男性も冷えで悩んでいる!その見過ごせないサインとは?

女性に比べて、男性は自分の体の変化に気づきにくい、あるいは「これくらい大丈夫」と我慢しがちな傾向があると言われています。しかし、冷えは単なる不快感ではなく、体のさまざまな機能に影響を及ぼし、思わぬ不調や病気の引き金になることもあるんです。

冷えに気づかない男性が多い理由

  • 筋肉量が多いから?
    男性は一般的に女性よりも筋肉量が多く、基礎代謝が高い傾向にあります。そのため、「自分は冷えとは無縁だ」と思い込んでいる人も少なくありません。しかし、体温は筋肉量だけで決まるわけではありません。

  • 自覚症状が出にくい?
    女性のように手足がキンキンに冷えるといった分かりやすい症状ではなく、男性の場合は「なんとなく体が重い」「疲れが取れない」「下半身がだるい」といった、冷えとは結びつきにくい形で不調が現れることが多いようです。

  • 社会的なプレッシャー?
    「男は強くあるべき」という社会的な意識から、体調不良を口にしにくい、弱音を吐けないと感じる男性もいるかもしれません。結果として、冷えのサインを見過ごしてしまうことにつながります。

もしあなたが、最近体の調子が良くないなと感じているなら、一度「冷え」の可能性を考えてみませんか?

グレーのニットセーターを着た男性が腕を組み、寒そうな表情をしています。

東洋医学が紐解く「男性の冷え」の正体

「冷え」は、西洋医学ではあまり病気として扱われることが少ないですが、東洋医学では古くから重要な体調不良のサインとして考えられてきました。特に、男性の冷えには「腎(じん)」という臓器が深く関係していると言われています。

重要な「腎」の働きとは?

東洋医学でいう「腎」は、腎臓だけでなく、生殖機能、ホルモンバランス、水分代謝、骨や髪の毛の健康、そして生命活動の根源となるエネルギー「精(せい)」を貯蔵する、非常に重要な役割を担うと考えられています。

加齢とともに、この「腎」の働きが低下することがあり、これを「腎虚(じんきょ)」と呼びます。男性の場合、この「腎虚」の状態になると、下半身の冷えや疲れやすさ、気力の低下、さらには男性更年期症状の一因にもなると考えられています。

「腎虚」は、体のエンジンが少しずつパワーダウンしているような状態、とイメージすると分かりやすいかもしれませんね。燃料が足りなくなると、体が温まりにくくなったり、疲れが取れにくくなったりするのと同じです。

「腎虚」がもたらす冷えのタイプ

東洋医学では、男性に多い冷えのタイプとして、主に以下の二つが挙げられます。

  1. 下半身冷え
    文字通り、お腹から足先にかけて冷えを感じるタイプです。特に腰やお尻、太ももの裏側などが冷たくなりやすいでしょう。これは「腎」の機能低下と密接に関わっていると考えられています。下半身は体の土台となる部分なので、ここが冷えると全身の巡りが悪くなり、さまざまな不調につながりやすくなります。

    • こんな症状ありませんか?

      • 足がだるい、むくみやすい

      • 夜中にトイレに起きることが増えた

      • 腰が重い、痛みを感じる

      • 性欲の低下やED(勃起不全)に悩んでいる

  2. ストレス冷え
    ストレスや精神的な緊張が原因で起こる冷えです。現代社会に生きる私たちは、仕事や人間関係など、常にストレスにさらされています。ストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮しやすくなるため、血流が悪くなって体が冷えてしまうのです。特に、手足の先は冷たいのに、顔や頭はほてる、といった「冷えのぼせ」の症状を伴うこともあります。

    • こんな症状ありませんか?

      • 肩こりや首こりがひどい

      • イライラしやすい、気分が落ち込みやすい

      • 寝つきが悪い、眠りが浅い

      • 胃腸の調子が悪い

      • 手足の先だけが冷たい

これらの症状に心当たりがあるなら、あなたの体は「冷え」のサインを出しているのかもしれません。

冷えによって生じる様々な不調

冷えは、単に「寒い」という感覚だけでなく、私たちの体に多岐にわたる悪影響を及ぼします。特に男性の場合、以下のような不調につながることがあります。

  • 疲労感・倦怠感
    体が冷えると血流が悪くなり、細胞への酸素や栄養の供給が滞ります。老廃物も排出されにくくなるため、体がだるく、疲れが取れにくくなります。

  • 男性更年期症状の悪化
    男性更年期症状は、男性ホルモンの低下が主な原因ですが、冷えによって血流が悪くなると、ホルモンバランスの乱れがさらに悪化し、症状が重くなる可能性があります。気力の低下、性機能の低下、不眠、イライラといった症状は、冷えと深い関係があるかもしれません。

  • 免疫力の低下
    体温が1℃下がると、免疫力は30%低下するとも言われています。体が冷えると、風邪をひきやすくなったり、病気にかかりやすくなったりするでしょう。

  • 胃腸の不調
    冷えは、胃腸の働きを弱めます。消化吸収能力が低下し、下痢や便秘、胃もたれ、食欲不振などの症状を引き起こすことがあります。

  • 肩こり・腰痛
    血行不良は筋肉の緊張を招き、肩こりや腰痛を悪化させます。特にデスクワークが多い方は、同じ姿勢を続けることで血流が滞り、冷えと痛みの悪循環に陥りやすいでしょう。

  • 睡眠の質の低下
    体が冷えていると、なかなか寝付けなかったり、夜中に目が覚めやすくなったりします。質の良い睡眠は、心身の健康を保つ上で不可欠です。

これらの不調は、日々の生活の質を大きく低下させてしまいます。しかし、安心してください。冷えは日々の「養生(ようじょう)」、つまり生活習慣を見直すことで、改善できる可能性が高いのです。

暮らしの中で「養生」を楽しみながら冷えを解消しよう!

東洋医学では、「養生」という考え方を大切にします。これは、日々の食事や運動、睡眠、心の持ち方など、生活全体を通して健康を維持し、病気を予防していくという考え方です。特別なことではなく、毎日のちょっとした工夫が、冷えの改善につながります。

1. 体を温める「筋トレ」を取り入れよう

筋肉は体の中で熱を生み出す重要な器官です。特に大きな筋肉がある下半身を鍛えることは、冷え対策にとても効果的です。

  • 簡単なスクワット
    「筋トレ」と聞くとハードなイメージを持つかもしれませんが、まずは自宅でできる簡単なスクワットから始めてみましょう。椅子に座るように腰を下ろすだけでOK。1日10回を目標に、無理のない範囲で続けてみてください。

  • ウォーキング
    特別な道具もいらず、すぐに始められるのがウォーキングです。少し早足で歩くことで、下半身の筋肉が刺激され、血行が促進されます。通勤時に一駅分歩く、昼休みに散歩するなど、日常生活に取り入れてみましょう。

2. 心身を温める「入浴」の習慣

シャワーだけで済ませていませんか?湯船にゆっくり浸かることは、体を芯から温め、血行を促進し、リラックス効果も高めてくれます。

  • ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
    熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまい、かえって緊張を招くことがあります。38℃~40℃程度のぬるめのお湯に、15分~20分ほどゆっくり浸かるのがおすすめです。好きな香りの入浴剤を使ったり、キャンドルを灯したりして、リラックスできる空間を演出するのも良いでしょう。

  • 半身浴も効果的
    心臓に負担をかけたくない方や、のぼせやすい方は、みぞおちから下だけを温める半身浴もおすすめです。発汗作用を高め、デトックス効果も期待できます。

3. 体を内側から温める「食事」の工夫

私たちが口にするものは、体の冷えに大きく影響します。体を温める食材を積極的に取り入れ、冷やす食材は控えめにすることが大切です。

  • 温性・熱性の食材を摂る

    • 根菜類: ごぼう、人参、蓮根、生姜、にんにくなど。土の中で育つ野菜は体を温める性質を持つものが多いです。

    • 発酵食品: 納豆、味噌、漬物など。腸内環境を整えることで、体の巡りも良くなります。

    • 香辛料: 唐辛子、胡椒、シナモンなど。少量でも体を温める効果があります。

    • 肉類: 鶏肉、羊肉など。

    • その他: ネギ、玉ねぎ、かぼちゃ、玄米、紅茶、日本酒、赤ワインなど。

  • 体を冷やす食材は控えめに

    • 夏野菜(きゅうり、トマト、なすなど)、果物(バナナ、パイナップルなど)、牛乳、コーヒー、白砂糖、加工食品などは、体を冷やす傾向があると言われています。もちろん、全く摂らないわけではなく、バランスを考えて摂取することが大切です。
  • 調理法も意識する
    生野菜ばかりではなく、温かいスープや煮物、蒸し料理などを積極的に取り入れましょう。冷たい飲み物や食べ物も、できるだけ避けるように心がけてください。

4. 呼吸を意識した「リラックス法」

ストレス冷えの改善には、自律神経のバランスを整えることが重要です。深い呼吸は、リラックス効果を高め、体の緊張を和らげるのに役立ちます。

  • 腹式呼吸を試してみよう
    椅子に座るか、仰向けに寝て、お腹に手を当てます。鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じます。次に、口からゆっくり息を吐き出し、お腹がへこむのを感じます。これを数回繰り返すだけで、心が落ち着き、体が温まってくるのを感じられるでしょう。

    • ポイント: 吐く息を長くすると、よりリラックス効果が高まります。

5. その他の「養生」ポイント

  • 服装の工夫
    首、手首、足首の「三首」を温めることは、効率的に体を温めるために有効です。マフラーや手袋、靴下などを活用しましょう。特に、お腹や腰周りを温める腹巻もおすすめです。

  • 十分な睡眠
    睡眠不足は、自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れにつながり、冷えを悪化させます。質の良い睡眠を7~8時間確保できるよう、生活リズムを整えましょう。

  • ストレスをため込まない
    趣味の時間を持つ、友人と話す、瞑想するなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。心の冷えは体の冷えにもつながります。

あなたの健康をサポートする「大正健康ナビ」

今回ご紹介した「男性の冷え」に関する記事は、大正製薬が運営する健康情報サイト「大正健康ナビ」で詳しく解説されています。

「大正健康ナビ」では、季節やトレンドに合わせた健康コラムが随時更新されており、今回の記事「男性の冷えとは?不調の原因になる場合も。女性との違いは?」も、東洋医学の専門家である木村容子先生が監修されています。信頼できる情報に基づいて、あなたの健康をサポートしてくれるでしょう。

監修者プロフィール

東京女子医科大学附属東洋医学研究所所長・教授 木村 容子(きむら・ようこ)先生

医学博士。日本内科学会認定内科医、日本東洋医学会認定 漢方専門医・指導医。英国オックスフォード大学大学院に留学中に漢方と出会い、退職後、東海大学医学部に学士入学。2002年から東京女子医科大学附属東洋医学研究所に勤務。『いつもだるい、不眠、頭痛、肩こり、プチうつ… “なんとなく不調”と上手につき合うためのセルフケア』(NHK出版)など著書多数。

木村先生のような専門家が解説する情報は、病気で困っている方にとって、きっと大きな助けとなるはずです。

体も環境も変化するもの。そう認識すれば恐れることはありません

この記事を読んで、もしかしたら「自分の不調は冷えが原因だったのか!」と気づいた方もいるかもしれませんね。体調が優れないと、不安になったり、気分が落ち込んだりすることもあるでしょう。しかし、大切なのは、自分の体の声に耳を傾け、適切なケアをしてあげることです。

私たちの体は、年齢や季節、ストレスなどによって常に変化しています。そして、その変化のサインの一つが「冷え」として現れることがあるのです。この「冷え」を恐れるのではなく、「体を労るチャンス」と捉えてみてください。

今日からできる小さな「養生」の積み重ねが、きっとあなたの体を芯から温め、元気な毎日を取り戻す手助けをしてくれるはずです。病気で困っているあなたも、そうでないあなたも、ぜひこの機会に「男性の冷え」について深く知り、自分自身の健康と向き合ってみませんか?

健康で豊かな暮らしは、日々のちょっとした意識から生まれるものです。あなたの健康を心から願っています。