テレワークで心と体が疲れていませんか?「光の環境」が解決の鍵かも!
「テレワークになってから、なんだか疲れが取れない」「夜なかなか眠れなくて、朝起きるのがつらい…」
もしあなたがそんな悩みを抱えているなら、このお話はきっと役に立つはずです。新型コロナウイルス感染症をきっかけに、私たちの働き方は大きく変わりました。テレワークが当たり前になった一方で、「生活リズムが乱れる」「仕事とプライベートの境目があいまいになる」といった健康面での心配も増えていますよね。
実は、東京医科大学と東京大学を中心とした共同研究で、テレワークを健康的に、そして生産的に続けるための大切なヒントが明らかになりました。その鍵は、意外にも「光の環境」にあるというんです。
テレワークと睡眠・メンタルヘルス、生産性の意外な関係
これまで、テレワークが私たちの睡眠や心の健康、仕事のパフォーマンスにどう影響するかを、詳しく調べた大規模な研究はあまりありませんでした。そこで、株式会社こどもみらいが提供するストレスチェックサービス「STRESCOPE」のデータを使って、23社・3,123名もの大規模な調査が行われたんです。
この研究では、2019年(コロナ前)と2020年(コロナ禍でテレワーク導入後)のデータを比較し、テレワークが始まる前と後で、人々の睡眠の質やスケジュール、ストレス、そして「プレゼンティーイズム」(体調が悪いのに無理して出勤・在宅勤務し、生産性が落ちている状態)がどう変化したかを分析しました。
テレワークには「良い面」と「悪い面」があった!
研究の結果、テレワークには睡眠に対して相反する二つの影響があることがわかりました。
まず「良い面」として、通勤時間がなくなったことで、平日の睡眠時間が平均で約13分も長くなったそうです。これは、睡眠の改善につながる嬉しい変化ですよね。
しかし、その一方で「悪い面」も。起床時間が平均で約19分遅くなるなど、私たちの体のリズム(体内時計)が後ろにずれてしまう「後退」が確認されました。睡眠リズムが乱れると、かえって睡眠の質が悪くなってしまうこともあります。

この良い面と悪い面が打ち消し合うため、平均的に見ると、テレワークは睡眠を良くも悪くもしていない、という結果になったんです。しかし、ここからが重要です。実は、睡眠の問題はストレスや仕事の生産性の低下に大きく関係していることが明らかになりました。
つまり、テレワークを健康的に、そして効率的に行うためには、「睡眠の管理」が非常に大切だということなんです。
テレワーク成功の鍵は「光の環境」にあった!
では、どうすれば睡眠を上手に管理できるのでしょうか?この研究で特に注目されたのが「睡眠衛生(光環境)」です。テレワークをしている人を「朝の光環境」と「就寝前のディスプレイ使用」の有無で比べてみたところ、驚くほどの違いが見えてきました。
朝の光が心と体をリフレッシュ!
朝に日光がしっかり入る明るい寝室で過ごしている人は、テレワークを始めてから、ストレスが減り、仕事の生産性も上がったことがわかりました。朝の光を浴びることで、心身ともに良い影響があったんですね。
逆に、朝の光が十分に足りない環境で過ごしているグループでは、睡眠リズムが後ろにずれてしまい、それに伴って睡眠の質が悪化。さらに、仕事の生産性も下がってしまう「プレゼンティーイズム」が悪化していることが確認されました。
夜のスクリーン制限で質の良い睡眠を
また、寝る前にスマートフォンやパソコンなどのディスプレイを使わないグループでも、睡眠の質が改善し、ストレスも減っていることがわかりました。夜遅くまで画面を見ていると、私たちの体は「まだ夜ではない」と勘違いしてしまうんですね。

この結果は、私たちが普段何気なく過ごしている「光の環境」が、テレワークにおける健康と生産性にどれほど大きな影響を与えているかを教えてくれます。
今日からできる!健康テレワークのための4つのポイント
この研究から、テレワークで心身を健康に保ち、仕事のパフォーマンスを上げるための具体的なヒントが見えてきました。病気で困っている方や、体調がすぐれないと感じている方も、ぜひ今日から試してみてください。
1. 睡眠時間をしっかり確保する
テレワークの最大のメリットの一つは、通勤時間がなくなることですよね。この浮いた時間をぜひ「睡眠」に回しましょう。平均で13分睡眠時間が伸びたという研究結果のように、少しの積み重ねが大きな違いを生みます。いつもより10分早く布団に入る、休日に寝だめするのではなく平日の睡眠時間を少しずつ増やす、といった工夫も効果的です。
2. 夜更かしを避け、睡眠リズムの後退を防ぐ
テレワークだと、ついつい夜遅くまで仕事をしたり、動画を見たりしてしまいがちです。しかし、これが睡眠リズムを乱す大きな原因になります。できるだけ毎日同じ時間に寝起きすることを心がけましょう。週末も、平日と大きく変わらない時間に起きるのが理想的です。
3. 朝の光(日光)をしっかり浴びる
これが、今回の研究で最も強調されたポイントです。朝の強い光は、私たちの体内時計をリセットする「Zeitgeber(時間合わせ信号)」と呼ばれています。多くのオフィスワーカーは通勤時に自然と太陽の光を浴びていましたが、テレワークではその機会が失われがちです。
-
カーテンをすぐに開ける: 朝起きたら、まずカーテンを開けて部屋に光を取り入れましょう。窓際にデスクを置くのもおすすめです。
-
ベランダや庭に出る: 数分でも良いので、外に出て新鮮な空気と太陽の光を浴びる習慣をつけてみてください。
-
朝の散歩: 短時間でもウォーキングをすると、光を浴びるだけでなく、軽い運動にもなります。
-
照明の工夫: 天候が悪い日や、どうしても外に出られない場合は、高照度の照明を活用するのも一つの方法です。ただし、専門的な製品もあるので、使用には注意が必要です。
朝の光を浴びることで、体は「活動の時間だ!」と認識し、体内時計が整いやすくなります。これは、日中の集中力アップや夜の質の良い睡眠につながります。
4. 夜寝る前のスマートフォン・PC・タブレット使用を控える
夜遅くまでパソコンで作業をしたり、ベッドでスマホをいじったりしていませんか?ディスプレイから出る光(特にブルーライト)は、私たちの体を「まだ昼間だ」と錯覚させ、眠りを誘うホルモンである「メラトニン」の分泌を抑えてしまいます。
-
寝る1~2時間前には使用を中止: 就寝の準備を始める頃には、画面を見るのをやめて、リラックスできる時間を作りましょう。
-
寝室に持ち込まない: 誘惑を断ち切るために、寝室には電子機器を持ち込まないルールを作るのも効果的です。
-
ブルーライトカット機能の活用: どうしても夜に画面を見なければならない場合は、ブルーライトカットフィルターを使ったり、デバイスの「ナイトモード」や「夜間モード」を活用したりしましょう。
-
読書や瞑想: 寝る前の時間は、紙媒体の本を読んだり、軽いストレッチや瞑想をしたりする時間にあててみてください。心身が落ち着き、スムーズに眠りに入れるようになります。
睡眠の改善は、心と体の健康に直結!
この研究が示す「テレワーク成功の秘訣」は、朝に強い光を浴びる環境を整えること、夜遅くにPCやスマホの光を浴びることを避けること、そして浮いた通勤時間を良質な睡眠に回すことです。これらの習慣を身につけることで、睡眠が改善し、結果としてストレスが減り、仕事の生産性も向上する、という良いサイクルが生まれます。きっと、あなたの心と体も元気を取り戻せるでしょう。
論文情報
今回の研究成果は、国際的な体内時計の研究における代表的な学術誌「Chronobiology International」に掲載されました。
-
タイトル: “The way to healthy telework: Sleep and sleep rhythm changes as the key factors for maintaining mental health and work productivity”
(日本語:『健康的なテレワークのために:メンタルヘルスと労働生産性の維持に重要な睡眠と睡眠リズムの変化』) -
掲載誌: Chronobiology International (Taylor & Francis)
-
掲載日: 2026年3月3日
-
著者: 志村 哲祥(東京医科大学 睡眠学講座)、古井 祐司(東京大学未来ビジョン研究センター)、高田 優太(株式会社こどもみらい)、井上 雄一(東京医科大学 睡眠学講座)
-
DOI: 10.1080/07420528.2026.2636741
-
URL: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/07420528.2026.2636741
あなたの健康をサポートするサービス
今回の研究に活用されたデータは、株式会社こどもみらいが提供するサービスを通じて収集されました。あなたの睡眠や心の健康をサポートするヒントが満載なので、ぜひチェックしてみてください。
ストレスチェックサービス『STRESCOPE(ストレスコープ)』
「STRESCOPE」は、法律で定められたストレスチェックに必要な機能はもちろん、睡眠や生活習慣、仕事への意欲など、さまざまな視点から従業員の心の健康状態を「見える化」し、改善をサポートするサービスです。
あなたの回答結果に基づいて、一人ひとりに合ったセルフケアのアドバイスが届きます。今回の研究で有効性が示された「朝の光を浴びる」「寝る前のディスプレイを控える」といった睡眠衛生のポイントも、分かりやすい形でフィードバックされるので、今日からすぐに実践できますよ。
睡眠改善プログラム「eSLEEP」
「eSLEEP」は、睡眠に関する最新の研究や臨床の知識をもとに開発された、実践型の睡眠改善プログラムです。「朝の光環境の整え方」「夜のブルーライト対策」「睡眠リズムの整え方」など、今回の研究で効果が認められた具体的な生活習慣の改善を、楽しく続けられるように工夫されています。
-
マンガ形式のアドバイス: 個人別に提供されるので、抵抗なく受け入れられます。
-
動画コンテンツ: 視覚的に分かりやすく、直感的に理解・納得できます。
-
専門家による指導: 必要に応じて、医師や保健師などの専門家によるマンツーマンの保健指導とフォローアップも受けられます。
質の良い睡眠は、心身の健康の基本です。もし睡眠に悩んでいるなら、プロのサポートを受けてみるのも良いかもしれません。
- URL: https://esleep.jp/
まとめ
テレワークは私たちの生活に多くの変化をもたらしましたが、その中でも「光の環境」が睡眠やメンタルヘルス、生産性に大きな影響を与えることが、今回の研究で明らかになりました。朝の光をしっかりと浴び、夜はディスプレイの使用を控える。そして、浮いた通勤時間を質の良い睡眠に充てること。
これらのシンプルな習慣が、あなたの心と体を守り、テレワークをより健康的で充実したものに変えるための大きな一歩となるでしょう。病気で困っている方も、そうでない方も、ぜひ今日から「光の環境」を意識して、快適な毎日を送ってくださいね。
