「もしも」に備える「人生会議」って知ってる?
病気と向き合う中で、「もしも」の時にどうしたいか、誰に伝えればいいのか、そんな風に考えたことはありますか?私たちは誰もが、いつか人生の終わりを迎えます。その時、自分らしく、納得のいく医療やケアを受けるためには、事前に自分の気持ちや希望を整理し、周囲の人と共有しておくことが大切です。この取り組みを「人生会議」と呼びます。
「人生会議」は、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とも言われ、自分が大切にしていることや、伝えたいことを考えることから始まります。「もしものとき、どこでどんな医療やケアを望むか」を具体的に想像し、そして、周囲の信頼できる人たちと繰り返し話し合い、共有しておくことが、この人生会議の核となります。これは、終末期や慢性疾患の患者さんだけでなく、年齢や状態を問わず、すべての人にとって大切な時間です。
医療法人医誠会が主催するがんサロン「さくらサロン」でも、2026年1月22日に「人生会議」をテーマとした講座が開催されました。この講座では、緩和ケア認定看護師が講師となり、がん患者さんやご家族、地域の皆さんに人生会議の考え方と、日常生活での向き合い方を分かりやすく解説しました。参加された皆さんは、自身の思いや大切にしていることとじっくり向き合い、真剣な表情で書き込みを進めていたといいます。
講座の内容は、動画でも公開されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

人生会議、どうやって進めるの?具体的なステップ
「人生会議」と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば、誰でも始めることができます。医誠会国際総合病院で開催された講座では、次のような目次に沿って、人生会議の進め方が説明されました。
1. 人生会議とは
まずは「人生会議」がどんなものかを理解することから始めましょう。これは、特別なことではなく、あなたの人生をより豊かにするための、未来への準備です。自分の価値観や、どんな最期を迎えたいかを考えることで、漠然とした不安が少しずつ和らぎ、前向きな気持ちになれるかもしれません。
2. 人生会議の進め方
具体的にどう進めていけばいいのでしょうか。まずは、自分自身と向き合う時間を持つことが大切です。例えば、
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「どんな時に幸せを感じるか?」
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「どんなことを大切に生きていきたいか?」
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「もしもの時、誰にそばにいてほしいか?」
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「どんな医療やケアを受けたいか、あるいは受けたくないか?」
といった問いを自分に投げかけてみてください。すぐに答えが出なくても大丈夫です。ゆっくり時間をかけて考えてみましょう。そして、その思いを家族や友人、医療従事者など、信頼できる人たちと共有することが次のステップです。一度話したら終わり、ではなく、状況が変わるたびに繰り返し話し合うことが重要です。
3. 実際に人生会議してみましょう
ホロニクスグループ 未来プロセス発行の人生会議冊子が配布され、実際に記入する時間が設けられました。このようなツールを活用することで、自分の考えを整理しやすくなります。もし、身近にそうしたツールがなくても、ノートに書き出したり、信頼できる人に話を聞いてもらったりすることから始めてみましょう。自分の気持ちを言葉にすることで、新たな発見があるかもしれません。
4. まとめ
人生会議は、自分自身のためだけでなく、大切な人たちが「もしも」の時に迷わないためにも役立ちます。事前にあなたの希望が共有されていれば、ご家族が難しい選択を迫られる際も、あなたの意思を尊重しやすくなるでしょう。この機会に、あなたも人生会議を始めてみませんか?
ひとりじゃない!がん患者さんを支える「さくらサロン」
がんは、医療の進歩により、長く付き合っていく病気へと変化しています。それに伴い、がん患者さんやご家族が直面する課題も多様化しています。治療のことだけでなく、日々の生活、心の整理、そして将来への備えなど、考えるべきことはたくさんありますよね。
そんな時、「一人で抱え込まずに、誰かに話したい」「同じような経験をしている人とつながりたい」と思うことはありませんか?がんサロンは、まさにそのような声に応える場所です。同じ立場の人と出会い、経験や思いを共有することで、心の負担が軽くなったり、新たな気づきを得られたりする貴重な機会となります。
医誠会国際総合病院では、がん患者さんやご家族への継続的な支援を目的として、がん患者会「さくらサロン」を定期的に開催しています。医療機関の中にあるこのサロンは、学びと交流の場を通じて、がん患者さんが自分らしく毎日を過ごすための大きな支えとなることを目指しています。講座終了後には交流会も開かれ、がん患者さん同士やスタッフとの間で、治療や食事に関する身近な悩みについても活発な意見交換が行われたそうです。

困ったらいつでも相談!「がん相談支援センター」
がんという病気と向き合う中で、「どこに相談したらいいんだろう?」「どんな情報があるんだろう?」と悩むことは少なくありません。医誠会国際総合病院では、がん患者さんをサポートする体制をさらに充実させるため、「がん相談支援センター」を開設しています。
ここでは、がんに関する様々な情報をまとめた冊子が配布されたり、専門の相談窓口が設けられたりしています。病気のことはもちろん、治療費や生活の不安、仕事との両立など、幅広い相談に対応してくれます。「こんなこと聞いてもいいのかな?」と遠慮せず、気軽に相談できる環境が整っています。
また、がん相談支援センターでは、前述の医療スタッフ同席のがん患者会「さくらサロン」を定期的に開催し、患者さん同士の交流や情報共有の場も提供しています。さらに、放射線治療や化学療法を受けるがん患者さん向けに、無料送迎サービスも提供されており、治療を継続しやすい環境づくりにも力を入れています。
がんに関する悩みや不安は、一人で抱え込まずに、ぜひ専門のサポートを活用してください。詳しい情報はこちらから確認できます。

あなたらしい未来のために、今からできること
病気と向き合うことは、時に孤独で、辛い道のりかもしれません。しかし、あなたの周りには、あなたを支えたいと願う人々がいます。そして、あなたらしい未来を築くための選択肢もたくさんあります。
今回ご紹介した「人生会議」は、あなたの「もしも」の時に、あなたが望む医療やケアを受けるための大切な第一歩です。そして、「さくらサロン」や「がん相談支援センター」は、あなたが病気と向き合う中で感じる不安や悩みを、安心して相談できる場所です。
一人で抱え込まず、これらのサポートを上手に活用して、あなたらしい生き方を大切にしてください。今からできる準備を始めることで、きっと未来への希望が生まれるはずです。あなたの明日が、少しでも明るく、穏やかであるよう、心から願っています。
