超高齢社会の課題:増える「お一人さま」と医療・福祉の壁

「お一人さま」の皆さんが直面する問題は、決して他人事ではありません。特に病気になった時や、介護が必要になった時に大きな壁となるのが、「身元保証人」と「医療費・利用料」の問題です。

病院や施設では、入院や入所の際に身元保証人を求められることがよくあります。これは、緊急時の連絡先や意思決定、医療費・利用料の支払い保証といった役割を担ってもらうためです。しかし、身寄りのない「お一人さま」の場合、この身元保証人を見つけるのが非常に難しいのが現状です。結果として、入院や施設への入所を断られてしまうケースも少なくありません。

また、もし受け入れられたとしても、病院や施設側は医療費や利用料の滞納といったリスクに頭を悩ませています。これは、病院経営を圧迫するだけでなく、最終的には医療サービスの質の低下にもつながりかねない深刻な問題です。

このような状況は、「お一人さま」を社会から孤立させてしまう原因にもなります。病気や高齢で体が思うように動かなくなっても、相談できる人がいない、支援を受けられないといった状況は、心身ともに大きな負担となってしまいます。

日本の医療の未来を考える会

「日本の医療の未来を考える会」が開催した勉強会

このような「お一人さま」が抱える課題に対し、社会全体でどう向き合っていくべきか。「日本の医療の未来を考える会」は、2026年3月18日(水)に第96回勉強会を開催し、「今、病院に求められる『お一人さま患者支援』」というテーマで深く議論しました。

この勉強会では、主に福祉の面から身寄りのない人への支援について研究されている、日本福祉大学福祉経営学部教授の藤森克彦氏が講演を行いました。藤森教授は、お一人さま支援の現状の課題や、今後どのような対策が必要になるのかについて、専門的な見地から解説されました。

藤森克彦教授の講演風景

国や自治体も、この問題に対して新たな制度の創設などを検討していますが、公的な支援だけではカバーしきれない部分がある、という指摘も出ています。だからこそ、医療機関や地域、そして私たち一人ひとりが、この問題に目を向け、協力していくことが大切なんですね。

この勉強会の詳しい内容は、月刊『集中』5月号(2026年4月30日発行)に事後報告記事として掲載されています。もし、もっと詳しく知りたいと感じたら、ぜひ手に取ってみてください。

支援の動きや情報源

「日本の医療の未来を考える会」は、国会議員や病院経営者、大学医学部教授、医師、医療関連企業の部長職以上の方々を対象に、毎月医療に関する幅広いテーマで勉強会を開催しています。有識者による講演と自由な意見交換を通じて、日本の医療の未来について真剣に考えている団体です。医療機関や官公庁、大学関係者は無料で参加できるとのことなので、関心のある方は、ぜひホームページをチェックしてみてください。

医療情報誌 月刊『集中』とは

月刊『集中』は、病院経営者や理事長、院長をはじめとする医療従事者の方々に特化した総合医療情報誌です。病院の経営戦略から厚生行政、医薬品・医療機器メーカーの動向、さらには国内外の政治や経済、社会・文化の情報まで、医療を取り巻く幅広い情報が網羅されています。一般の書店では手に入らない、定期購読による直販方式の専門誌です。

月刊『集中』2026年5月号表紙

この雑誌を読むことで、医療の最前線で何が議論されているのか、どのような課題があり、どんな解決策が模索されているのかを知ることができます。もし、医療の専門的な情報に触れたい、もっと深く知りたいという方は、定期購読を検討してみてはいかがでしょうか。

集中出版グループのその他の活動

集中出版株式会社は、月刊『集中』の発行だけでなく、多岐にわたる活動を行っています。

  • 「癒しと安らぎの環境」フォーラムの運営
    2002年から、「アートや音楽を取り入れることで医療施設を癒しと安らぎの環境に」という思いで活動しています。日野原重明先生を名誉会長に、建築家の安藤忠雄先生など、各界の著名人が参加。医療法人を顕彰する「癒しと安らぎの環境賞」や、医療従事者に感謝を伝える「医療集中大賞」を毎年開催しています。

  • University Cambridge Japan Consulting Supervisorによる日英医学交流
    2018年からは、英国ケンブリッジ大学と協力し、日英医学交流を開始しています。教育プログラムや留学支援などを通じて、国際的な視点での医療の発展にも貢献しています。2022年8月にはケンブリッジオフィスも開設され、活動の幅を広げています。

一人で抱え込まず、情報を集め、支援の輪を頼ろう

「お一人さま」が安心して生活し、必要な時に適切な医療や介護を受けられる社会を目指して、様々な取り組みが進められています。もしあなたが今、一人で病気や将来の不安を抱えているなら、どうか一人で抱え込まないでください。

今回の勉強会のように、専門家や関係者が真剣に議論し、解決策を探している動きが確実にあります。国や自治体の新しい制度、地域での見守り活動、そして民間団体による様々な支援サービスなど、きっとあなたを支える情報や手がかりが見つかるはずです。

まずは、この記事で紹介したような団体の情報に触れてみることから始めてみませんか。そして、身近な相談窓口や地域包括支援センターなど、専門家が相談に乗ってくれる場所もたくさんあります。勇気を出して一歩踏み出すことで、あなたの未来が少しでも明るくなることを心から願っています。

私たちは、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、これからもこうした情報をお届けしていきたいと思います。