AYA世代ってどんな世代? 治療中の肌ケアがなぜ大切なの?
「AYA(アヤ)」という言葉は、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の略で、主に医療の分野で15歳から39歳くらいの人たちを指します。この世代は、進学、就職、結婚、子育てなど、人生の大きな転換期と重なることが多いですよね。
そんな大切な時期にがんという病気と向き合うことは、心にも体にも大きな負担がかかります。特に、抗がん剤治療などによって起こる肌荒れ、乾燥、色素沈着、脱毛といった外見の変化は、日常生活や社会生活に大きく影響し、精神的なつらさにつながることも少なくありません。
周りには同じような悩みを抱える人が少ないと感じて、一人で抱え込んでしまう人もいるかもしれませんね。でも、実は肌ケアは、ただ外見を整えるだけでなく、心の状態にも良い影響を与えることがわかっています。第一三共ヘルスケアの調査によると、がん治療中に肌ケアを行い効果を感じた方の約8割が、気持ちが前向きになるなどのポジティブな変化を感じているそうですよ。
今回のセミナーの冒頭で、第一三共ヘルスケアの広報部である上吉川さんは、「日常に取り入れやすい適切なケアを知ってスキンケアやメイクを楽しんでいただきながら、皆さまが自信をもって前向きな気持ちになるためのお手伝いができれば嬉しい」と話していました。

第一三共ヘルスケアは、がん患者さんのQOL(生活の質)向上を願い、2022年から定期的にこの「肌ケアセミナー」を開催していて、今回でなんと11回目! がんに罹患しても安心して生活できる社会の実現に貢献したいという強い思いが込められています。
セミナーで学んだこと:肌ケアの基本からカバーメイクまで
このセミナーでは、専門家の方々がそれぞれの視点から、AYA世代のがん患者さんのための肌ケアについて教えてくれました。具体的なプログラムは以下の通りです。
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セミナー主催者挨拶(第一三共ヘルスケア 広報部 薬剤師 上吉川奈央)
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がん治療中でも日常から取り入れたいスキンケア(第一三共ヘルスケア 看護師 東島愛美)
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肌ケア体験講座(アピアランス・サポート東京 アピアランス・サポート相談室 室長 村橋紀有子氏)
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カバーメイクミニ講座(一般社団法人ピアリング アピアランスケアアドバイザー 野村奈美氏)
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座談会
それでは、それぞれの講座の内容を詳しく見ていきましょう!
1. がん治療中でも日常から取り入れたいスキンケア

第一三共ヘルスケアの看護師、東島愛美さんが「がん治療中でも日常から取り入れたいスキンケア」というテーマで講義をしてくれました。東島さんは、治療と日常生活が重なりやすいAYA世代の皆さんに向けて、無理なく続けられるセルフケアがとっても大事だと強調していました。
抗がん剤治療は、体の悪い細胞だけでなく、肌の細胞にも影響を与えることがあります。肌の生まれ変わりを担う「基底層」がダメージを受けると、肌の新陳代謝が低下して、乾燥しやすくなったり、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまうんだそうです。そのメカニズムを知るだけでも、肌ケアの重要性がよくわかりますよね。
具体的なケア方法としては、次のようなポイントが紹介されました。
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低刺激な洗浄料で「なで洗い」: 弱酸性・アルコールフリー・泡タイプなど、肌に優しい洗浄料を選び、ゴシゴシこすらず、手のひらで優しくなでるように洗うのがポイント。タオルで拭くときも、摩擦を避けてそっと押さえるようにしましょう。
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こまめな保湿: 皮膚のバリア機能を保つために、日中も寝る前も、こまめに保湿することが大切です。乾燥を感じる前にうるおいを補給してあげましょう。
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年間を通じた紫外線対策: 紫外線は肌に大きな負担をかけます。日傘や帽子、日焼け止めなどを活用して、季節を問わずしっかり対策することが重要です。
講義のまとめとして、肌ケアの基本である「保清(清潔に保つこと)・保湿・保護」の3つのポイントが示されると、参加者からは「すぐに試してみたい!」という前向きな声がたくさん上がったそうです。日々のちょっとした工夫で、肌はきっと応えてくれるはずです。
2. 肌ケア体験講座:デリケートな肌のためのセルフエステ

次に登場したのは、アピアランス・サポート東京のアピアランス・サポート相談室 室長、村橋紀有子氏。村橋氏は「デリケートなお肌のためのセルフエステ フェイスケア」と題して、肌ケア体験講座を行ってくれました。
村橋氏は、AYA世代が抱える心身のケアの重要性を指摘。治療中は「医師に相談するほどではないけれど、くすみや痒みが気になる…」といった、日常のささいな悩みがたくさんあることを教えてくれました。こうした小さな悩みこそ、一人で抱え込まず、こまめなケアで肌の状態を健やかに保つことが大切なんですね。
そして、肌ケアは外見を整えるだけでなく、自己肯定感を高めることにもつながると語っていました。「治療で頑張る自分をねぎらい、穏やかな時間を過ごしてほしい」というメッセージは、きっと多くの参加者の心に響いたことでしょう。自分を大切にする時間を持つことは、QOL向上にとってもとても大切です。
実技では、静脈やリンパの流れを促し、むくみを改善する「巡活(じゅんかつ)マッサージ」がレクチャーされました。具体的なマッサージのポイントは次の通りです。
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清潔な手でたっぷりの乳液を使う: 手を清潔にして、ベタつきを気にせず乳液をたっぷり使うことで、肌への摩擦を最小限に抑えられます。
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指の腹で優しく: 指の腹を使って、やわらかいタッチで優しく肌を流すようにマッサージします。
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特定のポイントを意識: 耳珠(じじゅ)、耳垂(じすい)、マンディブラーノッチという3つのポイントを、人差し指、中指、薬指の三指で内径静脈に沿わせて老廃物を流す具体的な手法も紹介されました。
参加者は熱心に耳を傾け、実際に手を動かしてマッサージのスキルを学んでいました。きっと、自宅でも実践して、自分をいたわる時間を過ごせるようになるでしょう。
3. カバーメイクミニ講座:治療を感じさせないメイクで自信を

セミナーの最後は、一般社団法人ピアリングのアピアランスケアアドバイザー、野村奈美氏によるカバーメイクミニ講座「元気に見えるベースメイク編」です。
野村氏は、外見の変化がAYA世代の精神的な負担になりやすい現状に触れ、あざや色素沈着、傷あとなどを目立たなくする「カバーメイク」の有用性を解説してくれました。治療中でも「元気に見える」ベースメイクの作り方をテーマに、肌荒れ、乾燥、赤み、くすみ、くまといった治療中に起こりやすい肌の変化をしっかりカバーしつつ、ナチュラルに見せるテクニックが実践されました。
デモンストレーションでは、シミを自然にカバーする工程が披露され、具体的なポイントが紹介されました。
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一度で隠そうとせず薄く重ねる: 厚塗りになると不自然に見えがちです。少しずつ、薄く重ねていくのがコツです。
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量を微調整する: 使うファンデーションやコンシーラーの量を、指先やブラシで細かく調整しましょう。
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ブラシを活用する: ブラシを使うと、より均一に、そして薄く塗ることができます。
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全部のシミを隠そうとしない: 気になる部分に絞ってカバーすることで、より自然な仕上がりになります。
また、肌悩みに合わせたベースメイクの色選びや、頬の一番高いところに血色をのせるチークの入れ方など、具体的な魅せ方についても説明があり、参加者は熱心に見入っていました。野村氏は最後に、「自分の外見を守ることは、治療を乗り越える力になります」と語り、カバーメイクが単なる化粧ではなく、心の支えになることを強調していました。外見を整えることで、心も前向きになれる、そんな素敵なメッセージですね。
4. 座談会:悩みを共有し、自分らしさを再発見する時間

セミナーの後半では、講師陣と第一三共ヘルスケアの社員、そして参加者が一つの輪になって、AYA世代特有の悩みにフォーカスした座談会が行われました。学業やキャリア、結婚、子育てといった人生の大きな転換期と治療が重なるAYA世代は、外見の変化が社会生活に与える影響が大きく、精神的な負担も深刻になりがちです。
座談会では、参加者からリアルな声が共有されました。
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「治療前まで使っていた化粧品が、今は肌に染みてしまって使えない…」
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「脱毛が怖くてたまらない」
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「保護者会など人前に出る場面では、ウィッグを使い分けて何とか自分を保っている」
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「接客業で爪を見られるのがつらくて、絆創膏を貼ったら不衛生と指摘されて傷ついた」
命に関わる治療を優先するあまり、「肌荒れくらいで病院に相談していいのかな?」と一人で抱え込み、引きこもりがちになってしまうという、AYA世代特有の心理的な壁も浮き彫りになりました。本当に、一人で抱え込んでしまうのは辛いですよね。
これに対し、講師陣からは具体的なセルフケアの知恵と共に、温かいエールが送られました。
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白髪や薄毛への細やかなカバー術
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頭皮の保湿を「これから生えてくる髪への投資」と捉えるマッサージ
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爪の健康のためのタンパク質摂取といった内側からのアプローチ
これらのケアは、ただ「隠す」ためだけのものではなく、治療に励む自分自身を慈しむための大切な時間なのだと伝えられました。正しい知識に基づき、自分の外見を守る術を身につけることは、日常の不安を払拭し、自分らしさを取り戻して前向きに病に立ち向かうための「心のバリア」、そして「自分を守るお守り」になるというメッセージは、きっと参加者の心に深く届いたことでしょう。
参加者の声:自分を大切にする時間と、前向きな気持ち
セミナー終了後、AYA世代の参加者からは、たくさんの温かい感想が寄せられました。
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「治療で肌や顔の変化が気になっていたけど、日常の中で自分でケアできる方法を知ることができて安心した!」
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「仕事や外出前にも取り入れられそうな内容で、無理なく続けられそうだと感じた!」
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「肌の基本を改めて学べたことで、これまで不安だったスキンケアに自信が持てた!」
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「楽しみながら参加できて、改めて自分の体を大切にしようと思えた!」
そして、特に印象的だったのは、心の変化に関する声です。
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「自分を大切にする時間をもてて、鏡を見ることが少し楽しみになった!」
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「同じように治療を経験した同世代の方々が前向きに日常を送っている姿を見て、これからの生活に希望が持てた!」
など、今後の生活や自分自身に前向きな変化を感じた様子がうかがえる声がたくさん集まりました。一人で抱え込まず、同じ境遇の人と出会い、専門家から具体的なアドバイスをもらうことで、こんなにも気持ちが軽くなり、希望が持てるようになるんですね。
第一三共ヘルスケアの取り組み:QOL向上を支える「肌ケアセミナー」
第一三共ヘルスケアは、がん治療中の患者さんに寄り添う取り組みとして、2022年から定期的に「肌ケアセミナー」を実施しています。このセミナーでは、治療によって生じやすい肌トラブルや外見の変化について、看護師やアピアランスケアの専門家などによる講義と実践を通じて、日常生活に取り入れやすいケア方法を伝えています。
同社の調査では、肌ケアを行って効果を実感した方の約8割が「気持ちが前向きになる」などの心理的変化を感じたことが分かっています。この活動を通じて、一人でも多くのがん患者さん・サバイバーの皆さんが、自分らしく過ごせる後押しとなることを目指しているとのことです。
- がん罹患経験のある働く女性を対象にした「がん治療中の肌ケアに関する意識調査」の詳細はこちら
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000138832.pdf
第一三共ヘルスケアは、第一三共グループの企業理念である「多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」という考えのもと、OTC医薬品だけでなく、スキンケアやオーラルケアへと事業領域を広げています。コーポレートスローガン「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」の実現に向けて、自分自身で健康を守り対処する「セルフケア」を推進し、誰もがより健康で美しくあり続けることのできる社会の実現に貢献しています。
もしあなたが、今、肌トラブルや外見の変化で悩んでいるなら、一人で抱え込まず、今日紹介したようなケアのヒントや、同じ悩みを抱える仲間、そして専門家のサポートをぜひ活用してみてください。きっと、あなたの毎日がもっと輝き始めるはずです。
