鳥取大学医学部附属病院、「赤ちゃんの頭のかたち外来」を1月8日開設

鳥取大学医学部附属病院は、2026年1月8日より「赤ちゃんの頭のかたち外来」を開設することを発表しました。この外来は、山陰地方で初めて乳児の頭蓋変形を専門的に扱うもので、脳神経外科、小児科、そして全国的にも珍しい脳神経小児科の三科が連携する高度な専門体制が構築されています。

三科連携による専門的アプローチ

本外来では、初診時に脳神経外科医が頭蓋縫合早期癒合症などの病的頭蓋変形と、向き癖などに起因する位置的頭蓋変形を鑑別します。その後、小児科および脳神経小児科が発達発育のチェックを行い、必要な検査と説明を経て、ホームケア、理学療法、ヘルメット治療などの選択肢を段階的に提供します。特に、頭蓋矯正ヘルメットを用いた治療が必要な場合には対応します。この三科連携により、単なる形状矯正にとどまらず、乳幼児期の発達を多角的に見守る体制が実現されています。

外来開設の背景と地域医療への貢献

近年、赤ちゃんの頭のゆがみに対する保護者の関心が高まっていますが、地域によっては専門的な相談先が限られ、県外受診による負担やSNS上の不確かな情報による不安が社会課題となっています。鳥取大学医学部附属病院は、山陰地方の基幹病院として、脳神経外科領域の高度な知見に基づいた専門外来を開設することで、これらの課題の解消を目指します。これにより、山陰エリアのどこに住んでいても、適正な医療情報と質の高い治療にアクセスできる体制の整備が期待されます。

地域連携および医療従事者向けの啓発活動

外来開設に先立ち、2025年12月17日には「山陰小児頭のかたちセミナー2025」が開催されました。このセミナーには、山陰エリアの小児科医を中心に、看護師、助産師、産科医など多職種の医療従事者約150名が参加し、乳児の頭のかたちに関する相談や受診導線の整備、保護者への説明方法について理解を深めました。この活動は、地域全体で「適正な頭蓋健診」を支えるネットワークの構築に貢献しています。

診療体制の特長

鳥取大学医学部附属病院の「赤ちゃんの頭のかたち外来」は、以下の特長を有しています。

  • 【全国的にも稀少】脳神経外科・小児科・脳神経小児科による三科連携体制
    外科的判断を行う脳神経外科医に加え、小児科、そして発達の専門家である脳神経小児科が連携し、多角的な視点から乳幼児期の発達を見守ります。

  • 【圧倒的な地域支持】150名超が参加した「山陰小児頭のかたちセミナー2025」の開催
    地域医療における頭蓋健診の「均てん化」を推進するため、地域の医療従事者へ向けた専門セミナーが開催され、広範な支持を得ました。

  • 【診療支援を院内で完結】ヘルメット治療サポートスペシャリストによる支援体制
    ジャパン・メディカル・カンパニー製の頭蓋矯正治療用ヘルメットを用いた治療が可能であり、同社の専門スタッフが医師と連携し、院内でヘルメットの調整等を行い、治療期間中のサポートを提供します。

  • 【最高の安心】地域の中核医療機関としての役割に基づく、相談先の拡充
    鳥取県内の特定機能病院として、山陰エリアにおける乳児頭蓋変形の相談・受診導線の整備に寄与し、地域住民に安心を提供します。

一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構の認定について

鳥取大学医学部附属病院は、一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構の「認定治療医療機関」として認定されています。この認定は、頭蓋健診およびヘルメット治療の質を確保するため、以下の要件を満たす医療機関に与えられます。

  • 所属する医師が機構の認定研修を受講し、認定試験に合格していること

  • 頭蓋健診と頭蓋矯正治療を行う大学病院・こども病院の実地見学を行うこと

  • 鑑別診断に必要なエックス線等の設備を保有していること

同機構は、X線(レントゲン)やCTによる適正な頭蓋健診で病的要因を除外したうえで、必要な場合のみヘルメット治療を導入することを推奨しており、鳥取大学医学部附属病院はこれらの基準に則った「頭のかたち外来」と「適正なヘルメット治療」を提供します。

関連サイト:
一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構

鳥取大学医学部附属病院について

鳥取大学医学部附属病院ロゴ

鳥取大学医学部附属病院は、山陰地域における高度医療の提供、医学教育・研究の中核を担う大学病院です。「地域と歩む高度医療の実践」を理念に掲げ、地域医療への貢献に取り組んでいます。1994年10月1日には「特定機能病院」として承認され、専門性の高い医療提供体制を整備しています。

担当医師からのコメント

本外来の開設にあたり、担当医師からコメントが寄せられています。

黒崎雅道先生
黒崎雅道先生(鳥取大学医学部附属病院 副病院長 脳神経外科科長 教授)
「これまで鳥取県では『赤ちゃんの頭のかたち外来』がなく、乳幼児がヘルメット治療を受けることができませんでした。山陰地方においてもヘルメット治療を提供できる診療体制の構築が必要と考え、この度当院において『赤ちゃんの頭のかたち外来』を開設いたしました。小児科や脳神経小児科の先生方とも密に連携を取りながら、他科多職種で協力し、最善の治療を提供いたします。お子さんの頭のかたちが気になるお父さん、お母さんは気軽に脳神経外科外来を受診してください。」

吉岡裕樹先生
吉岡裕樹先生(鳥取大学医学部附属病院 脳神経外科 助教)
「山陰鳥取における適切な頭のかたち診療を目的に本外来を進めることで、新生児・小児領域の多職種とともに、赤ちゃんの発達支援の一つにしていきたいと思っています。ヘルメットの押し売りはありません。それ以前に理学指導で自然改善を目指すのが最初のステップです。まず相談にいらしてください。」

高田康平先生
高田康平先生(鳥取大学医学部附属病院 脳神経外科)
「微力ながら適切な頭のかたち診療に携わらせていただきます。」

製品情報:Qurum Fit(クルムフィット)について

Qurum Fitヘルメットを被った赤ちゃん

本外来で用いられる頭蓋矯正ヘルメット「Qurum Fit(クルムフィット)」は、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーが脳神経外科、小児科、新生児科、小児外科、形成外科の専門医と共同開発した日本製ヘルメットです。最先端の3Dプリンタ技術を駆使して製造され、高い通気性と水洗い可能なクッションにより、快適性と衛生面を両立しています。この製品は、シンガポールのKK Women’s and Children’s Hospitalでも採用されています。

ジャパン・メディカル・カンパニーは、治療の安全性と信頼性を確保するため、製品を取り扱う医師に対し、一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構認定の研修会への参加や、先行施設での実地見学を必須としています。これにより、親御さまが安心して頭蓋健診やヘルメット治療を受けられる環境を提供しています。
Qurum Fit製品情報

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

ジャパン・メディカル・カンパニーロゴ

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリンティング技術を活用し、医療の革新を目指すものづくりベンチャー企業です。1897年創業の鉄鋼メーカーを前身とし、長年にわたり培われたものづくりの技術と精神を基盤に成長を続けています。2012年には初の国産頭蓋矯正ヘルメット「Aimet」を開発し、2018年に独立しました。現在は「Qurum Fit」「Qurum」などの頭蓋矯正用ヘルメットや関連アプリの開発・製造・販売を行い、医療分野における新たな価値創出に取り組んでいます。累計症例数は20,000症例以上で、ヘルメット治療の認知拡大と疾病啓発の普及に努めています。
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー