「やせ信仰」からの解放!65歳からの新常識「戦略的ちょいデブ」
この本が提唱するのは、「戦略的に小太り(ちょいデブ)を目指す」という新しい健康常識です。これまで私たちは、「太りすぎは体に悪いから、やせなきゃ」と強く信じてきました。しかし、ある程度の年齢を重ねてから、真に恐れるべきは「肥満」ではなく「やせ(低栄養)」なのだと、著者の和田秀樹氏は指摘します。

書籍によると、日米の研究機関による大規模な長期調査の結果、「BMI25〜30が最も長生きする」というデータが明らかになっています。「ちょい太め」の人は、病気と戦うための「備蓄エネルギー」である脂肪や筋肉を十分に持っているため、いざという時に強いのだとか。さらに、「小太りは免疫力が高い」「肉こそが長寿の特効薬」といった、従来のイメージを覆すような医学的データに基づいた知見が数多く紹介されています。
健康のために好きな食べ物を我慢したり、体重を抑えるために無理をしたりするのは、もうやめにしませんか?心がフッと軽くなり、気持ちも明るくなる。それが、実は免疫力を高めることにもつながると考えられています。人生の後半戦を笑顔で過ごすための、まさに「読む処方箋」となるでしょう。
「BMIパラドックス」って何?データが示す「ちょい太め」の強さ
「太っている方が長生きするなんて、信じられない!」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、高齢者の健康を考える上で注目されているのが「BMIパラドックス」という現象です。これは、特定の年齢層において、肥満度を示すBMI(体格指数)が標準よりもやや高い方が、死亡リスクが低いという統計的な傾向を指します。

この画像にもあるように、BMIと死亡リスクの関係を示すグラフでは、やせている人ほど死亡リスクが高くなる傾向が見られます。特に注目すべきは、BMI30までは死亡リスクが上がらないという点です。統計的に見ると、やせている人より、少しお腹が出ているくらいの人のほうが長生きする傾向があるのです。
では、なぜ「やせ」が高齢者にとって危険なのでしょうか?
高齢者の「やせ」は、単に見た目の問題ではありません。低栄養状態に陥りやすく、それがサルコペニア(筋肉量や筋力の低下)やフレイル(虚弱)といった状態を引き起こす大きな原因となります。筋肉や脂肪は、病気になったときのエネルギー源であり、免疫細胞の材料にもなります。これらが不足すると、病気への抵抗力が弱まったり、回復に時間がかかったり、最悪の場合は命に関わることもあります。
例えば、風邪をこじらせて肺炎になったり、転倒して骨折したりした際に、体力や回復力が十分にないと、そこから寝たきりになってしまうリスクが高まります。これこそが、高齢者にとって本当に恐れるべきことなのです。脂肪や筋肉は、まさしく病気と戦うための「備蓄エネルギー」だという考え方、納得できますよね。
今日から実践!「ちょいデブ」を支える食生活のヒント
「ちょいデブ」を目指すといっても、ただ好きなものを好きなだけ食べるというわけではありません。大切なのは、体に必要な栄養素をしっかり摂ること、特に「タンパク質」を意識することです。
日本人の多くは、「隠れたたんぱく質不足」に陥る傾向があると言われています。あっさりとした和食やうどんばかりでは、体をつくる筋肉、血管、ホルモン、免疫細胞の材料となるタンパク質が不足しがちです。高齢になると消化機能が落ちるため、若い頃よりも意識してタンパク質を摂る必要があります。理想的な摂取量は「体重×1.2グラム」とされています。
厚生労働省の基準では、65歳以上の高齢者の推奨量は男性60グラム、女性50グラムです。これを聞いて、「そんなにたくさん摂れるかな?」と不安に思うかもしれませんね。でも大丈夫!毎日の食事に少し工夫を加えるだけで、必要なタンパク質を摂取できます。書籍では、具体的な食品例とその摂取量が紹介されています。
一日50グラムのたんぱく質を摂取するための食品例
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卵:1個あたり約6gのタンパク質。毎日1〜2個は食べたいですね。
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木綿豆腐:1/2丁(約150g)で約10gのタンパク質。味噌汁や和え物に取り入れましょう。
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豚肩ロース肉:100gで約20gのタンパク質。炒め物や煮込み料理に。
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生ハム:50gで約10gのタンパク質。サラダやパンと一緒に。
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塩サバ:1切れ(約100g)で約20gのタンパク質。焼魚として食卓に。
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納豆:1パック(約50g)で約8gのタンパク質。手軽に摂れる優れものです。
これらの食品を組み合わせて、毎食バランス良くタンパク質を摂ることを意識してみてください。特に「肉こそが長寿の特効薬」というメッセージは印象的です。肉には良質なタンパク質だけでなく、鉄分やビタミンB群など、高齢者に不足しがちな栄養素が豊富に含まれています。無理に我慢せず、積極的に肉を食べることをおすすめします。
心も体も軽やかに!「食べる喜び」が免疫力を高める
健康のためと思って食事を制限したり、好きなものを我慢したりするのは、時に大きなストレスになります。ストレスは免疫力を低下させ、かえって病気のリスクを高めることにもつながりかねません。
『65歳からは戦略的ちょいデブ』は、「読めば心がフッと軽くなり、気持ちも明るくなって、それが免疫力を高めることにもつながる」と述べています。これは、単に栄養を摂るだけでなく、食事そのものを楽しむことの重要性を示唆しています。
美味しいものを食べると、人は幸せを感じますよね。その幸福感が、心身のリラックスにつながり、自律神経のバランスを整え、結果的に免疫力アップにも貢献するのです。好きなものを我慢せず、美味しく楽しく食べる。これこそが、人生の質を高め、健康寿命を延ばすための秘訣なのかもしれません。
また、健康診断で「やせなさい」と言われた経験がある人もいるかもしれません。しかし、書籍では「健康に長生きすること」の専門家ではない医師の言うことを鵜呑みにしないよう助言しています。もちろん、医師の言葉に耳を傾けることは大切ですが、高齢者にとっての最適な健康状態は、若い頃とは異なるという視点を持つことも重要です。
免疫力が高く、統計的にも長生きできることがわかっている「ちょい太め」の体型を、自信を持ってキープしていくこと。それが、人生の後半戦をより豊かに、そして幸せに過ごすための「戦略」となるでしょう。
『65歳からは戦略的ちょいデブ』書籍情報と著者紹介
本書は、私たちが長年信じてきた健康常識を根本から見直し、人生の後半を心身ともに健康に、そして幸せに生きるための具体的な方法を教えてくれます。目次を見れば、その内容の充実ぶりがわかるでしょう。

書籍の目次
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第1章 「ちょいデブ」が65歳からの健康常識
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第2章 シニアの“やせ”は老化を加速させる
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第3章 医学的に見た“ちょいデブ”の力
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第4章 無理なく“ちょいデブ体型”を守る方法
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第5章 食べる喜びが寿命を延ばす
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第6章 65歳からの気持ちと身の回りの整理術
著者プロフィール
和田 秀樹(わだ ひでき)氏は、1960年大阪府生まれの精神科医です。東京大学医学部を卒業後、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長を務めています。川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、立命館大学生命科学部特任教授も兼任。多くの著書があり、『「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』(青春出版社)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎)など、高齢者の心身の健康に関するベストセラーを多数執筆されています。
書籍情報
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タイトル:65歳からは戦略的ちょいデブ
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著者:和田秀樹
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発売日:2026年3月4日
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定価:1,265円(税込)
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ISBN:978-4-413-04742-5
この書籍は、Amazonでも購入できます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4413047427
まとめ:人生の後半戦を笑顔で過ごすために
私たちはこれまで、「やせていることが健康的で美しい」という価値観の中で生きてきました。しかし、年齢を重ねるにつれて、その価値観が必ずしも自分にとっての「最適解」ではないことに気づくかもしれません。
『65歳からは戦略的ちょいデブ』は、そんなあなたの心に寄り添い、新しい視点と安心感を与えてくれる一冊です。健康診断の数字に一喜一憂するのではなく、自分の体と心の声に耳を傾け、本当に快適で幸せだと感じる状態を目指すことの大切さを教えてくれます。
「ちょいデブ」は、単なる体型のことではありません。それは、病気と戦うための「備蓄エネルギー」を蓄え、低栄養のリスクから身を守り、そして何よりも「食べる喜び」を通じて人生を謳歌するための「戦略」なのです。
人生の後半戦を、好きなものを美味しく食べ、心穏やかに、そして笑顔で過ごすために。この「読む処方箋」を手に取って、あなたの新しい健康常識を見つけてみませんか?きっと、あなたの毎日がもっと豊かで、もっと楽しくなるはずです。
