背景

レスコは、精神科向け電子カルテの開発・提供を通じて、相談支援が精神疾患予防における「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」において重要な役割を担うとの認識から、「Warokuパブリックヘルス」を開発・提供してきました。従来の記録補助システムとは異なり、各自治体で取り組みが進む重層的支援を実現するため、成育環境情報の一元管理を可能にする基盤の一つとして構築されています。また、成育環境情報や相談記録などの機微な情報を取り扱うことから、政府の3省2ガイドラインに準拠した電子カルテと同等のセキュリティレベルを確保しています。

横浜市においては、ひきこもり地域支援センターに寄せられる相談が年々増加傾向にあり、社会福祉専門職によるWordでの相談記録作成業務、ファイリング作業、支援方針決定会議のための資料作成など、事務作業量の増加が課題となっていました。これらの作業効率化を目的として、相談支援システムの導入検討が進められていました。

このような背景のもと、「Warokuパブリックヘルス」が自治体特有の相談支援業務における課題を解決できる点が評価され、横浜市のひきこもり相談支援システムとして採用される運びとなりました。

「Warokuパブリックヘルス」の採用理由

今回の採用決定において評価された主なポイントは以下の通りです。

  1. 自治体ならではの課題に対応した機能の搭載
    「Warokuパブリックヘルス」には、立ち合い者の承認がなければ相談者情報を削除できない機能と、削除履歴の管理機能が新たに実装されました。これにより、保存期間を経過した相談者情報の完全削除など、厳格なデータ管理が求められる自治体の相談支援にも対応可能です。
  2. 相談記録の作成や進行管理の支援
    相談記録作成のためのテンプレート機能を有し、記録作業時間の短縮に貢献します。また、進行管理機能として、相談者リスト上で過去の面談日を確認でき、絞り込み検索により対象となる相談者の記録や支援方針、本人状況を一目で確認できるため、フォロー漏れの防止に繋がります。
  3. 電子カルテと同等のデータ履歴管理
    「Warokuパブリックヘルス」は、電子カルテと同等のログ管理が可能です。相談記録の追加・編集・削除した内容が全て履歴情報として管理され、いつでも参照できます。

2021年に試験運用団体で行われた結果では、相談や訪問支援の記録記載・管理が、紙運用と比較して月21時間程度削減できることが実証されています。

横浜市 健康福祉局 ひきこもり支援課長の霧生様は、本システムについて次のようにコメントしています。

「相談記録作成のためのテンプレート機能の活用や、検索性の向上により、社会福祉専門職の事務作業を効率化できると考えています。そして、そこで生み出された時間を、個別支援の質の向上や、地域の関係機関に対する後方支援(人材育成)やネットワークの充実に向けて活用していきたいと思っています。
また、スーパーバイザーによる進行管理がスムーズに行えるようになることで、支援に行き詰まっているような事例についても、スーパーバイザーや同僚、他の専門職から適時にアドバイスを受けられるようになり、多職種によるチーム支援がより円滑になるのではないかと期待しています。
ひきこもり支援とは、本人やその家族が安心・安全に生活できるようにサポートしていくことだと考えています。地域の関係機関と連携しながら、本人やその家族に寄り添った切れ目のない支援ができるよう、「Warokuパブリックヘルス」を活用していきたいと思います。」

今後の展開

令和4年度の内閣府調査によると、ひきこもり当事者の数は推計146万人(15~64歳)と年々増加傾向にあります。厚生労働省が全国に展開するひきこもり支援推進事業に、令和7年度時点で340自治体が参画していることからも、ひきこもり支援の強化は全国的な課題であると認識されています。特に、複雑な支援ニーズに対応するためには、地域が一体となった重層的支援が求められ、ITによる情報連携の強化や、支援側の負担軽減を図る必要があります。

レスコは今後も、「Warokuパブリックヘルス」の継続的なアップデートを行い、全国の自治体の支援において活用され、重層的支援の実現に貢献する相談支援システムとして展開していく方針です。

「Warokuパブリックヘルス」について

「Warokuパブリックヘルス」は、ひきこもり支援や生活困窮者自立支援など、さまざまな社会課題に対する支援を担う支援団体や医療機関のためのクラウド型相談記録システムです。相談記録記載や報告書作成を支援する機能を搭載し、支援者の業務負担軽減を図るとともに、支援をするうえで重要な「成育環境情報」を一元管理し、個別最適化された支援の提供をシステムでサポートします。

詳細は以下をご参照ください。
https://rescho.co.jp/product/waroku/public_health.html

株式会社レスコについて

株式会社レスコは、精神科の病院・クリニック・訪問看護・行政・支援機関向けに業務支援システムの開発・販売、および情報システム全般の設計・開発・導入を提供しています。「独創的なソフトウェアとサービスで新しい精神科医療のカタチをデザインする」ことを企業理念とし、成育環境情報の一元管理、医療機関・支援機関間での情報共有を通じて、早期発見・早期介入、より適切な医療・支援の実現に貢献しています。

株式会社レスコのウェブサイト:https://rescho.co.jp/

TISインテックグループについて

TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が「ITで、社会の願い叶えよう。」を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献しています。