしまうことがあるんです。
2019年にNHK BSプレミアムの番組監修を担当した際にも、急激なダイエットによって脂肪肝が悪化するケースが注目されました。極端な食事制限をすると、次のような悪循環が起こりやすくなります。
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脂肪だけでなく筋肉も減少する
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基礎代謝が低下する
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エネルギー消費量が減る
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リバウンドしやすくなる
その結果、「手足は細いのに、お腹だけがぽっこり出る」という特徴的な体型になってしまうことがあります。これは、「ダイエット脂肪肝」と呼ばれ、医学的には「低栄養性脂肪肝」として知られています。
単に体重を減らすことだけが目的になってしまうと、このような落とし穴にはまってしまうことも。大切なのは、筋肉を維持しながら、健康的に体脂肪を減らすことなんですね。

基礎代謝アップの秘密は「筋肉」にあり!
私たちの体は、たとえじっとしていても、生命活動を維持するために常にエネルギーを消費しています。これを「基礎代謝」と呼びます。
基礎代謝に関わる主な臓器の割合を見てみると、肝臓が約27%、脳が約19%、そして筋肉が約18%とされています。肝臓や脳は、残念ながら「鍛える」ことはできませんよね。
でも、筋肉は違います。そう、筋肉は私たちの意思で積極的に鍛えることができる唯一の臓器なんです!
つまり、基礎代謝を高めて、効率よくエネルギーを消費できる体を作るために、私たちが最も働きかけることができるのが「筋肉」というわけです。筋肉を増やすことで、何もしなくても消費されるカロリーが増え、太りにくい体質へと変わっていくことが期待できます。
最新ガイドラインから学ぶ!賢い運動習慣
「じゃあ、具体的にどんな運動をすればいいの?」という疑問に答えるヒントが、厚生労働省から出ています。
2023年には「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」が改訂され、新しい運動の目安が示されました。これによると、成人の方には、1日60分以上の身体活動(歩数にすると約8,000歩が目安)が推奨されています。
さらに、ただ歩くだけでなく、筋力トレーニングを週に2~3回行うことも推奨されています。筋トレは、先ほどお話しした「筋肉」を効率よく鍛えるためにとても効果的です。
座りっぱなしはNG!「こまめな動き」がカギ
そして、もう一つ、とても重要なポイントがあります。それは「座りっぱなしの時間を減らすこと」です。
「え、運動してるから大丈夫じゃないの?」と思うかもしれませんが、長時間座り続ける生活は、たとえ運動をしていても、心血管疾患、糖尿病、肥満などのリスクを高めることがわかっています。せっかく運動で健康に気を使っていても、座りっぱなしの時間が多いと、その効果が弱まってしまう可能性がある、と言われているんですね。
だからこそ、大切なのは日常生活の中で「こまめに動くこと」なんです。
激しい運動だけが健康づくりではありません。例えば、
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エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
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少し遠回りして歩く
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家事を積極的に行う
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子どもや孫と体を動かして遊ぶ
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横断歩道を早歩きする
こうした、特別な運動時間を確保しなくても、日常生活の中で自然に体を動かす活動は「NEAT(非運動性熱産生)」と呼ばれています。意識して「こまめに動く」習慣をつけるだけで、エネルギー消費量は増え、生活習慣病の予防につながるんですよ。
今日からできる!運動は「有酸素」「筋トレ」「ストレッチ」の3本柱
運動療法で最も大切なのは、一つの運動だけに偏らず、バランスよく取り入れることです。
① 有酸素運動
ウォーキングやジョギング、水泳など、長時間続けられる軽〜中程度の運動です。脂肪燃焼効果が期待でき、心肺機能の向上にもつながります。息が上がるほどではなく、「少しきついかな?」と感じる程度がおすすめです。
② 筋力トレーニング
スクワットやランジ、腕立て伏せなど、筋肉に負荷をかける運動です。筋肉量を維持し、基礎代謝を支える上で欠かせません。ジムに行かなくても、自宅でできる自重トレーニングから始めてみましょう。
③ ストレッチ
体の柔軟性を高める運動です。血流改善や疲労回復、そして運動中のケガ予防にもつながります。運動の前後だけでなく、お風呂上がりや寝る前など、リラックスした状態で行うと効果的です。
この3つをバランスよく組み合わせることが、生活習慣病を改善し、健康寿命を延ばすための基本となります。どれか一つだけでなく、全部取り入れることを意識してみてくださいね。
まとめ:運動は病気を防ぐ「最高の薬」
これまで医療は、「病気になってから治療する」ことが中心でした。しかし、超高齢社会を迎えた今、もっと大切なのは「病気を予防し、元気に歳を重ねること」です。そのためには、
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メタボ対策
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ロコモ予防
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筋肉量の維持
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日常的な身体活動
これらを総合的に考えて、健康に取り組む必要があります。運動は、単なる健康法ではなく、生活習慣病や将来の寝たきりを防ぐための、まさに「治療」の一つなんです。
薬だけに頼らず、あなたの体本来の力を引き出す「運動」を、ぜひ今日から生活に取り入れてみませんか?きっと、あなたの未来の健康を力強く支えてくれるでしょう。
講演者紹介
今回の講演を行ったのは、用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長の菊池真大(きくち まさひろ)先生です。医学博士であり、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医などの資格を持つだけでなく、日本医師会認定健康スポーツ医、そして2026年3月には健康運動指導士の資格も取得されています。病気の治療だけでなく、医学的根拠に基づいた運動療法で、病気の予防にも力を入れている先生です。
