あなたのニキビ跡、どのタイプ?3つのニキビ跡を知ろう

ニキビ跡は、その見た目や原因によって主に3つのタイプに分けられます。まずは自分のニキビ跡がどのタイプに当てはまるのかを知ることが、効果的な治療への第一歩です。

1. クレーター(萎縮性瘢痕)

「クレーター」とは、ニキビの炎症がひどかった場合に、皮膚の深い部分(真皮層)が破壊されてしまい、コラーゲン組織が失われることでできる「凹み」のことです。まるで月の表面のクレーターのように見えることから、この名前がついています。

クレーターには、さらに「アイスピック型(深く狭い凹み)」「ボックスカー型(角ばった凹み)」「ローリング型(なだらかな波状の凹み)」の3つのサブタイプがあります。これらはセルフケアで改善するのが非常に難しく、専門的な治療が必要になるケースがほとんどです。

2. 赤み(炎症後紅斑)

ニキビの炎症が治まった後に、その部分が赤く残ってしまうのが「赤み」です。これは、炎症によって毛細血管が拡張したり、新しく増えたりすることが主な原因です。時間が経てば自然に薄くなることもありますが、数ヶ月から1年以上続くこともあります。早めに適切なケアをしないと、なかなか消えずに悩みの種となってしまうことがあります。

3. 色素沈着(PIH:炎症後色素沈着)

ニキビの炎症が治まった後、茶色いシミのような跡が残るのが「色素沈着」です。これは、炎症によってメラニン色素が過剰に作られてしまい、皮膚に蓄積されることで起こります。時間とともに少しずつ薄くなることもありますが、紫外線対策を怠ると悪化したり、なかなか改善しなかったりすることもあります。

驚きの調査結果!8割が知らないニキビ跡治療の真実

医療法人社団鉄結会 アイシークリニックが、ニキビ跡に悩む20〜40代の男女300名を対象に行った調査で、多くの人がニキビ跡治療に関して誤解を抱いている実態が明らかになりました。

1. 多くの人がクレーターに悩んでいた

「あなたが最も気になるニキビ跡のタイプはどれですか?」という質問に対し、最も多かった回答は「クレーター(凹み)」で41.7%でした。次いで「赤み」が29.0%、「色素沈着(茶色いシミ)」が24.3%と続き、肌の凹凸だけでなく、色に関する悩みも深刻であることがうかがえます。

2. 74.3%がタイプ別の最適治療法を知らなかった

「ニキビ跡のタイプによって最適な治療法が異なることをご存知でしたか?」という質問では、「あまり知らない」が38.0%、「全く知らなかった」が36.3%と、合わせて74.3%もの人がタイプ別の治療法について正確な知識を持っていなかったことが判明しました。この認知不足が、効果の出にくいセルフケアを続けてしまう原因になっていると考えられます。

タイプ別治療法の認知度

3. 68.3%がセルフケアを優先、医療機関受診は少数派

ニキビ跡改善のために「これまで試したことがあるもの」として、最も多かったのは「市販のスキンケア製品」で38.7%でした。次いで「美顔器・家庭用美容機器」が17.0%と、約7割の人がまずはセルフケアを試していることが分かります。一方、「皮膚科・美容皮膚科受診」は17.7%にとどまりました。

ニキビ跡ケアで試した方法

4. セルフケア経験者の82.4%が「効果なし」

セルフケアを試した人に「ニキビ跡の改善効果をどの程度実感できましたか?」と尋ねたところ、「あまり変わらなかった」が47.7%、「全く変わらなかった」が34.7%と、合わせて82.4%もの人が十分な効果を実感できなかったと回答しました。特にクレーターのように真皮層にまで及ぶニキビ跡は、セルフケアでの改善が難しいことが浮き彫りになりました。

セルフケアの効果実感度

5. 皮膚科受診者の89.0%が「もっと早く来ればよかった」と後悔

皮膚科を受診した経験がある人に「受診のタイミングについてどのように感じていますか?」と聞いたところ、なんと89.0%もの人が「もっと早く来ればよかった」と回答しました。これは、セルフケアに時間や費用をかけたものの効果が得られず、最終的に専門医に頼った結果、早期受診の重要性を痛感した人が多いことを示しています。

受診タイミングへの後悔

あなたのニキビ跡に最適な治療法はこれ!

調査結果から、ニキビ跡のタイプを正しく理解し、それに合った治療法を選ぶことの重要性が明らかになりました。ここでは、タイプ別の最適な治療法と、その特徴を具体的にご紹介します。

比較項目 クレーター(萎縮性瘢痕) 赤み(炎症後紅斑) 色素沈着(PIH)
主な原因 真皮層のコラーゲン破壊 毛細血管の拡張・増生 メラニン色素の過剰産生
推奨治療法 フラクショナルレーザー・ダーマペン・サブシジョン 血管系レーザー・IPL・外用薬 ピーリング・トレチノイン・ハイドロキノン・レーザートーニング
改善期間目安 6ヶ月〜1年以上 3〜6ヶ月 3〜12ヶ月
治療回数目安 5〜10回 3〜5回 3〜6回
費用目安(1回) 2〜5万円 1〜3万円 5千〜2万円
セルフケアでの改善 困難 やや困難 軽度なら可能

※一般的な目安であり、個人差があります。

クレーターには「真皮層にアプローチする治療」

クレーターは皮膚の深い部分がダメージを受けているため、表面的なケアでは改善が難しいです。真皮層に働きかけてコラーゲンの再生を促す治療が効果的です。

  • フラクショナルレーザー: 皮膚に微細な穴を開けて熱損傷を与え、コラーゲンの生成を促進します。周囲の正常な組織を残しながら治療するため、ダウンタイムを抑えつつ効果が期待できます。

  • ダーマペン: 微細な針で皮膚に無数の小さな穴を開け、肌の自然治癒力を高めてコラーゲンやエラスチンの生成を促します。

  • サブシジョン: 特に深いクレーターに対して、皮膚の線維組織を物理的に剥がし、凹みを持ち上げる治療法です。

赤みには「血管にアプローチする治療」

赤みの原因は毛細血管の拡張や増生なので、血管に直接作用する治療が効果的です。

  • 血管系レーザー: 赤い色素に反応するレーザーを照射し、拡張した毛細血管を破壊することで赤みを改善します。

  • IPL(光治療): さまざまな波長の光を照射し、赤みの原因となる血管や色素にダメージを与えます。

  • 外用薬(アゼライン酸など): 炎症を抑えたり、毛穴の詰まりを改善したりする効果が期待できます。

色素沈着には「メラニンにアプローチする治療」

色素沈着はメラニン色素が原因なので、メラニンを排出したり、生成を抑えたりする治療が効果的です。

  • ピーリング: 古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進することで、蓄積されたメラニン色素の排出を助けます。

  • トレチノイン・ハイドロキノン外用: トレチノインは肌のターンオーバーを強力に促進し、ハイドロキノンはメラニン生成を抑える効果があります。

  • レーザートーニング: 低出力のレーザーを繰り返し照射することで、メラニン色素を少しずつ分解し、色素沈着を薄くします。

医師からのアドバイス:早期治療と継続がカギ

皮膚科・形成外科領域で豊富な臨床実績を持つアイシークリニックの髙桑康太医師は、ニキビ跡治療において最も重要なのは「自分のニキビ跡のタイプを正確に把握すること」だと強調します。

「15年以上の臨床経験から、ニキビ跡はタイプによって最適な治療法が全く異なります。誤った方法を続けても改善は期待できません。例えば、クレーターは真皮層のコラーゲンが破壊されたものなので、表面的なスキンケアでは根本的な改善は難しいです。フラクショナルレーザーやダーマペンなど、真皮に作用してコラーゲン再生を促す治療が効果的です。」と髙桑医師は説明します。

また、赤みについては「毛細血管の拡張が原因の『炎症後紅斑(PIE)』には、血管をターゲットとしたレーザー治療やIPLが効果的です。美白化粧品はメラニンには作用しますが、血管には効果が限定的です」と、タイプに合わせた治療の重要性を説きます。

色素沈着に関しても、「炎症後色素沈着(PIH)はメラニン産生が原因ですが、軽度であれば美白剤やピーリングで改善できることもあります。しかし、深い層に沈着した場合はレーザートーニングなどの医療機器による治療が効果的です」と、治療選択のポイントを解説しています。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン」でも、ニキビ跡の種類や深さに応じた適切な治療法の選択が推奨されており、特にクレーターに対してはフラクショナルレーザーなどの治療が選択肢として示されています。これは、専門家による診断と治療の根拠となるものです。

治療効果を高める3つのポイント

ニキビ跡治療の効果を最大限に引き出すためには、いくつかの大切なポイントがあります。

  1. 早期治療開始: ニキビ跡は時間が経つほど皮膚に定着し、改善が難しくなる傾向があります。「もっと早く来ればよかった」と後悔する人が多いのもそのためです。気になるニキビ跡ができたら、早めに専門医に相談しましょう。
  2. 継続治療: 1回の治療で劇的な改善を期待するのは難しいです。ほとんどのニキビ跡治療は、複数回の継続的な治療によって徐々に効果が現れます。医師と相談して、治療計画をしっかり立てることが重要です。
  3. 日焼け対策: 治療中はもちろん、治療後の肌は非常にデリケートです。紫外線を浴びると、色素沈着のリスクが高まったり、治療効果が薄れてしまったりすることがあります。日焼け止めを毎日しっかり塗るなど、徹底した紫外線対策を心がけましょう。

こんな時は専門医に相談を!受診のタイミング目安

「いつ皮膚科に行けばいいんだろう?」と迷ってしまう人もいるかもしれません。以下のような場合は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。

  • ニキビ跡が3ヶ月以上経ってもなかなか改善しない場合

  • 触ると凹凸があるクレーター状のニキビ跡が見られる場合

  • 赤みや色素沈着が広範囲に及んでいる、または濃くなってきたと感じる場合

  • 市販のスキンケア製品やセルフケアで効果を実感できない場合

  • ニキビ跡が気になって、精神的なストレスを感じている場合

よくある質問(Q&A)

ニキビ跡治療について、よくある疑問にお答えします。

Q1. クレーターは市販品で治せますか?

A. 残念ながら、市販のスキンケア製品でクレーター状のニキビ跡を根本的に改善することは非常に困難です。今回の調査でも、セルフケアで十分な効果を実感できた人はわずか17.6%にとどまりました。クレーターは真皮層のコラーゲンが失われた状態であり、表面に作用する化粧品では構造的な改善は望めません。フラクショナルレーザーやダーマペンなど、真皮に作用する医療機関での治療が効果的です。

Q2. ニキビ跡の赤みは時間が経てば消えますか?

A. 軽度な赤みであれば、数ヶ月から1年程度で自然に薄くなることもあります。しかし、長期間続く場合は、毛細血管の拡張が持続している可能性が高いです。調査では74.3%が「タイプ別の治療法を知らなかった」と回答しており、赤みに対して美白化粧品を使用している方も少なくありません。血管系レーザーやIPL治療など、適切な医療機関での治療を受けることで、改善期間を大幅に短縮できるでしょう。

Q3. ダーマペンとフラクショナルレーザーはどちらがいい?

A. クレーターの深さや範囲、そして治療後のダウンタイム(回復期間)をどの程度許容できるかによって、最適な選択は異なります。ダーマペンは微細な針で真皮を刺激し、コラーゲン再生を促す治療で、比較的ダウンタイムが短い特徴があります。一方、フラクショナルレーザーはより深い層まで作用するため、深いクレーターに効果的ですが、数日間の赤みや腫れが生じることがあります。皮膚科医があなたの瘢痕の状態を診断した上で、最適な治療法を提案してくれるはずです。

Q4. ニキビ跡治療は何回くらい通う必要がありますか?

A. ニキビ跡のタイプや重症度によって異なりますが、一般的な目安としては、クレーターは5〜10回、赤みや色素沈着は3〜6回程度の治療が必要となることが多いです。クレーターは改善に6ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。今回の調査で皮膚科受診者の89.0%が「もっと早く来ればよかった」と回答しているように、早期に治療を開始するほど、必要な回数が少なくなる可能性もあります。

Q5. ニキビ跡治療中に気をつけることはありますか?

A. 治療効果を高め、肌トラブルを防ぐために、以下の3つのポイントに気をつけましょう。

  1. 紫外線対策: 治療中の肌は敏感になっているため、日焼け止めの使用が必須です。紫外線を浴びると色素沈着のリスクが高まります。
  2. 保湿ケア: 十分な保湿を行い、肌のバリア機能を維持することが治療効果を高めます。
  3. 活動性ニキビの予防: 新しいニキビができると、それが新たなニキビ跡の原因となるため、治療と並行してニキビ予防も重要です。

放置するとどうなる?ニキビ跡を放っておくリスク

「いつか治るだろう」とニキビ跡を放置してしまうと、以下のようなリスクがあります。

  • クレーター: 放置すると皮膚の組織が固定化し、治療効果が得られにくくなる可能性があります。

  • 赤み: 毛細血管の拡張が定着し、改善にさらに時間がかかるようになることがあります。

  • 色素沈着: 紫外線により悪化・定着しやすく、セルフケアだけでは改善が非常に難しくなります。

  • 症状の悪化: 誤ったセルフケアを続けることで、かえって症状が悪化したり、新たなニキビ跡が増えたりする可能性もあります。

最後に:一人で悩まず、専門医に相談しよう

今回の調査からもわかるように、ニキビ跡に悩む多くの人が、最適な治療法を知らないままセルフケアに頼り、効果を実感できていません。しかし、ニキビ跡は適切な診断と治療によって改善が期待できるものです。

「クレーターがある」「赤みや色素沈着が広範囲に及ぶ」「セルフケアでは効果がない」と感じたら、ぜひ一度、皮膚科医や美容皮膚科医に相談してみてください。専門家があなたのニキビ跡のタイプを正確に診断し、最適な治療法を提案してくれるはずです。

ニキビ跡の悩みから解放され、自信を持って笑顔になれる日が来ることを願っています。

診療予約はこちらから