認知症は特別なことじゃない!みんなで支え合う社会へ
「認知症」と聞くと、漠然とした不安を感じる方もいるかもしれませんね。でも、日本は世界でも珍しいスピードで高齢化が進んでいて、65歳以上の方が人口の約3割を占めています¹。それに伴い、認知症と診断される方も増えていくと見られています。
だから、認知症の予防や、もし診断されたとしてもその進行を穏やかにしていくことは、社会全体で取り組むべき、とっても大切な課題なんです。認知症ケアって、「これさえやれば大丈夫!」というような、一つの正解があるわけじゃないんですよね。だからこそ、日々の現場での経験や工夫をただ積み重ねるだけじゃなく、それを医学的な視点からしっかり検証して、誰でも実践できる確かな知識へと高めていくことが、これからのシニアレジデンスには求められています。
ハイメディック・ケアって何?医療と介護が手を取り合う新しいカタチ
リゾートトラストグループでシニアライフ事業を展開している株式会社ハイメディックと株式会社シニアライフカンパニーは、長年培ってきた先進的な医療の知識と、全国各地のシニアレジデンスでの現場の経験を一つにしました。そうして生まれたのが、医療と介護が一体となった独自の認知症ケアモデル「ハイメディック・ケア」なんです。
このケアモデルでは、「運動」「コミュニケーション」「食事」「睡眠」の4つの領域を、認知症の予防や進行予防に欠かせない大切な要素として位置づけています。これらは単に日常生活をサポートするだけでなく、認知機能の維持や改善に深く関わっていると考えられています。例えば、適度な運動は脳の活性化を促し、人との交流は心の健康を保ちます。バランスの取れた食事は体を作るだけでなく、脳に必要な栄養を届け、質の良い睡眠は脳を休ませ、記憶の整理を助けてくれます。
現場の知恵が光る!2025年度 事例研究発表会の舞台裏
そんな「ハイメディック・ケア」の取り組みをさらに深めるため、2026年2月3日、東京ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾートで「2025年度 事例研究発表会」が開催されました。

この発表会は、一般社団法人「脳の健康を守る総合研究所(代表理事:田口 淳一 医師)」と協力して行われました。全国のシニアレジデンスから、事前審査を通過した8施設の事例研究が発表され、同研究所の医師たちが評価を行いました。この発表会の大きな特徴は、単に「こんな良いことがありました」という成功事例の紹介で終わらないこと。医学的な視点から厳しく審査することで、そのケアが本当に効果的で、他の場所でも実践できる「再現可能なケアモデル」として体系化することを目指しています。
シニアレジデンスは、入居者の方々が24時間365日を過ごす「生活の場」です。その日常の中で生まれるちょっとした気づきや工夫が、大きな変化につながることがたくさんあります。この発表会を毎年続けることで、認知症ケアの貴重な実践知がグループ全体で共有され、どんどん洗練されていくんですね。この「研究を続ける企業体質」こそが、リゾートトラストのシニアライフ事業の大きな強みになっています。
希望の光が見えた!感動の受賞事例を詳しくご紹介
今回の発表会では、特に素晴らしい取り組みが表彰されました。どの事例も、入居者の方お一人おひとりに寄り添い、真心を込めてケアを実践するスタッフの皆さんの努力が伝わってきます。
最優秀賞:トラストガーデン東嶺町
トラストガーデン東嶺町では、軽度認知症と物忘れ傾向のある2名の方を対象に、日常生活の中で認知機能の維持・向上を目指す取り組みを行いました。転倒や入院、活動量の変化、水分不足などが認知機能に影響する可能性があることに注目し、早い段階からの予防的なケアを課題としました。
具体的には、体を動かしながら計算する「二重課題(デュアルタスク)」を、生活のちょっとした時間に組み込みました。さらに、ご本人の好きな活動やこれまでの生活習慣を大切にしながら、水分摂取量、歩行状態、睡眠状況、認知機能といった項目を継続的に評価していきました。もし転倒したり、体調が悪くなったりした時には、すぐにケアの内容を見直して、その方に合った調整を行ったそうです。
その結果、お二方とも記憶力の一部(遅延再生)が向上し、水分をしっかり摂れるようになったり、睡眠リズムが安定したり、歩行状態を維持できたりと、良い変化が見られました。この事例は、日常生活の中に短時間の二重課題を無理なく取り入れることが、認知症予防の一つの方法になり得ることを示しています。
【受賞者のコメント】
「最優秀賞というすばらしい賞をいただき本当にありがとうございます。受賞できたのは、トラストガーデン東嶺町の皆さんのおかげだと思っているので、感謝を伝えたいです。当施設は本当にすてきな施設で、当施設のケアはすばらしいとおっしゃっていただくことも多いので、その名に恥じぬように、これからも当施設らしいケアができるよう、認知症予防にも注力して頑張っていきたいと思います。」
優秀賞:フェリオ百道
フェリオ百道では、顎の脱臼をきっかけに、居室にこもりがちになってしまった方がいました。その方は夜間に幻視が見えたり、日中ずっと眠ってしまったり、食事の量が減ってしまったりと、様々な困りごとを抱えていました。「元気だったころの生活に戻りたい」「自分の足で歩きたい」というご本人の強い思いを大切に、睡眠、食事、運動、認知機能の4つの領域から課題を整理し、包括的なケアを行いました。
主治医と連携して、日中の傾眠につながる可能性のあるお薬を見直したり、夜間の目覚める回数を減らしたりしました。食事の形態を見直したり、食器を工夫したりすることで、食事の量を増やすことにも成功。さらに、全身運動や自主的な訓練を強化し、認知症ケアの専門的な技法を使ったコミュニケーションを取り入れることで、身体機能と、何かをしたいという意欲の回復を目指しました。
その結果、夜間の幻視は減り、日中もすっきりと目覚めていられるようになりました。主食の量は1.4倍、副食の量はなんと2.4倍に増え、食事の形態も改善しました。集団での体操に参加する方も増え、平行棒の中を自分の足で歩けるようにもなりました。簡易認知機能テストの評価も改善するなど、生活全体を多角的にサポートすることで、身体機能と認知機能の両方に良い影響があった、とても素晴らしい事例です。
【受賞者のコメント】
「本日はこのようなすばらしい賞をいただき大変光栄です。スタッフが日々真心を込めてご入居者と接していた結果ではないかと考えています。今後も包括的なケアを意識しながら、引き続き真心を込めてご入居者と接していきたいと思います。」
審査員特別賞:トラストガーデン宝塚
トラストガーデン宝塚で支援を行ったのは、夜間の不眠とせん妄、日中の強い傾眠によって生活リズムが崩れてしまった方でした。お薬をこれ以上増やせないという制約がある中で、活動量が減り、夜中に何度も目が覚めることで、昼夜が逆転し、何もする気力がわかない状態になっていました。
そこで、様々な職種のスタッフが協力し、24時間の生活リズムを「見える化」することから始めました。夜間は尿量に合わせたパッドに変更して、夜中に目覚める回数を減らす工夫をしました。日中は活動量を増やすことを目指しましたが、最初は手作業のレクリエーションを導入したものの、ご本人にとっては負担になってしまうことが分かりました。そこで、改めてこれまでの生活を振り返り、ご夫婦でよく通っていたカラオケに注目!共用スペースにカラオケを常設し、歌いながら体操をする「デュアルタスク」を取り入れました。さらに、寝る時間や服薬の時間を見直し、ご本人の意思を尊重した生活リズムへと調整していきました。
その結果、当初1時間程度だった睡眠時間は段階的に延び、最終的には8時間の継続した睡眠が可能になりました。日中の傾眠は減り、活動への意欲も回復。夜間のせん妄もなくなりました。この事例は、不眠を単なる症状として捉えるのではなく、その方のこれまでの生活や不安、体の状態を全て含めて総合的にサポートすることが、生活全体の安定につながることを教えてくれます。
【受賞者のコメント】
「本日はこのような賞をいただきありがとうございます。トラストガーデン宝塚では、リゾートトラストグループの経営理念の一つでもある「エクセレント・ホスピタリティ」を体現し、より質の高い介護支援に取り組んでまいります。」
その他の特別賞受賞施設
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トラストグレイス白壁
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フェリオ多摩川
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トラストガーデン横浜ベイ馬車道
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トラストガーデン四条烏丸
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ハイメディックレジデンス ザ・ガーデン等々力
「研究を続ける企業体質」が未来を創る
今回の事例研究発表会は、現場で培われた実践的な知識を、医学的な視点からも検証し、誰にでも役立つ確かなエビデンスへと高めていく、とても大切な取り組みです。リゾートトラストグループは、入居者の方々に「安心」を提供するだけでなく、科学的な根拠に基づいて認知症の予防や進行予防に貢献できるシニアレジデンスを目指しています。
その中心にあるのが、「ハイメディック・ケア」の「運動」「コミュニケーション」「食事」「睡眠」という4つの柱なんです。特別なことをするのではなく、日々の生活の基本的なことを徹底し、それを継続的に検証し続けることが、確かな変化につながると言います。以前には、日光浴を取り入れることで昼夜逆転が改善し、夜間のナースコールが減少したという事例もあったそうです。こうした一つ一つの地道な積み重ねこそが、リゾートトラストグループの大きな強みになっています。常に「研究を続ける企業」であること。これからのシニアレジデンスには、そんな姿勢が求められているんですね。
これからも進化し続ける!ハイメディックの挑戦
高齢化が進む現代において、シニアレジデンスに求められるのは、ただ「安心」できる場所であることだけではありません。「科学的根拠に基づいたケア」を提供することが、ますます重要になっています。ハイメディックはこれからも、医療機関との連携をさらに深めながら、認知症の予防や進行予防に関する研究と実践を続けていきます。そうすることで、入居者の方お一人おひとりが、自分らしく尊厳を持って生活し、心身ともに満たされた「パーソナル・ウェルビーイング」を実現できるよう、貢献していくことを目指しています。
介護の仕事の魅力が詰まったブランドムービーも公開中!
今回の事例研究発表会をテーマにしたブランドムービーも制作されました。この映像では、発表された研究事例を基に、様々な職種のスタッフが協力しながら、一人の入居者の方と真剣に向き合う姿が描かれています。
ケアプランを作る場面や日々のサポートの様子、医師による評価のコメントなどを通して、介護の仕事が単なる生活支援ではなく、その方の「人生に寄り添う専門職」であることが表現されています。感動的なエピソードだけでなく、医学的な視点から評価された事例であることも盛り込まれていて、リゾートトラストグループが目指す「科学的根拠に基づくケア」の姿が、映像を通して分かりやすく伝えられています。
このムービーは、介護の仕事に興味がある方や、介護の仕事に対するイメージを変えたいと考えている方々に向けて公開されています。ぜひ一度ご覧になって、リゾートトラストグループの取り組みや介護の仕事の魅力を感じてみてくださいね。
▶ ブランドムービーはこちら
https://www.resorttrust.co.jp/cmgallery/45.html
関連情報
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リゾートトラストのシニアレジデンス: https://www.trustgarden.jp/
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グランドハイメディック倶楽部: https://www.himedic.jp/
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一般社団法人脳の健康を守る総合研究所: https://www.nou-kenkou.jp/
脚注:¹ 総務省統計局|人口推計(2025年9月確定値)
まとめ:認知症と共に、より豊かな人生を歩むために
今回の事例研究発表会は、認知症という大きな課題に対し、現場の知恵と医療の力が結集することで、どんなに素晴らしい可能性が広がるかを示してくれました。認知症と診断されても、その人らしい生活を諦める必要はありません。一人ひとりに寄り添い、科学的根拠に基づいたケアが提供されることで、きっと、今よりもっと豊かで安心できる毎日を過ごせるはずです。
もし、あなたやあなたの大切な人が認知症で困っているなら、今日紹介したような取り組みが、少しでも希望の光になれば嬉しいです。一歩ずつ、みんなで支え合いながら、より良い未来を築いていきましょう。
