知らないと怖い!でも知れば守れる未来がある
セミナーの冒頭では、長崎大学熱帯医学研究所の田中先生が「性感染症および肝炎の基礎知識」と「日本の性教育の現状」について、とても分かりやすく解説してくださいました。先生のお話は、私たちが普段あまり意識しない病気のこと、そしてその背景にある社会の課題を浮き彫りにするものでした。

世界では、世界保健機関(WHO)や国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が、若者たちが自分の体や健康について正しく学ぶための「包括的性教育」の指針を明確に示しています。でも日本では、学校の現場で性に関するデリケートな話題を十分に議論するのが難しい側面があるそうなんです。そのせいで、私たちが必要な知識を得る機会が少なくなってしまい、それが性感染症や肝炎への知識不足につながっているという現状が紹介されました。これは、きっと多くの人が「そうだったのか!」と感じたのではないでしょうか。
講演では、代表的な性感染症についても詳しく説明がありました。特に注目すべきは、HPV(ヒトパピローマウイルス)です。このウイルスは、女性にとって非常に深刻な子宮頸がんの主な原因となることが知られています。でも、安心してください。HPVはワクチンで予防できるんです!ワクチン接種は、未来の自分の体を守るための大切な選択肢だと強調されました。
また、肝炎についても、B型肝炎はワクチンで予防できる病気です。2016年からは、赤ちゃんへの定期接種が始まりましたが、それより前に生まれた世代の中には、まだワクチンを接種していない人がいる可能性があるとのこと。もしあなたが該当する世代なら、「もしかして私も?」と一度考えてみるきっかけになったのではないでしょうか。
田中先生は、「正しい知識を持つこと」「コンドームの適切な使用、定期的な検査、そしてワクチン接種といった予防行動を取ること」の重要性を繰り返し強調されました。そして、「これは医療従事者だけが取り組む問題ではなく、社会全体で向き合う必要があるんだ」という力強いメッセージを私たちに投げかけました。病気で困っている人が一人で抱え込まずに済む社会を作るためには、私たち一人ひとりの理解と行動が不可欠なんですね。
モデル香川沙耶さんが語る「自分ごと」にする勇気
続いて行われたのは、モデルの香川沙耶さんと田中先生によるトークショーでした。香川さんが、なぜ発信しづらい性感染症や肝炎といったテーマに積極的に取り組んでいるのか、そのきっかけについて田中先生が尋ねました。

香川さんは、「一人の女性として、心と体の健康を大切にしたいという思いが原点」だと語りました。モデルとして“キラキラした世界”を発信する立場だからこそ、あえてリアルなテーマも「重くなりすぎない形で伝えたい」と考えたことが、活動の始まりだったそうです。この言葉は、私たちにとって大きなヒントになりますよね。デリケートな話題だからこそ、話しやすい雰囲気を作ることが、正しい知識を広める第一歩になるのかもしれません。
田中先生は、「医療者は正しい知識を伝えることはできるけれど、それを一般の方にどう届けるかが課題だ」と述べ、香川さんのように体験を通じて言葉を届けられる存在の重要性を強調しました。医療の専門家と社会をつなぐ“橋渡し役”としての香川さんの発信に、大きな期待が寄せられていることが伝わってきました。
トークショーでは、HIV/エイズについても言及されました。HIVの治療は近年大きく進歩し、今では長期的なコントロールが可能になっています。適切な治療を受ければ、エイズの発症を抑え、普通の生活を送ることができるんです。それなのに、日本では依然としてHIV感染者に対する偏見や差別が残っており、高齢の患者さんが施設入所を断られるケースもあるという悲しい現状が紹介されました。

田中先生は、こうした偏見や差別をなくすためには、何よりも「正しい知識の普及」が不可欠だと指摘しました。病気で困っている人が、安心して治療を受け、社会の中で当たり前に暮らせるようになるためには、私たち一人ひとりが知識を持ち、理解を深めることがとても大切なんですね。きっと、正しい知識が、私たちの心の中にある「他人ごと」の壁を取り払ってくれるでしょう。
みんなで考える!「私にできること」「社会にできること」
セミナーの後半では、参加者がグループに分かれて、「性感染症対策」について3つのテーマでディスカッションを行いました。年代も職種もさまざまな方々が集まり、それぞれの立場から活発な意見が交わされました。普段なかなか話す機会のないテーマだからこそ、みんなで意見を出し合うことで、新たな発見があったのではないでしょうか。

「個人ができること」「社会(長崎県)ができること」
ディスカッションでは、「自分には何ができるだろう?」「私たちの住む長崎県でどんなことができるだろう?」という視点で、たくさんのアイデアが出ました。
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正しい情報を選択する:インターネットにはたくさんの情報があふれていますが、その中から信頼できる情報を見極める力が私たちには必要です。厚生労働省や医療機関など、公的な情報源を活用することが大切ですね。
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家族や友人と話してみる:デリケートなテーマだからこそ、一番身近な人との会話が重要です。まずは話しやすい雰囲気を作るところから始めてみるのも良いかもしれません。
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性感染症知識普及のネットワークを作る:学校、地域、職場など、さまざまな場所で性感染症に関する正しい知識を広めるためのネットワークがあれば、もっと多くの人に情報が届くはずです。
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男女の意識ができる前のフラットな状態の時に正しい知識を伝える機会を作る:幼い頃から性に関する正しい知識を学ぶ機会があれば、将来の健康を守るための意識が高まるでしょう。これは、性教育の重要性にもつながる意見ですね。
キャッチコピー
人々の心に響くようなキャッチコピーもたくさん提案されました。どれも、この問題の重要性を分かりやすく伝える、素晴らしい言葉ばかりです。
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「私のいのちは誰かのいのち 早い検査を、いのちを守ろう!」
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「STOP!性感染症 まずはあなたから」
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「後回しにしない!性感染症検査!」
これらの言葉は、きっと多くの人の心に届き、行動を促すきっかけになるでしょう。
PR方法
どうすればもっと多くの人に情報を届けられるか、具体的なPR方法についても活発な意見が出ました。
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SNSのショート、リール:若い世代にも情報が届きやすいSNSを活用するのは、現代においてとても効果的な方法です。短く分かりやすい動画で、大切なメッセージを伝えることができます。
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カフェ、ピラティスなどに検査場所を併設する:これは画期的なアイデアですよね!普段の生活の中に検査の機会があれば、心理的なハードルが下がり、もっと気軽に検査を受けられるようになるかもしれません。
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保健所職員による出張講義:地域に出向いて直接講義を行うことで、より多くの人に、顔の見える形で情報を届けることができます。

一人で悩まないで!頼れるプロジェクトがあります
このセミナーは、「知って、肝炎プロジェクト」と「健康一番プロジェクト」の一環として実施されました。これらのプロジェクトは、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性を分かりやすく伝え、私たち一人ひとりが肝炎に対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けて積極的に行動していくことを目的として活動しています。
特に「健康一番プロジェクト」は、年齢を重ねても病気にならず、「心身ともに元気に生きる」ための健康づくりを推進しています。健康への関心をきっかけに、肝炎対策の広報を効果的に行うことを目指しているんです。もしあなたが肝炎や性感染症についてもっと詳しく知りたい、あるいは検査を受けたいと考えているなら、これらのプロジェクトがきっとあなたの力になってくれるでしょう。一人で抱え込まず、まずは情報を集めることから始めてみませんか?
あなたの未来を守るために、今できること
性感染症や肝炎は、誰もが直面しうる身近な問題です。しかし、正しい知識と予防行動があれば、多くの場合、予防したり、早期に発見して治療することができます。そして、もし病気と診断されても、一人で悩む必要はありません。現代の医療は日々進歩しており、多くの病気がコントロールできるようになっています。
今回のセミナーが教えてくれたのは、「他人ごと」にせず、「自分ごと」としてこの問題に向き合うことの大切さです。そして、私たち一人ひとりが知識を持ち、周りの人とオープンに話し、社会全体で支え合うことで、病気で困っている人が安心して暮らせる、より良い社会を築いていけるということです。あなたの健康と未来を守るために、今日からできる小さな一歩を、一緒に踏み出してみませんか?きっと、その一歩が、あなた自身だけでなく、大切な誰かの未来をも守ることにつながるはずです。
開催概要
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催事名:性感染症・肝炎啓発セミナー 性感染症・肝炎のこと考えよう
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日時:2026年2月15日(日)
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開催場所:出島メッセ長崎(〒850-0058 長崎県長崎市尾上町4-1)
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出席者:香川 沙耶 氏、長崎大学熱帯医学研究所 田中 健之 氏
