鴻巣市における地域医療連携の新モデル

医療法人社団鴻愛会 こうのす共生病院(埼玉県鴻巣市)は、高齢化が進む地域社会において、退院後の患者が住み慣れた自宅で安心して生活できるよう、在宅支援体制の強化に取り組んでいます。この度、病院の枠を超えた新たな取り組みとして、コミュニティナース(コミナス)専従が地域の見守り役である民生委員と連携を深め、孤立リスクがあった退院患者の生活を再構築した具体的な事例が実現しました。この事例は、鴻巣市における新たな地域医療連携モデルとして注目を集めています。

車椅子に座る人と介助者

「地域の見守り」の復元

支援対象となった患者は、退院後の生活に不安を抱えていました。以前は民生委員によるお弁当配達などを利用していましたが、徐々に地域のネットワークから遠ざかってしまい、孤立リスクが高まっていました。

こうのす共生病院のコミュニティナース専従スタッフは、病棟看護師やリハビリスタッフだけでは関わりきれない患者の生活背景に深く踏み込みました。病院外での活動時間を確保し、地域へ積極的に関わるコミュニティナース専従だからこそ、患者から「元気だった頃の地域の繋がり」を丁寧に聞き出し、担当の民生委員と迅速に連携を取ることが可能となりました。その結果、途切れていた民生委員による月1回のお弁当配達が再開され、定期的な見守り訪問や買い物支援、公共交通機関の利用支援も実現しました。患者は、地域に見守られているという安心感の中で在宅生活へ移行しました。

現場からは「患者の在宅生活への不安解消は、病棟看護師やリハビリ担当者だけでは時間的に困難でした。コミュニティナースによる地域資源の発掘と連携は、私たち現場スタッフにとっても極めて有益であり、得られた貴重な情報は今後の退院支援に活かしていきます」との声が上がっています。

三位一体の連携が生む「病院の枠を超えたおせっかい」

この成功は、病棟看護師、地域連携室、コミュニティナース専従が一体となった三位一体の連携体制の成果です。特にコミュニティナースは、移動スーパーへの同行調査など、地域住民の生活ニーズを肌で感じる活動を通じて、病院では把握しきれない地域資源を発掘し、患者の在宅生活に直結させる「おせっかいの輪」を広げています。

かぎ針編みをする高齢者

医療法人社団鴻愛会の理念とソーシャルグッドプロジェクト

医療法人社団鴻愛会は、「病院の役割は、退院された時点で終わりではない」という強い信念のもと、活動を推進しています。この民生委員との連携事例は、同法人が目指す『地域と共に生きる病院』の理想形が具体化したものです。

同院は、孤立を防ぎ、地域住民の「おせっかいの輪」を広げて生活の質を高めるためのソーシャルグッドプロジェクトを展開しています。具体的には、病院がまちへ出るというコンセプトの「MEET⁺(ミータス)」、病院内に地域住民の居場所を提供する「井戸端会議」、高齢化で手つかずになった畑を地域のボランティアと共に復活させる「こうのすえん」といった活動を通じて、病院を起点とした地域づくりを実践しています。地域の「見えない繋がり」を復活させることで、真に患者を支える持続可能な在宅支援が実現します。

今後の展望

こうのす共生病院は、この地域資源活用の好事例を基に、鴻巣市内での同様の支援事例を拡大していく方針です。コミュニティナースによる地域連携活動は、「ソーシャルグッドプロジェクト」の中核と位置づけられています。今後も、「病院の枠を超えたおせっかい」をプロジェクトとして推進することで、「病院から在宅へのスムーズな橋渡し」を実現する、真に地域に根差した医療連携モデルとして積極的に活動を発信していく予定です。

関連情報

本件に関するお問い合わせは、こうのす共生病院 広報室(電話:048-541-1131、メール:info@kouaikai.jp)までご連絡ください。