冬の午前中、約9割がパフォーマンス低下を実感!

まず、多くの人が共感するであろう結果からご紹介します。

冬の午前中、他の季節と比べて「仕事や家事のパフォーマンスが低下する」と感じることはありますか?という質問に対し、なんと89.0%もの人が「時々ある」(56.0%)または「よくある」(33.0%)と回答しました。つまり、ほとんどの人が冬の朝に何らかの作業効率の低下を実感しているということになります。

冬の午前中、他の季節に比べて、仕事や家事のパフォーマンスが低下すると感じることはありますか?

この数字を見ると、「自分だけがしんどいわけじゃないんだ」と少しホッとしませんか?冬の朝の不調は、多くの大人にとって共通の課題なのです。

「起きられない」「集中できない」具体的な不調

では、具体的にどのような不調を感じているのでしょうか?

「午前中にどのような不調を感じますか?」という問いに対して、最も多かったのは「布団から出られず、起き上がるのに時間がかかる」で35.8%でした。これは、朝の冷え込みや身体のだるさから、なかなかベッドから抜け出せないという状況を表しています。

次に多かったのが「午前中ずっと頭がボーッとして、集中力が上がらない」(14.4%)。さらに「顔色が悪かったり、手足が冷え切ったりしている」(13.7%)、「午前中は思考がネガティブになりやすい」(10.4%)といった回答も上位に挙げられました。

具体的に、午前中にどのような不調を感じますか?

これらの結果から、単に身体が動かないという物理的な問題だけでなく、脳が十分に覚醒せず、集中力や気分にも影響が出ていることがわかります。朝から頭が働かないと、仕事や家事もなかなかはかどらず、一日中気分が沈んでしまうこともありますよね。

原因は寒さだけじゃない?「自律神経の乱れ」

では、このようなパフォーマンス低下の原因はどこにあると考えているのでしょうか?

「パフォーマンスが落ちる原因として考えられるもの」として、最も多かったのはやはり「外気温の低さ」(24.0%)でした。冬の寒さは、私たちの身体に直接的な影響を与える大きな要因です。

しかし、注目すべきは2位に「自律神経の乱れ」(11.9%)がランクインしている点です。その他にも「年齢による体力の衰え」(10.8%)、「前日の夜更かし・睡眠不足」(10.7%)、「日照時間の短さ」(10.0%)などが挙げられました。

パフォーマンスが落ちる原因として考えられるものは?

冬は日照時間が短くなり、外気温も低下するため、私たちの体温調節や覚醒を司る自律神経が乱れやすくなります。本来、朝になると活動モードの「交感神経」が優位になり、血圧や体温が上がって身体が目覚めるのですが、冬はそれがうまくいかないことがあるのです。多くの人が、自身の体調変化が自律神経の機能に関係していると推測していることがうかがえますね。

みんなが実践!冬の朝の乗り切り術

つらい冬の朝を少しでも快適に過ごすために、皆さんはどんな対策を取っているのでしょうか?

「冬の朝、不調を感じないために取っている対策」として、「朝食をしっかり食べる」(13.5%)が最も多く挙げられました。次いで「なるべく日光を浴びるようにする」(12.8%)、「起きてすぐに温かい飲み物を飲む」(11.9%)、「軽いストレッチや運動をする」(11.4%)、「部屋を暖めてから起きる」(11.3%)といった回答が続きました。

冬の朝、不調を感じないために取っている対策を教えてください

これらの対策は、身体の内外から温めたり、太陽の光を浴びて体内時計をリセットしたり、軽い運動で血行を促進したりと、身体を活動モードに切り替えるための工夫であることがわかります。多くの人が試行錯誤しながら、冬の朝の“エンジン”をかけようと努力している様子がうかがえますね。もし「これ、試したことないな」というものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

知られざる「大人の起立性調節障害(OD)」

さて、冬の朝の不調の背景には、もしかしたら見過ごされがちな病気が隠れているかもしれません。それが「起立性調節障害(OD)」です。

「起立性調節障害(OD)は大人でも発症・再発し、午前中の不調の原因になることを知っていますか?」という質問に対し、「知っている」と答えた人はわずか25.0%に留まりました。さらに、「大人がなるとは知らなかった」が34.3%、「起立性調節障害を知らなかった」が40.7%と、ODそのものの認知度、特に「大人のOD」に対する理解が著しく不足している現状が浮き彫りになりました。

「起立性調節障害(OD)」は大人でも発症・再発し、午前中の不調の原因になることを知っていますか?

朝のつらい不調が、単なる「性格の問題」や「気合不足」ではなく、身体的な疾患が原因である可能性に気づくためのハードルは、まだまだ高いと言えそうです。ODは自律神経の働きに異常が生じ、立ち上がった時に脳への血流が一時的に不足することで、めまいや立ちくらみ、倦怠感、集中力低下など様々な症状を引き起こします。子どもに多い病気というイメージがあるかもしれませんが、大人になってから発症したり、子どもの頃にODだった人が大人になって再発したりすることもあるのです。

もし、あなたが長期間にわたって冬の朝の不調に悩まされており、一般的な対策では改善しないと感じているなら、この「大人の起立性調節障害」の可能性も視野に入れてみることが大切です。

もし「病気かも?」と思ったら…専門機関への相談がカギ

自分の不調が「単なる冬の疲れ」ではなく、「治療可能な疾患(OD等)」である可能性がある場合、専門機関に相談したいと思いますか?

この問いに対し、「セルフケアで改善しないようなら相談したい」(57.0%)と「ぜひ相談したい」(9.0%)を合わせると、約66.0%もの人が受診に前向きな姿勢を示しました。自分の症状が「治療可能なもの」であると認識することが、適切な医療ケアへ踏み出す大きな動機付けになることがわかります。

単なる冬の疲れではなく治療可能な疾患(OD等)の可能性がある場合、専門機関に相談したいと思いますか?

一方で、「どこに相談すればいいかわからない」と回答した人も約8%いました。病気の可能性があると感じても、実際にどこへ行けば良いのか迷ってしまう人も少なくないようです。もしあなたがそう感じているなら、まずはかかりつけ医に相談するか、自律神経失調症や起立性調節障害を専門とするクリニックを探してみるのが良いでしょう。

専門家からのメッセージ

一般社団法人 起立性調節障害改善協会の代表理事である竹田浩一氏は、今回の調査結果を受けて次のようにコメントしています。

「冬の朝、身体が動かないのは単なる怠慢や寒さのせいだけではありません。私たちの身体は本来、朝になると交感神経が優位になり血圧や体温を上げますが、冬はその切り替えに大きなエネルギーを要します。特に『大人の起立性調節障害(OD)』の場合、午前中は脳への血流が不足し、本人の意思とは裏腹にパフォーマンスが著しく低下します。」

一般社団法人 起立性調節障害改善協会 代表理事 竹田 浩一

竹田氏はさらに、「今回の調査で、ODそのものの認知度がまだ低いことが改めて示されました。大切なのは、自分の不調を『冬だから仕方ない』と放置せず、身体のサインとして捉え直すことです。自律神経を整える習慣(朝食や日光浴など)を取り入れつつ、それでも改善しない場合は専門機関に相談するという選択肢を持ってください。朝の体調を観察することは、自分自身の心身を労わる第一歩となります。」と呼びかけています。

まとめ

冬の朝のつらい不調は、多くの人が経験している共通の悩みです。単なる「気合不足」や「寒さのせい」で片付けてしまうのではなく、もしかしたらあなたの身体からの大切なサインかもしれません。

今回の調査結果や専門家のコメントを参考に、まずは自分の体調にいつも以上に意識を向けてみましょう。そして、もしセルフケアだけでは改善しないと感じるなら、一人で抱え込まずに専門機関への相談を検討してみてください。あなたの「冬の朝のしんどさ」が、少しでも楽になることを願っています。