東日本大震災から15年を前に、被災者支援団体の活動報告
パルシステム連合会は2026年1月8日、オンラインにて「東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金2024年度助成団体活動報告会」を開催しました。東日本大震災から15年を控える現在もなお、被災者に寄り添い活動を続ける助成団体からの報告を受け、今後の支援のあり方について考察が行われました。
保養活動の現状と課題:「福島の親子とともに・平塚」
報告会には、応援金を募金した利用者や役職員が参加し、助成団体を代表して「福島の親子とともに・平塚」(神奈川県平塚市)代表の小嶋倫子氏が活動状況を報告しました。

「福島の親子とともに・平塚」は、子どもの長期休暇中に福島県在住の家族を神奈川県に招き、自然体験や交流会を行う保養活動を継続しています。2025年度は春、冬、夏の3期で11家族18人を受け入れました。小嶋氏は、資金面の困難や支援者の高齢化により活動を中止する団体が増加しており、予定数以上の申し込みがあるほど申込数が増えている実態を説明しました。参加者にはリピーターよりも新規の家族が多く、普段は放射能に関する懸念を明かせない若い世代の親から、「交流会でようやく、子どもに心境を語ることができた」という声が寄せられているとのことです。この活動は、原発事故の記憶を次世代へ語り継ぐ機会にもなっていると述べられました。
助成金は、交流会や学習会で使用するプロジェクターの購入に充てられました。小嶋氏は、「小さな施設でも映像を投影できるようになりました。今後は子育て世代同士が交流する機会も創出していきます」と抱負を語りました。
心的負担軽減への取り組み:「震災ストレス研究会」
次に、「震災ストレス研究会」(福島県南相馬市、蟻塚亮二代表)の米倉一磨氏と杉田和人氏から、PTSD等、心の傷を負った人々が自身の経験を語る活動「おらもしゃべってみっが」が報告されました。同会は心療内科医の蟻塚氏を中心に発足し、自身の経験を語ることで精神的な負担の軽減を図るとともに、原発事故を語り継ぐ活動を続けています。

「おらもしゃべってみっが」は2025年に南相馬市などを会場に5回開催されました。語り手には、自主避難したことに負い目を感じ続ける医療従事者や、津波を目の当たりにした人々などがおり、現在もつらい記憶が蘇るといいます。米倉氏は、「沖縄では、80年前の沖縄戦によりPTSDを負い、現在も影響が残る方が存在します。戦争や震災によって受けた心の傷は完全に癒えることはないとの見解が示されました」と、活動の意義を強調しました。

杉田氏からは、2025年に2回訪問したウクライナの事例が紹介されました。現地では、チェルノブイリ原発事故やロシア侵攻により精神的ストレスを負った子どもが多く、治療法の一つとして絵を描いて「心の中を吐き出す」療法(アートセラピー)が一般的であると説明されました。
助成金は、告知を含む開催費用に活用されました。米倉氏は、「語り手のプライバシーに配慮するため、これまでは参加を限定した開催がほとんどでした。今後は参加していない人にも伝える方法を検討していきたいです」と述べました。
パルシステム連合会の支援活動
パルシステム連合会は2011年より、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故の被災者を応援する活動を継続しています。その一環として利用者に呼びかける「東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金」には、2024年4月1日から2025年3月31日までに総額1,110万5,360円が寄せられました。2025年度は甲状腺検査、避難者交流会、保養キャンプなどに活用されています。
パルシステム連合会の活動に関する詳細は、以下のリンクよりご確認いただけます。

パルシステム生活協同組合連合会は、東京都新宿区に所在地を置き、理事長は渋澤温之氏です。13会員・統一事業システム利用会員の総事業高は2,604.2億円、組合員総数は176.2万人(2025年3月末現在)に上ります。会員生協には、パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎが含まれます。
