認知症研究に新たな光!「OMG」タンパク質が特定されました
NECグループのフォーネスライフ株式会社は、米国国立衛生研究所やスタンフォード大学、国立長寿医療研究センター、名古屋大学など、世界中の38もの研究施設と協力し、認知症に関する大規模な研究を進めてきました。
その結果、脳の中枢神経系に存在する「OMG(Oligodendrocyte Myelin Glycoprotein:オリゴデンドロサイト・ミエリン・グリコプロテイン)」というタンパク質が、アルツハイマー病などの認知症から脳を守る「レジリエンス(回復力や抵抗力)」に関わっていることが明らかになったのです。
この画期的な成果は、世界的な神経変性研究の専門誌『Molecular Neurodegeneration』に掲載されました。
※このURLでは、研究結果を速やかに公開するため論文内容が未編集の状態で提供されています。最終版の公開にあたっては、追加の編集作業が行われる予定です。
そもそも「OMG」って、私たちの脳でどんな働きをしているの?
「OMG」という名前だけ聞くと、ちょっと驚いてしまいますが、これは「Oligodendrocyte Myelin Glycoprotein」の頭文字をとったもの。日本語では「オリゴデンドロサイト・ミエリン・グリコプロテイン」という、脳の中枢神経系にある糖タンパク質です。
少し難しい言葉が続きますが、簡単に言うと、OMGは主に神経を包む「ミエリン」という膜の形成に関わっていると考えられています。ミエリンは、脳の中の神経細胞が電気信号を素早く、そして効率よく伝えるために、電線でいうところの「絶縁体」のような役割を果たしています。このミエリンがしっかりしていることで、脳はスムーズに働き、記憶や思考といった認知機能が保たれるのです。
これまでの研究では、ミエリンが成熟したり維持されたりすることにOMGが貢献していることが示唆されていましたが、今回の研究によって、OMGが脳を病気から守る「神経保護」の働きをしている可能性が強く示されました。これは、OMGが単なる構造的な役割だけでなく、私たちの脳を積極的に守る「ガードマン」のような存在であるかもしれない、ということなのです。
なぜ、この研究はそんなにすごいと言えるの?
今回の研究が画期的である理由はいくつかあります。
1. 世界規模の共同研究だからこそ、信頼性が高い!
まず、この研究は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、地域も人種も、そして病気の背景も異なる16もの独立したコホート(病気の研究のために集められた集団)のデータを活用しています。数万人規模の膨大な血液や脳のデータが集められ、38もの国際的な研究グループが協力して分析にあたりました。これほど大規模で多様なデータを元にした研究は、結果の信頼性が非常に高く、特定の地域や人種に限定されない普遍的な発見である可能性を示しています。
2. 最先端技術「SomaScan™ Assay」で、これまで見えなかったものが見えた!
研究では、血液や脳脊髄液に含まれるタンパク質の量を網羅的に測るために、血中タンパク質を一括で測定できる先端技術「SomaScan™ Assay」が用いられました。この技術を使うことで、一度に数千種類ものタンパク質を詳細に分析することが可能になり、これまで見過ごされてきた重要なタンパク質「OMG」の働きを発見できたのです。まさに、最新の科学技術が、私たちの脳の謎を解き明かす鍵となったと言えるでしょう。
3. 「アミロイドβだけではない」という課題への答え
これまで、アルツハイマー病などの認知症は、「アミロイドβ」という物質が脳に異常にたまることが主な原因だと考えられてきました。しかし、アミロイドβの蓄積だけでは、認知機能の低下を十分に説明できないケースも多く、研究者たちは「他にも何か重要な要素があるはずだ」と考えていました。
今回のOMGの発見は、この長年の課題に新たな視点をもたらしました。アミロイドβの蓄積とは異なる、脳自身の「守る力」に着目した点で、これまでの研究とは一線を画しているのです。
研究でわかった、OMGと認知症の「意外な関係」
具体的な研究結果を見ていくと、OMGが私たちの脳の健康にとって、いかに重要であるかが浮き彫りになります。
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OMGが少ない人は、認知症になりやすい傾向
- 研究の結果、血液中のOMGの量が少ない人は、脳にアミロイドβがたまりやすく、認知症になりやすいことがわかりました。これは、OMGが少ないと、脳がアミロイドβの悪影響を受けやすくなる、あるいはアミロイドβを排除する力が弱まる可能性を示唆しています。
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OMGが少ないと、脳の萎縮や記憶力低下が進む
- さらに、OMGが少ない人では、脳の萎縮が進みやすく、記憶力も早く低下していく傾向が見られました。脳の萎縮は、認知症の進行を示す重要なサインの一つです。OMGが、脳の構造的な健康維持にも深く関わっていることがうかがえます。
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OMGが多い人は、脳が守られている可能性
- 一方で、OMGが多い人では、神経の構造がしっかりと保たれており、認知症になりにくいことが示されました。これは、OMGが脳の神経細胞をダメージから守り、認知機能を維持する「保護バリア」のような役割を果たしていることを意味するかもしれません。
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遺伝子レベルでも裏付けられたOMGの重要性
- 遺伝子の分析からも、OMGが多いことが、神経の病気から脳を守る原因の一つである可能性が高いとわかりました。私たちの体の設計図である遺伝子レベルで、OMGの重要性が示されたことは、この発見の確実性を一層高めるものです。
これらの結果は、OMGが単に脳の一部を構成するタンパク質であるだけでなく、認知症の発症リスクを左右する「バイオマーカー(生物学的指標)」として、非常に注目すべき存在であることを強く示しています。
この発見が、私たちの未来にどんな希望をもたらすの?
今回のOMGタンパク質の発見は、認知症で困っている方や、そのご家族にとって、大きな希望の光となるでしょう。
1. 認知症の「超早期予測」と「予防」の可能性
OMGの量を血液検査で測れるようになれば、将来の認知症リスクをより早く、より正確に予測できるようになるかもしれません。もし、自分が認知症になりやすい体質だとわかったら、どうでしょう? きっと、早い段階から生活習慣を見直したり、専門家と相談しながら予防策を講じたりするきっかけになるはずです。
例えば、食生活の改善、適度な運動、質の良い睡眠、社会活動への参加など、認知症予防に良いとされる生活習慣を、より意識的に実践できるようになるでしょう。早期にリスクを知ることで、不安を抱えながら漠然と過ごすのではなく、具体的な行動へと繋げることができるようになるはずです。
2. 新しい治療法や生活習慣改善へのヒント
今回の研究では、OMGが脳を守る力「レジリエンス」に関わっていることが示唆されました。これは、OMGを増やすような新しい治療法や、特定の生活習慣の改善が、認知症の発症や進行を遅らせる可能性を秘めていることを意味します。
将来的には、OMGの量を増やすための薬が開発されたり、OMGの分泌を促すような食事や運動プログラムが提案されたりするかもしれません。もしそうなれば、現在認知症に苦しんでいる方々や、そのリスクがある方々にとって、新たな治療の選択肢が生まれることになります。これは、まさに「誰もが自分らしく生きられる社会」の実現に向けた、大きな一歩と言えるでしょう。
3. 認知症に対する社会全体の意識の変化
OMGの発見は、認知症が単に「老化現象の一部」として諦めるのではなく、「予防や対策が可能である病気」として捉え直すきっかけになるかもしれません。社会全体で認知症に対する理解を深め、早期発見・早期介入の重要性が認識されることで、より多くの人が健康寿命を延ばし、自分らしい人生を長く送れるようになるでしょう。これは、個人だけでなく、社会全体にとっても大きなメリットをもたらすはずです。
この研究を支える「フォーネスライフ」の取り組み
今回の素晴らしい研究成果に貢献したフォーネスライフ株式会社は、デジタル技術でヘルスケア領域に革新的なソリューションを提供する企業です。彼らは「誰も病気にならない未来」、「誰もが自分らしく生きられる社会」の実現を目指し、最先端の技術を活用しています。
あなたの未来の健康を「見える化」する「フォーネスビジュアス」
フォーネスライフが提供する「フォーネスビジュアス」は、少量の血液(2mLまたは5mLの採血)から約7,000種類ものタンパク質を一度に解析する、世界初の技術(米国Standard BioTools™社による)を活用したヘルスケアサービスです。このサービスでは、「将来の疾病リスク」と「現在の体の状態」を詳細に可視化し、一人ひとりに合わせた生活習慣の改善提案を行います。
認知症だけでなく、がんや心臓病、糖尿病など、様々な疾病リスクを総合的に評価できるため、あなたの健康管理に役立つでしょう。
なお、「フォーネスビジュアス」の検査は医療機関の医師を通して提供されます。健康保険の対象ではなく、医療機関の自由診療として実施される点にご留意ください。
研究開発を加速するタンパク質測定サービス「SomaScan™ Assay」
フォーネスライフは、最大約11,000種類のタンパク質を一度に測定し、バイオマーカーの探索を効率化するタンパク質測定サービス「SomaScan™ Assay」も提供しています。今回のOMGの発見も、この技術が大きく貢献していると言えるでしょう。このサービスは、医療や生命科学分野の研究開発を強力に後押ししています。
- SomaScan™ Assay:https://discovery.foneslife.com/
「健康経営企業」として、社員の健康も大切に
フォーネスライフは、自社も「健康経営企業」として、従業員の健康管理を経営的な視点から捉え、戦略的に実践しています。例えば、「健康寿命を延ばし、その延伸に合わせて定年も延長していく」という考え方のもと、2025年現在は定年を75歳に設定しているとのこと。健康寿命の延伸に応じて、今後も定年年齢の見直し・延長を行う予定だそうです。
人生100年時代を見据え、リモートワーク、フルフレックス、ワーケーション、副業可(条件付き)など、柔軟な働き方を整備し、社員一人ひとりが自分らしく働き続けられるよう、健康づくりを支援しているのは、まさに「誰もが自分らしく生きられる社会」を目指す企業姿勢の表れと言えるでしょう。
- 会社概要URL:https://foneslife.com/company
まとめ:認知症の未来に、希望の光が差しました
今回のOMGタンパク質の特定は、認知症研究における大きな一歩であり、病気で困っている方々や、将来に不安を抱える私たちにとって、まさに希望の光です。
OMGの発見は、認知症の超早期予測や、個々に合わせた予防法の開発、さらには新しい治療法の誕生へとつながる可能性を秘めています。私たちの脳が持つ「守る力」を理解し、それを最大限に引き出すことで、より多くの人が健康で充実した人生を送れる未来が、きっと訪れることでしょう。
この研究が、私たち一人ひとりが認知症の不安と向き合い、より健康で豊かな人生を送るための、具体的な道筋を示してくれることに期待が高まります。今後のさらなる研究の進展に、ぜひ注目していきましょう。
お問い合わせ先
- フォーネスライフ株式会社:https://foneslife.com/contact/
