夏の体調不良、熱中症と夏バテってどう違うの?
春は暖かくなってきて嬉しい季節ですが、あっという間に暑い夏がやってきますよね。毎年夏になると「熱中症かな?」「夏バテかな?」と体調を崩してしまう人も多いのではないでしょうか。熱中症と夏バテは、どちらも夏の気候が原因で起こる体調不良ですが、実は「病気」と「不調」という大きな違いがあるんです。
この違いを知っているか知らないかで、あなたの夏が大きく変わるかもしれません。今回は、せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅 司先生が詳しく解説してくださった「熱中症と夏バテの違い」について、一緒に学んでいきましょう!

熱中症は「病気」、夏バテは「不調」という大きな違い
「熱中症と夏バテって、結局どっちも暑さで体がしんどくなることでしょ?」
そう思っている人もいるかもしれませんね。でも、この二つにはハッキリとした違いがあるんです。久手堅先生によると、熱中症は「病気」、夏バテは「不調」という大きな違いがあるとのこと。
熱中症は、高温多湿の環境で体の体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまうことで起こる、命に関わる可能性もある危険な状態です。急激に悪化することが特徴で、場合によっては意識を失ったり、けいれんを起こしたりすることもあります。
一方、夏バテは、暑さによる疲労や自律神経の乱れなどが原因で起こる、日常生活に支障をきたす程度の体調不良です。こちらは徐々に悪化していく傾向があります。
このように、熱中症と夏バテでは、その深刻度や進行の仕方が全く違うため、それぞれの特徴を理解しておくことが、自分の体を守る上でとても大切になります。
原因も進行も大きく異なる!それぞれの特徴を見てみよう
熱中症と夏バテは、原因となる要素や症状の現れ方、進行の仕方も異なります。詳しく見ていきましょう。
熱中症の原因と進行
熱中症の主な原因は、高温多湿の環境です。気温が高いのはもちろんですが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体が冷えにくくなります。また、日差しや地面、建物などから直接浴びる熱(輻射熱)も大きく影響します。
体が暑さに順応していない時期(例えば、春から急に暑くなった日など)に急激に気温や湿度が上昇したり、体調がよくなかったりする時にも起こりやすくなります。そして、熱中症は急激に悪化するのが特徴です。あっという間に症状が進行し、重篤な状態になることもあるため、注意が必要です。
夏バテの原因と進行
夏バテの原因は、熱中症よりももう少し複雑です。高温多湿の環境や強い紫外線といった暑さそのものに加え、冷房による体の冷え、屋内と屋外の大きな寒暖差、生活リズムの乱れ、ストレス、過労などが絡み合って、自律神経のバランスが乱れることが主な原因と考えられています。
自律神経は、体温調節や消化、睡眠など、体のさまざまな機能をコントロールしています。このバランスが崩れると、食欲不振やだるさ、睡眠不足といった不調が起こりやすくなります。夏バテは熱中症のように急激に悪化するのではなく、徐々に体調が悪化していくのが特徴です。
あなたは大丈夫?熱中症を見極めるポイント
熱中症は急激に悪化する「病気」なので、早期に症状に気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。専門医が解説する内容として、一般的には以下のような症状が熱中症のサインと考えられています。
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軽度(熱失神・熱けいれんなど)
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めまいや立ちくらみ、一時的な失神
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筋肉のこむら返り、筋肉痛
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手足のしびれ
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大量の汗をかいているのに、だるさや倦怠感が続く
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中度(熱疲労など)
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頭痛や吐き気、嘔吐
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体がだるく、ぐったりする
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集中力や判断力の低下
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体温が38度を超えることもある
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重度(熱射病など)
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意識がない、呼びかけに反応しない、言動がおかしい
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体がけいれんする
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体温が異常に高い(40度以上になることも)
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まっすぐに歩けない、体がふらつく
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もし軽度や中度の症状が見られたら、すぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やし(首筋や脇の下、足の付け根などを重点的に)、水分や塩分を補給してください。スポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。重度の症状が見られる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶなど、医療機関の受診を検討しましょう。
どんな人がなりやすい?熱中症・夏バテのリスクを知ろう
熱中症や夏バテは誰にでも起こりうるものですが、特に注意が必要な人もいます。一般的に、次のような方が熱中症や夏バテになりやすい傾向にあると言われています。
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高齢者: 体温調節機能が低下しやすく、喉の渇きを感じにくいことがあります。
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乳幼児: 体温調節機能が未発達で、体温が上がりやすい傾向にあります。
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基礎疾患を持つ人: 糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病などの持病がある人は、体調を崩しやすいことがあります。
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肥満の人: 体内の熱がこもりやすく、体温が上昇しやすい傾向にあります。
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運動習慣のない人: 汗をかく習慣が少ないと、暑さに体が慣れていないことがあります。
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屋外で作業する人や激しい運動をする人: 長時間暑い環境にいるため、リスクが高まります。
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寝不足や疲労がたまっている人: 体力や免疫力が低下しているため、体調を崩しやすくなります。
ご自身や周りの大切な人がこれらの項目に当てはまる場合は、より一層の注意と対策を心がけましょう。
春から始める!熱中症と夏バテの予防策
本格的な夏が来る前に、今からできる対策を始めて、暑い季節を元気に乗り切りましょう!
暑熱順化で体を慣らそう
熱中症や夏バテの予防に特に大切なのが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。これは、体を少しずつ暑さに慣れさせて、汗をかきやすく、熱を逃がしやすい体にする練習のこと。春から少しずつ始めるのがおすすめです。
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ウォーキングなどの軽い運動: 1日30分程度のウォーキングやジョギングなど、軽く汗をかく程度の運動を習慣にしてみましょう。
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入浴: シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かって汗をかくのも効果的です。ただし、無理は禁物です。
こまめな水分・塩分補給
喉が渇いたと感じる前に、こまめに水分を摂ることが大切です。特に汗をたくさんかいた時は、水分と一緒に失われる塩分も補給しましょう。スポーツドリンクや経口補水液、または水やお茶に塩飴などを組み合わせるのも良い方法です。
快適な環境づくり
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エアコンや扇風機の活用: 無理に我慢せず、エアコンや扇風機を使って室温や湿度を快適に保ちましょう。目安は室温28℃、湿度70%以下と言われています。
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服装の工夫: 吸湿性や速乾性に優れた素材を選び、ゆったりとした服装で熱がこもらないようにしましょう。
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外出時の対策: 日中の暑い時間帯の外出は避け、日傘や帽子を活用しましょう。
規則正しい生活とバランスの取れた食事
十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることは、自律神経のバランスを整え、夏バテ予防につながります。また、偏りのないバランスの取れた食事を心がけ、夏バテで食欲がない時でも、消化の良いものや栄養価の高いものを工夫して摂るようにしましょう。
専門医からのアドバイス
今回ご紹介した情報は、せたがや内科・神経内科クリニック院長の久手堅 司先生が監修されています。久手堅先生は、自律神経失調症や気象病・天気病の専門家でもあり、多くの著書も出版されています。先生の専門的な視点からの解説は、私たちの健康を守る上で大変役立つことでしょう。
健康情報サイト「大正健康ナビ」でさらに詳しく!
大正製薬株式会社が運営する健康情報サイト「大正健康ナビ」では、季節やトレンドに合わせて、あなたの健康に役立つコラムを随時更新しています。今回ご紹介した「熱中症と夏バテの違いとは」の記事も、下記リンクから詳しく読むことができますよ。
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まとめ:健康な夏を迎えるために
熱中症と夏バテは、どちらも夏の体調不良ですが、その本質や対処法には大きな違いがあります。熱中症は命に関わることもある「病気」であり、夏バテは自律神経の乱れからくる「不調」です。この違いを理解し、春から「暑熱順化」などの予防策に取り組むことが、健康で快適な夏を過ごすための鍵となります。
今年の夏こそ、ツラい体調不良に悩まされず、元気に過ごせるように、今日からできる対策を始めていきましょう!
