がん治療研究、新たな2つの希望の種
今回の授賞式で、deleteCは2つの画期的ながん治療研究への支援を発表しました。一つは、治療が難しいとされる膵がんに対する「予防的治療」を目指す研究。もう一つは、近年注目を集める免疫療法をさらに進化させる基礎研究です。これら2つの研究には、合計1,000万円の寄付が行われるだけでなく、その意義や目的を多くの人に知ってもらうための啓発活動も合わせて支援されます。今回の支援により、deleteCがこれまで応援してきた研究は累計14件、寄付総額は6,000万円に達しました。
「deleteC 2026 -HOPE-」の特設サイトはこちらからご覧いただけます。
https://www.delete-c.com/hope

膵がんの“予防的治療”という新しい希望
今回支援が決定した研究の一つは、大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学・助教の牧野祐紀さんが取り組む「嚢胞性前癌病変を標的とした膵癌超早期治療の開発」です。膵がんは予後が悪く、治療が非常に難しい病気として知られています。しかし、牧野さんの研究は「予防的治療」という新しい概念で、がんになる前の一歩手前の病変(前癌病変)に介入することで、がんへの進行を抑えることを目指しています。
前癌病変の一つであるIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)は、一般人口の数パーセントに見られ、超音波検査などでがんになる前から見つけることが可能です。この病変を早期に発見し、適切な治療を行うことで、膵がんを予防できる可能性が高まります。牧野さんは「研究のアイデアがあるが、資金がないなかで今回の助成は大きな支えになります。助成にこたえられる大きな成果を上げたいと思います」とコメントしています。

医療選考委員の慶應義塾大学医学部 がんゲノム医療センター長 西原広史さんは、この研究について「牧野先生が着目しているIPMNというのはあまり馴染みがないと思いますが、数少ない『前癌病変』を画像で捉えることができる病気です。がんになる前の病変をとらえることができるIPMNに対して、もし薬があればがんになることを予防できます。オリジナリティがある着眼点で、治療が難しい膵がんをがんになる前に何とかしたいというのは素晴らしい観点で今年度の寄付の対象になりました。是非これから頑張っていただきたいです」と期待を寄せています。

牧野さんの研究紹介動画はこちらから。
https://youtu.be/VuxdH29Twfw
免疫療法の可能性を広げる基礎研究
もう一つの支援先は、東京科学大学大学院医歯学総合研究科 人体病理学分野・非常勤講師の児玉真さんが取り組む「局所1型IFN活性化を基盤とした新規癌免疫療法」です。近年、ノーベル賞でも注目された免疫療法は、がん治療に大きな変革をもたらしましたが、残念ながら効果が得られない患者さんも約8割いると言われています。児玉さんの研究は、この「効かない8割の患者さんを救いたい」という強い熱意から生まれています。
免疫療法が効かない原因の一つに、免疫のサイクルが抑制されている仕組みがあるのではないかと考え、そのメカニズムを解明し、新たな治療法を開発することを目指しています。児玉さんは「一般病院に勤務しながら研究をしていましたが、興味深い結果が出てきて、もう少ししっかり研究に向き合う時間を確保しようと勤めていた病院を退職したタイミングで、このご支援を頂き、改めて、がんを克服するために、私も少しでも何か貢献できればと、全身全霊で研究を進めたいと決意を新たにしています」と、研究への強い決意を語っています。

医療選考委員の東京大学医科学研究所附属病院 腫瘍・総合内科 教授 / 東京大学医学部附属病院 腫瘍センター長 朴 成和さんは、「がんの抗原提示細胞にターゲットを絞って、がんを攻撃する局所で免疫療法のブレーキを外すことで、がんへの攻撃のアクセルを踏む、すばらしいアイデアだと審査のときに思いました。また、研究を進める上ではパッションが大事です。今日のこの場でも、児玉先生がこの研究を進めたいと強く思っているパッションに大きく感銘を感じました。先生の研究がこれから本当に着実に実を結ぶことを祈念します」と、児玉さんの研究と情熱に賛辞を送りました。

児玉さんの研究紹介動画はこちらから。
https://youtu.be/_MWGxjz2YBU
医療選考委員からの総評:研究者へのエールと市民の力
がん研究会研究本部 本部長であり、国立がん研究センター東病院 名誉院長の大津敦さんは、今回の授賞式で総評を述べました。

「本庶先生の免疫チェックポイント阻害剤、山中先生のiPS細胞、坂口先生の制御性T細胞と、近年のがん治療の画期的な薬の開発、すごいことが実は日本の研究から次々と起きています。牧野先生、児玉先生の研究も、まさにdeleteC、『がんを治す』というところまでこの研究の先に届くことを本当に期待しています。ただ、それには非常に長い年月がかかります。研究とはすごい地味なもので、この授賞式のきらびやかな世界とは無縁のところで、普段は本当に地味な作業をしておられると思います。そのようななか、一般の方ががん研究を応援してくれているというのは、研究者にものすごいエネルギーを与えてくれます。今日ここにお集まりいただいた皆さん、そして寄付を通して全国、全国民に近い数の方が関わっていただいているなか、研究者もその熱意や思いに応えられるように、今後の研究が発展していくことを本当に期待しております。」
大津さんの言葉は、がん研究の地道な努力と、それを支える市民の応援の重要性を改めて教えてくれます。
新コンセプト「立ち上がり研究」とは?
deleteCは、2026年度から新たな方針として「立ち上がり研究」というコンセプトを掲げました。これは、研究が始まったばかりで、まだ公的な資金や大規模な助成金を得るのが難しい段階の研究を、市民の力で応援しようというものです。
deleteCの代表理事である小国士朗さんは、これまでの活動を振り返り、当初は支援の「金額」を増やすことに意識が向いていた時期もあったと語ります。しかし、過去に支援した研究者からの声を聞く中で、「500万円でも大きい」「研究を始める一歩になった」「続ける勇気をもらえた」「テーマを肯定されたことが、何より大きかった」といった言葉に触れ、少額であっても、研究の最初の一歩や新たな一歩を後押しすることに大きな意味があることを確信したと言います。

この「立ち上がり研究」は、「啓発 → アクション → 立ち上がり研究への寄付」というサイクルで進められます。なぜ応援するのか(Why)を知ることで、誰もが気軽に参加できるカジュアルソーシャルアクション(CSA)に力が入り、それが広がれば、応援できる研究の数が増えていく。このサイクルを通じて、社会全体で「がんを治せる病気にする未来」に近づいていこうという壮大なビジョンです。2026年度は、少なくとも3つの「立ち上がり研究」を応援する予定とのことです。
過去の受賞研究者からの声
deleteCの支援が、実際に研究者たちの大きな支えになっていることが、過去の受賞者からのコメントからも伝わってきます。

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「当時の私は研究実績に乏しく、公的資金や民間の助成金を獲得することはほぼ不可能な状況でした。研究自体を諦めかけていた中で、研究の機会を与えてくださったのがdeleteCでした。」
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「deleteCの支援は、金額は十分だと思います。金額ではなく、研究テーマを肯定してくれることで『研究を始める一歩』と『続ける勇気』を与えてくれる支援だと感じています。」
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「市民の応援が力になっているか?については100%YESであり、deleteCの支援を通じて研究が一歩前に進んだ・背中を押されたと感じられる点については、面接のときから今日までずっと、です。」
これらの声は、deleteCの活動が、単なる資金提供にとどまらず、研究者たちの情熱と希望を育む大切な役割を担っていることを示しています。
カジュアルソーシャルアクション(CSA)で広がる応援の輪
授賞式では、がん治療研究を前に進める新たな一歩を後押しした市民や企業の活動に贈られる「CSAアワード」が初めて発表されました。普段の暮らしの中で、誰もが気軽に参加できる「カジュアルソーシャルアクション」が、どれほど大きな力になっているかが示されました。

「重鎮なのに軽やかに動いたで賞」には、サミット株式会社 代表取締役社長 服部哲也さんと大和リース株式会社 代表取締役会長 森田俊作さんが、「その手があったで賞」には、内山浩文さんと小杉湯 小杉湯原宿さんが選ばれました。「ルーキー賞」は、万代 都島友渕店 店長 向井美紀さんとカスミ FOOD OFFストッカー下妻東店 deleteC 推進リーダー 染谷佐代子さん。「ワンチームで応援したで賞」は、サントリー食品インターナショナル株式会社さんと千葉ファミリーさんが受賞しました。

deleteC理事・広報の山口恵子さんは、「7年前、deleteC が立ち上がったばかりの頃、この活動に参加してくださるのは、ほんの一握りでした。それが今では、本当にたくさんの方が参加してくださり、今日は 8つのアクションを表彰することができました。このほかにも、お散歩やアプリの開発など、さまざまな形でアクションが広がっていることも実感しています」と、活動の広がりへの感謝と喜びを語りました。

みんなで応援できる、deleteCの取り組み
deleteCの活動は、様々な企業や個人の協力によって、私たちの身近な場所にも広がっています。
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サントリー食品インターナショナル株式会社様
2025年1月13日から、deleteCモデルの「C.C.レモン」が全国で数量限定販売されました。売上の一部ががん治療研究の寄付につながるだけでなく、「with HOPE」の直筆メッセージが記載された特別パッケージが、希望の風景を広げました。
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/2026/SBF1648.html -
株式会社阪急阪神ホテルズ様
ワールドキャンサーデーの2月4日限定で、宿泊時のチェックイン・チェックアウトやカフェ・レストランのコーヒーが寄付につながるアクションを実施しました。
https://www.hankyu-hotel.com/hotel/hh/oursinnh/-/media/group/info/deletec/deletec.pdf -
TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISE様
2月の1ヶ月間、がん治療研究への寄付につながるdeleteCオリジナルアイテムを集めたPOPUPコーナーを設置しました。
https://deletec2026.peatix.com/ -
株式会社haccoba様
特別な限定パッケージの「はなうたホップス+deleteC」が登場。ボトルの首元にはdeleteCカラーのマゼンタピンクのタグラベルがあしらわれました。
https://haccoba.com/products/hanauta-hops23 -
株式会社万代様
2月の1ヶ月間、対象商品を購入すると1円ががん治療研究につながる取り組みを実施しました。
https://www.mandai-cp.jp/lp_delete-c/ -
IKEUCHI ORGANIC株式会社様
deleteCのロゴが刺繍された特別なタオルを販売し、売上の一部をがん治療研究に寄付しています。
「みんなの力で、がんを治せる病気にする」
deleteCは、「いつでもどこでもかろやかにがん治療研究の応援ができる。それが、カジュアルソーシャルアクション(CSA)」というスローガンを掲げています。世代や立場をこえて、誰でもできる、小さな行動が、集まって、重なって、広がれば、「がんを治せる病気にする」という未来を手繰り寄せることができるはずです。
ふだんの暮らしが、応援になる。病気で困っているすべての人にとって、希望の光となるよう、deleteCの活動はこれからも続いていきます。私たち一人ひとりの「できること」から、かろやかに、この応援の輪に加わってみませんか?
deleteCの詳しい情報はこちら。
https://www.delete-c.com/
