命に関わる「DIC」ってどんな病気?

突然ですが、「DIC(播種性血管内凝固症候群)」という病気をご存じでしょうか?この病気は、私たちの体の中で血液を固める働きと、固まった血液を溶かす働きがバランスを崩してしまうことで起こる、とても深刻な状態なんです。例えるなら、体の中で勝手に「血栓(けっせん)」という血の塊がたくさんできてしまい、同時にあちこちで出血も止まらなくなるようなイメージです。この状態が続くと、臓器の機能が低下したり、大量の出血が起こったりして、命に関わることも少なくありません。

DICは、感染症やがん、大きなケガ、出産時の合併症など、さまざまな病気や状態をきっかけに発症します。そのため、患者さん一人ひとり、原因も経過も大きく異なり、病状も刻一刻と変化していきます。この複雑さが、DICの診断や治療を非常に難しくしている大きな理由です。

専門医の知見が、DIC治療のカギを握る

このような難しいDICの診療において、経験豊富な専門医の知見はとても重要です。しかし、専門医の先生がどこにでもいるわけではありませんし、地域や医療機関の体制によっては、すぐに専門医に相談できないこともあります。これが、DIC診療における課題の一つでした。

そんな課題を解決するため、株式会社Mediiと旭化成セラピューティクス株式会社が手を取り合い、DICの早期診断と最適な治療を目指す取り組みを2026年6月1日よりスタートさせました。

Mediiと旭化成セラピューティクスのロゴ

「Medii Eコンサル」で、専門医の知見が身近に

今回の協業の大きな柱となるのが、Mediiが運営する医師向けの専門医相談サービス「Medii Eコンサル」です。このサービスの中に、DICに特化したエキスパート専門医のチームによる症例相談窓口が設けられています。

「Medii Eコンサル」は、全国の主治医の先生が、オンラインで専門医の先生に個別の症例について相談できる画期的なサービスです。今回の協業では、このDIC症例相談窓口の活用をさらに推進し、DIC診療に役立つさまざまなコンテンツを配信することで、DICの診断啓発活動を共同で実施していきます。これにより、地域や医療体制に関わらず、より多くの医療現場で専門医の先生方の知見に迅速にアクセスできる環境を整え、DIC診療の質向上と治療の最適化に貢献することを目指しています。

DIC症例相談窓口はこちら

医師の先生方はぜひご活用ください。

※このサービスは医師専用で、利用には会員登録が必要です。会員登録およびサービスの利用はすべて無料です。また、Medii Eコンサルは、医師間の情報共有を目的としたものであり、診断や治療の有効性や安全性を保証する医療機器ではありません。

どんな先生が相談に乗ってくれるの?

現在、DICエキスパート専門医チームには、以下のような先生方が参加しています(2026年5月20日時点)。

  • 関 義信 先生(新潟大学医歯学総合病院 血液内科 特任教授/新潟県立がんセンター新潟病院 血液内科 臨床部長)

  • 和田 英夫 先生(三重県立総合医療センター 中央検査部副部長 兼 研究センター副センター長/三重大学医学部分子病態学講座 客員教授)

今後も、救急科や産婦人科など、DICと関連の深い様々な領域のエキスパート専門医の先生方がチームに加わる予定です。これにより、さらに多角的な視点からのアドバイスが期待できますね。

相談窓口の信頼性について

「Medii Eコンサル」は、Mediiが開発・運営する、主治医とエキスパート専門医をつなぐコミュニケーション基盤です。主治医からの相談に対する回答は、各エキスパート専門医の先生方が、ご自身の独立した医学的見地に基づいて行うものです。Mediiや旭化成セラピューティクスを含む取引先の意向に左右されることはなく、特定の治療法や検査などが不適切に推奨されることもありません。患者さんにとって最も良い医療が提供されるよう、中立性と独立性がしっかりと保たれていますのでご安心ください。

今回協業する2つの会社をご紹介

旭化成セラピューティクス株式会社とは

旭化成グループは、2025年度から始まった『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』で、医薬事業を「重点成長」事業と位置づけています。その中核を担うのが、2026年4月1日に社名を「旭化成セラピューティクス」に変更した旭化成ファーマです。

新しい社名には、「医薬品を提供するだけでなく、患者さん一人ひとりの目線に立ち、“治療(セラピューティクス)”というより大きな概念と向き合うことで、いまだ満たされていない医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)を解決し続けていく」という使命と決意が込められています。革新的な医療価値を創出し、人々の健康と社会の持続的な発展に貢献していくことを目指している会社です。

株式会社Mediiとは

Mediiは「誰も取り残さない医療を」という素晴らしいミッションを掲げ、希少疾患やがんなど、診断や治療が特に高度な技術を要する分野の医療課題解決に取り組んでいます。

医師の先生方には、医学調査に最適なAIで効率的にエビデンスを調べられる「Medii Q」と、複雑な個別症例について経験豊富な専門医に相談できる「Medii Eコンサル」を完全無料で提供しています。これにより、より良い医療の意思決定を支援しているのです。

これらのサービスは、製薬企業向けのソリューション事業によって支えられており、疾患の診断率向上や治療選択の最適化を目指した多様なプロジェクトが推進されています。Mediiは、主治医、エキスパート専門医、製薬企業、そして患者さん、すべての人に価値をもたらす、持続可能な新しい医療インフラを構築しようとしています。

この協業がもたらす、DIC患者さんへの希望

DICは、その診断や治療の難しさから、患者さんやご家族にとって大きな不安を伴う病気です。しかし、今回のMediiと旭化成セラピューティクスによる協業は、そんな不安を少しでも和らげ、より良い医療につながる大きな一歩となるでしょう。

オンラインで専門医の知見にアクセスできる環境が広がることで、これまで専門医の少ない地域で診療を受けていた患者さんも、間接的ではありますが、全国トップレベルの専門医の先生方の知識や経験に基づいた、より質の高い診断・治療を受けられる可能性が高まります。

病状が刻々と変化するDICにおいて、迅速かつ的確な判断は治療の成否を分けます。主治医の先生が、困った時にすぐに専門医に相談できる「Medii Eコンサル」のようなサービスは、まさに命綱とも言える存在です。これにより、DICと闘う患者さんにとって、より安心できる医療環境が整っていくことを期待しています。

この取り組みが、一人でも多くのDIC患者さんの命を救い、より良い未来へとつながることを心から願っています。