人生100年時代を元気に!「噛むこと」が健康の鍵

「人生100年時代」と聞いて、あなたはどんな未来を想像しますか?長生きできることは素晴らしいことですが、もし病気や介護が必要な状態が長く続くとしたら、少し不安になりますよね。実は、健康で豊かな人生を送るために、毎日の「噛むこと」がとっても大切だということが、最近の研究でわかってきています。

株式会社ロッテも参画している「噛むこと健康研究会」は、この「噛むこと」が私たちの全身の健康にどう影響するのかを、真剣に研究している専門家集団です。そして先日、第7回年会の講演やトークセッションの動画が期間限定で公開されました。この研究会では、「噛むこと」が栄養状態、全身の機能、認知機能、さらには介護にかかる費用にまで、どれほど大きな影響を与えるのかが議論されました。この情報が、あなたの健やかな生活に役立つことを願っています。

詳細はこちらからご覧いただけます。
噛むこと健康研究会

なぜ「噛むこと」がそんなに大切なの?専門家が語る驚きの事実

「口の衰え」が全身の健康を脅かす「オーラルフレイル」

基調講演

東京都健康長寿医療センターの平野浩彦氏は、基調講演で「オーラルフレイル」という言葉を紹介しました。日本は平均寿命が長い一方で、健康寿命との間に約10年もの差があるそうです。この差を生む原因の一つに、「フレイル(虚弱)」が挙げられます。そして、このフレイルの入り口となるのが「オーラルフレイル」、つまり「口の些細な衰え」なのです。

「滑舌が悪くなったな」「食べ物をよくむせるようになった」といった小さな変化は、単なる老化だと見過ごされがちですが、実はこれが危険信号かもしれません。オーラルフレイルを放っておくと、食事が偏って低栄養になったり、筋肉が減ったりして、最終的には要介護状態へとつながる「ドミノ倒し」のような事態を引き起こす可能性があるのです。早期に気づき、対策を始めることが、この連鎖を断ち切るために不可欠だと言います。

噛む力が脳と体に与える影響

講演1

東京科学大学の駒ヶ嶺友梨子氏は、噛むことが栄養状態や認知機能にどう影響するかについて詳しく解説しました。最近の研究で、歯の数が減るだけでなく、「奥歯でしっかり噛めること」が失われると、認知症のリスクが高まることがわかってきたそうです。これは、脳の血流が減ったり、栄養が偏ったり、人との交流が減ってしまったりするなど、さまざまな要因が絡み合っていると考えられています。

特に興味深いのは、歯の喪失が認知機能に与える影響には男女差があるという点です。男性では人との交流が減る「社会的要因」が、女性では栄養が偏る「栄養学的要因」が主な原因となることが多いそうです。バランスの取れた食事が認知機能を維持するために重要だという報告もあり、食習慣と噛むことの密接な関係が示されました。歯科治療で噛む力を回復させ、適切な食事指導と組み合わせることで、記憶力や実行機能の改善が期待できるケースもあるとのこと。噛むことの回復は、栄養摂取、社会性の維持、そして脳への刺激という多角的なアプローチで、健康寿命の延伸に貢献する可能性を秘めているのですね。

テクノロジーで「噛む」を科学する

講演2

東京電機大学の武政誠氏は、私たちが普段意識しない「食感」が、いかに重要であるかを語りました。ポテトチップスや肉の食感など、食品のおいしさを決める大切な要素ですが、これを科学的に分析するのはとても難しいことでした。しかし、ロボットアームを使った高精度な食感分析システムや、スマートフォンのカメラで顔の動きを追跡するアプリを開発することで、食品の品質差や、私たちが感じる「カリカリ」といった主観的な食感までも予測できるようになったそうです。

さらに驚くべきは、「フード3Dプリンタ」を使った食感の「制御」への挑戦です。材料だけでなく、食品の「構造」をデザインすることで、これまでの調理法では作れなかったような食感を生み出せるようになると言います。例えば、タンパク質の繊維を意図的に配置することで、理想的な肉の繊維感を再現することも可能だとか。ビッグデータとAIで「噛むこと」を「見える化」し、3Dプリンタで「食感」をデザインする技術は、一人ひとりの噛む力に合わせた食事を提供する、新しい食のソリューションとなるかもしれませんね。

大規模研究が示す「噛むこと」の社会的インパクト

トークセッション

トークセッションでは、大規模な高齢者研究から得られた貴重な知見が共有されました。東京大学の田中友規氏、東京都健康長寿医療センター研究所の本川佳子氏、順天堂大学の田端宏樹氏、そして株式会社ロッテの飯田智晴氏が登壇し、それぞれの研究成果と今後の展望について語り合いました。

「柏スタディ」という大規模な調査では、オーラルフレイルの人は、将来的にフレイルや要介護、そして死亡のリスクが2倍以上になることが明らかになったそうです。体が元気でも、口の機能が衰えているとリスクが高まるため、早い段階で気づくことが大切ですね。「お達者健診」では、フレイル予防には多様な食品を食べることが重要であり、そのためには「噛む力」が深く関わっていることが示されました。噛む力が弱いと、食事が偏り、栄養状態が悪化しやすいのです。さらに、「文京ヘルススタディ」では、MRIで測定した「咬筋(噛む筋肉)」の量が少ないと、全身の筋肉減少(サルコペニア)のリスクが高まることや、噛む力が強いほど認知機能が維持されやすいという結果が出ています。口の機能を保つことが、体や脳全体の健康を守る鍵だということが、科学的に裏付けられてきているのですね。

また、愛知県豊田市で行われた「ガムを使った口腔健康プログラム」の実証実験では、オーラルフレイルやフレイルの改善効果が確認されたそうです。もし全国の高齢者全員がこのプログラムに参加したと仮定すると、なんと約1.2兆円もの介護費用を抑えられるという試算も出ました。このように、「噛むこと」が社会全体に与えるプラスの影響を「見える化」することは、社会に新しい価値を生み出す企業にとって非常に重要だと考えられています。

今後も、AIやバイオマーカーの活用、アプリや行政データとの連携など、さまざまな方法で研究を進め、学術・行政・企業が一体となって、エビデンスに基づいた社会課題の解決を目指していくとのこと。住民が健康に暮らせる地域社会の実現に向けて、大きな期待が寄せられます。

あなたの「噛むこと」が世界を変える日

「噛むこと健康研究会」は今回で第7回を迎え、その活動を通して「噛むこと」の大切さが広く認知されるようになってきました。自治体や歯科医師会との連携協定も増え、口腔ケアだけでなく、スポーツ、介護、災害対策といった幅広い分野での協力が進んでいるそうです。

株式会社ロッテも、この活動に深く関わっています。社員一人ひとりが「噛むこと」の重要性を理解し、そのメッセージを広める役割を担っているとのこと。製品提供にとどまらない社会貢献の実感が、社員の皆さんのモチベーションにもつながっていると言います。ロッテは、今後海外展開をさらに拡大する中で、この研究会の成果を基盤として「KAMUKOTO」を世界の共通語にし、ガムなどのチューイング商品の普及を通じて、「独創的なアイデアとこころ動かす体験で人と人をつなぎ、しあわせな未来をつくる」という企業理念を果たしていくそうです。あなたの毎日の「噛むこと」が、きっと世界中の人々の健康と幸せにつながっていくことでしょう。

研究会の様子

研究会の様子1

研究会の様子2

理事・アドバイザー・講演者の方々

理事・アドバイザー・講演者

まとめ

「噛むこと」は、私たちが日々行っている当たり前の動作ですが、その裏には全身の健康を支える計り知れないパワーが秘められています。もしあなたが、最近体調が優れないと感じていたり、将来の健康に不安を抱えていたりするなら、まずは「噛むこと」を見直してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

「噛むこと健康研究会」の取り組みは、科学的なエビデンスに基づき、私たちの健康寿命を延ばし、より豊かな人生を送るための具体的なヒントを与えてくれます。今日から意識してよく噛んで食べる、ガムを噛む習慣を取り入れるなど、できることから始めてみましょう。きっと、あなたの未来がもっと明るく、健康になる手助けをしてくれるはずです。

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株式会社ロッテ