睡眠不足が引き起こす健康問題

日本の睡眠時間は、OECD(経済協力開発機構)の2021年の調査によると平均7時間22分と、調査対象国の中で最も短い水準にあるとされています。また、厚生労働省の「令和3年度 健康実態調査」では、1日の平均睡眠時間が「7時間未満」と回答した人が67.7%にものぼることが示されています。

このような慢性的な睡眠不足は、単なる日中の眠気や倦怠感にとどまりません。集中力の低下による生産性の問題はもちろん、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めたり、うつ病などの精神的な健康問題に繋がる可能性も指摘されています。病気とまではいかなくとも、常に体が重く、気分が沈みがちで、本来の自分らしさを発揮できない状態は、非常につらいものです。

短時間仮眠「パワーナップ」の可能性

夜間の睡眠の質を改善することは、住環境の整備や生活リズムの見直しが必要で、なかなか簡単にはできません。そこで注目されているのが、日中に手軽に取り入れられる「短時間の仮眠」、いわゆる「パワーナップ」です。

わずか15〜30分程度の仮眠が、睡眠不足の解消や疲労回復を促すだけでなく、ストレスの軽減、集中力や生産性の向上に効果があることが科学的にも認められています。国内外の企業でも仮眠室の導入が進むなど、その有用性が高く評価されています。

STUTSと京セラが共同実証を開始

このような背景のもと、STUTS株式会社(以下、STUTS)と京セラ株式会社(以下、京セラ)は、働く人々のウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)向上と生産性向上を目指し、共同実証を開始しました。この実証実験では、STUTSが提供する仮眠スペースシェアリングサービス「仮眠を文化に」と、京セラの仮眠起床AIシステム「sNAPout®(スナップアウト)」を組み合わせ、より快適で効果的な仮眠体験の提供を目指します。

スマートフォン充電中、デスクライトとイヤホン

共同実証の概要

この実証実験は、2026年2月2日(月)から3月31日(火)までの期間、愛知県名古屋市にある「SENSE sauna」(併設するコワーキングスペースの完全個室)で実施されます。

体験内容としては、「仮眠を文化に」の提携店舗であるSENSE saunaで、イヤホン型仮眠起床AIシステム「sNAPout®」を装着し、30分ほどの仮眠を体験できます。この実験を通じて、利用者の体験価値や運営面での有効性が検証され、将来的なサービス展開に向けた可能性が検討されます。

将来的には、街中のどこにいても快適な仮眠が取れる環境を整えることで、働く人々の心身の健康と生産性向上に貢献することを目指しているとのことです。

サービス・製品について

STUTS「仮眠を文化に」

「仮眠を文化に」は、仮眠スペースをシェアするサービスです。公式LINEから手軽に仮眠スペースを事前予約できます。リラクゼーションサロンやコワーキングスペースなどの空いている場所を有効活用し、街中に気軽に仮眠が取れる場所を増やすことを目指しています。これにより、あなたが「ちょっと休みたい」と思った時に、すぐに快適な場所を見つけられるようになるかもしれません。

京セラ「sNAPout®」

「sNAPout®」は、血流量センサーを搭載したイヤホンデバイスと、AIを内蔵したスマートフォンアプリから構成される仮眠起床システムです。入眠時には、左右の耳に異なる周波数の深睡眠促進音を流し、深い眠りをサポートします。そして、入眠後はスマートフォンのAIが血流量データから高精度に睡眠状態をリアルタイムで解析。最適なタイミングでアラームを鳴らし、すっきりと目覚められるよう誘導します。

「sNAPout」は京セラ株式会社の登録商標です。

まとめ:健康的な毎日への一歩

睡眠不足は、私たちの健康と日々の生活に大きな影響を与えます。もしあなたが日中の眠気や疲労感で困っているなら、短時間の仮眠「パワーナップ」が、その解決策の一つになるかもしれません。STUTSと京セラの共同実証は、そんなあなたの毎日に、手軽で質の高い休息をもたらす可能性を秘めています。この取り組みが、より多くの人々が心身ともに健康で、充実した毎日を送るきっかけとなることを期待しましょう。