新しい治療法「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」が保険適用に!
そんな高血圧に悩む方々に、朗報が届きました!日本メドトロニック株式会社から、新しい高血圧治療デバイス「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」が、2026年3月1日より保険適用となり、販売が開始されることが発表されました。これは、長年にわたる臨床研究と開発の成果であり、高血圧治療における大きな一歩と言えるでしょう。

この「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」を使った治療は、「腎デナベーション(RDN)」と呼ばれています。聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと、高血圧の原因となる腎臓の近くにある神経の過剰な働きを抑えることで、血圧を管理する手技のことです。
「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」ってどんな治療?
この治療の仕組みは、次のようになっています。
- まず、患者さんが鎮静状態になった後、お医者さんが細い管(カテーテル)を腎臓につながる動脈に挿入します。
- カテーテルが目的の場所に到達すると、システムから高周波エネルギーが送られます。このエネルギーによって、高血圧を引き起こす原因となっている腎臓付近の神経の過剰な活動が抑えられます。
- 治療が終わったら、カテーテルは抜かれます。この治療では、体内に何も残らないのが特徴です。
手術用グローブを装着した手が医療用のワイヤーを保持し、そのワイヤーが腎臓と血管に挿入されている医療イラストを見ると、この治療が腎臓関連の処置であることがイメージできるかもしれません。
この治療は、薬物療法では血圧が十分に下がらない「治療抵抗性高血圧」の患者さんにとって、とても期待できる選択肢となります。体内に異物が残らないため、治療後の生活への影響も少ないと考えられます。
世界で実績を重ね、患者さんの期待も大きい
「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」は、すでに世界70カ国以上で承認され、これまでに30,000名を超える高血圧患者さんに提供されてきた実績があります。たくさんの患者さんが、この治療によって血圧管理の改善を経験しているのです。
欧米で行われた調査(2021年)では、降圧剤を3剤以上服用している患者さんの約45%が、薬を使わない治療法(RDN)を検討すると回答しています。また、患者さんが治療に最も期待している効果は「収縮期血圧の低下」と「効果の持続性」であることが示されました。これは、治療の形態よりも、実際に血圧が下がってその効果が長く続くことを重視している、ということですね。
専門家からの期待の声
自治医科大学 内科学講座循環器内科学部門の苅尾七臣教授は、この新しい治療法について、次のように期待を寄せています。
「高血圧治療の目標は、臓器障害や循環器疾患のイベントを減少させることにあります。しかし、アドヒアランス(服薬遵守)の課題や夜間・早朝の血圧管理、さらには長期にわたる血圧コントロールを考慮すると、薬物治療だけでは十分な管理が難しい場合も少なくありません。腎デナベーションは、薬物療法だけでは十分な血圧管理が難しい患者さんに対し、新たな選択肢を提供する治療法として期待されています。本治療が保険適用となり、Symplicity Spyral腎デナベーションシステムが臨床現場で使用可能になることは、日本の高血圧診療にとって大きな前進だと考えています。」
苅尾教授の言葉からは、高血圧治療の難しさと、この新しい治療法が日本の高血圧診療にもたらす大きな希望が感じられます。薬をきちんと飲むことが難しい方や、夜間・早朝の血圧が高いことで悩んでいる方にとって、この治療はまさに「光」となるかもしれません。
日本メドトロニックのコロナリー&リーナルデナベーション・ディレクターである尾崎洋子さんも、次のように述べています。
「Symplicity Spyral腎デナベーションシステムの保険収載と、同時の販売開始をお知らせできることを大変意義深く感じています。当社は、科学的エビデンスに基づいた革新的な医療技術を通じて、患者さんと医療従事者の双方に貢献することを使命としています。本治療が、血圧管理に課題を抱える患者さんの新たな選択肢となり、より良い治療アウトカムにつながることを期待しています。」
日本メドトロニックは、この腎デナベーション治療が安全に、そして適切に広まるように、医療従事者への情報提供や治療に関する理解促進に力を入れていくとのことです。
高血圧でお悩みの方へ
「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」は、薬物療法だけでは血圧管理が難しい治療抵抗性高血圧の患者さんに限定された治療法です。また、腎デナベーション治療用システムの適正使用指針で定められた患者条件に適合する必要があります。
この新しい治療法が保険適用となったことで、これまで血圧のコントロールに苦労してきた多くの患者さんにとって、新たな希望が生まれることでしょう。もしあなたが、高血圧で「もうどうしたらいいんだろう…」と悩んでいるなら、ぜひ一度、かかりつけのお医者さんに相談して、この治療法について尋ねてみるのも良いかもしれません。
メドトロニックは、アイルランドに本社を置くヘルスケアテクノロジーのグローバルリーダーです。「人々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす」というミッションのもと、心臓ペースメーカー、手術支援ロボット、インスリンポンプなど、多岐にわたる医療技術と治療法を提供しています。日本メドトロニックは1975年の設立以来、約50年にわたり、日本の医療に貢献し続けています。
より詳しい情報は、以下のメドトロニックのウェブサイトで確認できます。
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メドトロニック グローバルサイト: https://www.medtronic.com/jp-ja/index.html
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日本メドトロニック株式会社: https://www.medtronic.com/jp-ja/index.html
参考情報
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日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025』
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Schmieder RE, Kandzari DE, Wang T-D, et al. “Differences in patient and physician perspectives on pharmaceutical therapy and renal denervation for the management of hypertension.” Journal of Hypertension, 2021;39:162–168.
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Kandzari DE et al. “Patient Preferences for Pharmaceutical and Device-based Treatments for Uncontrolled Hypertension: A Discrete Choice Experiment.” Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes, 2023.
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