一人で抱え込まないで。口唇口蓋裂の悩みを共有する場
口唇口蓋裂は、生まれた直後からずっと治療が必要な疾患です。ただ機能面を治すだけでなく、日常生活や社会との関わりの中で、いろいろな課題に直面することがあります。治療は病院で行われるけれど、心の中で感じる悩みや葛藤を打ち明けられる場所って、なかなか見つからないものですよね。
今回のフォーラムは、まさにそんな当事者同士が「ここでなら話せる」と安心して対話できる場所を作ることを目指して開催されました。18名の方が参加し、みんなで積極的に意見を交わしたそうです。
「なぜ私たちは顔に囚われるのか」心に響く問いかけ
フォーラムのテーマは「なぜ私達は顔に囚われるのか」という、とても深く、そして多くの人が共感する問いでした。

学業のこと、お仕事のこと、恋愛や結婚のことなど、人生のあらゆる場面で感じる葛藤について、参加者それぞれが自身の経験をもとに語り合いました。この場は、治療法を提案するのではなく、お互いの話を聞き、理解し合うことを大切にした交流の場だったんです。
医療機関の中で当事者会が開かれることは、医療と社会をつなぐ大切な取り組みですよね。これによって、口唇口蓋裂に対する社会の理解もきっと深まっていくことでしょう。
専門家からの視点と、長期的な治療の意味
フォーラムでは、歯学博士の古郷 幹彦 先生(大阪大学名誉教授、医誠会国際総合病院歯科口腔外科)が「各分野で考える口唇口蓋裂」というテーマで講演されました。

先生は、機能的な問題に対する医療的な治療と、見た目に関する悩みとの違いについてお話しされたそうです。医療は機能の回復を目指して進められますが、最終的に「これで満足!」と思えるかどうかは、一人ひとり違うもの。その人自身の気持ちがとても大切なんだと教えてくれました。
口唇口蓋裂の治療は、生まれたばかりの赤ちゃんから大人になるまで、本当に長い期間にわたります。そして、医療者だけで全てが完結するものではありません。患者さん自身が、自分の人生をどう受け止めていくかという視点も、とても重要なんだと改めて共有されました。
質疑応答やトークタイムでは、参加者から率直な質問や体験談が寄せられ、古郷先生をはじめ、医療スタッフやピアサポートのメンバーが、一つひとつ丁寧に答えてくれました。
心強いピアサポートと多職種連携の輪
このフォーラムには、NPO法人笑みだち会の代表である小林 えみかさんと、副代表のYOUさんがピアサポートとして参加されました。同じ経験を持つ方々がいるというのは、本当に心強いことですよね。
さらに、医誠会国際総合病院からは言語聴覚士や臨床心理士も加わり、様々な専門職の人が集まって、参加者の方々の交流を支えていました。多角的な視点からサポートしてくれる体制は、当事者の方々にとって大きな安心につながるはずです。
医誠会国際総合病院の包括的なサポート体制
医誠会国際総合病院の歯科口腔外科では、口腔外科医だけでなく、矯正歯科医、補綴歯科医、言語専門の歯科医師が、同じ診療室で一貫した治療を提供しています。生まれたばかりの頃から、成長に合わせてずっと治療を続け、長期的に見守ってくれる体制が整っているんです。
言語聴覚士もいるので、言葉に関する訓練が必要な場合も安心です。このように、様々な専門家がチームになって、一人ひとりに寄り添ったサポートをしてくれるのは、本当に心強いですよね。
歌に込められた思い、そしてつながり
講演や質疑応答の後は、YOUさんによる弾き語り「鼻曲がりと言われた少年の歌」が披露されました。歌は、言葉では伝えきれない思いを届けてくれます。この歌を通じて、参加者同士がさらに心を通わせ、共通の経験を持つ仲間として理解を深める、そんな温かい時間になったことでしょう。
医誠会国際総合病院は、単に医療を提供するだけでなく、このような対話の場を通じて、口唇口蓋裂の当事者の方々の心に触れる取り組みを続けています。一人で悩みを抱え込まず、同じ経験を持つ仲間や、寄り添ってくれる専門家がいることを知る。そして、つながりを感じられる場所があること。それが、きっと未来への希望につながるはずです。
関連情報
口唇口蓋裂については、以下の動画でも詳しく説明されています。具体的なURLは記載されていませんが、興味があれば検索して見てみるのも良いかもしれません。
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口唇口蓋裂の基礎知識と治療・ケアを学ぶ 第1回~口唇口蓋裂の基礎と口唇裂の手術~【教えて医誠会】(5分52秒)
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【第188回】きれいに治す! 口唇口蓋裂の基礎知識と治療(24分40秒)
詳細については、笑みだち会ホームページもぜひご覧ください。
