はじめに:見えない敵「膵癌」との戦い
もしあなたが、あるいはあなたの大切な人が、病気と向き合っているなら、その苦しみや不安はどれほど深いものでしょうか。特に「膵癌」は、その性質から「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓に発生するため、初期症状がほとんどなく、発見された時にはすでに進行しているケースが多い、非常に手ごわい癌として知られています。
「もっと早く見つけられていたら…」
そんな願いは、膵癌と闘う多くの患者さんやご家族の共通の思いかもしれません。早期発見が難しいからこそ、治療の選択肢も限られ、予後も厳しいと言われています。だからこそ、膵癌の早期発見を可能にする新しい技術は、まさに希望の光となるはずです。
そんな中、コウソミル株式会社が、この「見えない敵」に立ち向かう画期的な血液検査技術の開発と社会実装を、日本だけでなく米国でも加速させるための大きな一歩を踏み出しました。今回は、その素晴らしいニュースと、それが私たちにもたらす希望について、一緒に見ていきましょう。
新しい希望の光:コウソミルの「1分子計測リキッドバイオプシー」
コウソミル株式会社が開発を進めているのは、「1分子計測リキッドバイオプシー」という、ちょっと聞き慣れないけれど、とてもすごい技術です。
リキッドバイオプシーって何?
まず、「リキッドバイオプシー」とは、血液や尿といった体液から、がんの情報を得る検査のことです。これまでの癌の検査は、組織を直接採取する「生検」が一般的でしたが、リキッドバイオプシーは体に負担が少なく、手軽に検査できる点が注目されています。
「1分子計測」が画期的な理由
コウソミルの技術が特に画期的なのは、このリキッドバイオプシーに「1分子計測」という超高感度な技術を組み合わせている点です。これは、血中にごくわずかしか存在しない「酵素活性」という情報を、まるで砂漠の中から一粒の砂金を見つけ出すかのように、1分子レベルで捉えることができる技術なんです。
東京大学大学院薬学系研究科の小松徹准教授の酵素活性の蛍光検出技術と、理化学研究所の渡邉力也主任研究員の1分子計測技術が融合して生まれたこの技術は、従来の検査では見逃されがちだった、ごく初期の癌の兆候をも捉える可能性を秘めています。想像してみてください。もし、まだ症状が出ていない段階で、血液検査だけで癌の兆候が分かるとしたら、どれほど多くの命が救われ、治療の選択肢が広がるでしょう。
「エンゼバー®すい臓がん」:夢から現実へ
この画期的な技術を応用し、コウソミルが開発を進めているのが、膵癌の早期発見を目的としたスクリーニング血液検査「エンゼバー®すい臓がん」です。
国内での着実な進展
この検査は、単なる研究段階ではありません。前回の資金調達以降、国内外の血液検体を用いたバイオマーカー探索研究や臨床研究が着実に進められてきました。その結果、「エンゼバー®すい臓がん」は、国内での提供を開始するにあたり十分な検査性能が確認されています。
そして、2025年7月からは、株式会社ビー・エム・エルを通じて検査受託が開始される予定です。これは、この検査が、研究室から私たちの手の届く場所へと、いよいよ現実のものとなることを意味しています。
現在、「エンゼバー®すい臓がん」は、約1万例規模で性能を前向きに評価する臨床研究(研究代表者:花田敬士, UMIN試験ID: UMIN000059647)に使用されています。さらに、体外診断用医薬品の製造販売業許可も取得済みで、国の承認申請を見据えた準備も着々と進められています。
世界への挑戦:米国市場への展開
コウソミルは、日本国内にとどまらず、世界へとその技術を届けようとしています。米国の学術集会で研究成果を発表し、米国食品医薬品局(FDA)との相談も実施するなど、日本のみならず米国市場への展開を目指した開発を進めているのです。これは、世界中のがん患者さんに希望を届けるという、壮大なビジョンへの挑戦です。
未来を拓く投資:多くの期待を背負って
今回のシリーズA1資金調達は、この画期的な技術の社会実装をさらに加速させるための重要なステップです。リード投資家であるデライト・ベンチャーズに加え、新規投資家としてアニマルスピリッツ、ごうぎんキャピタル、そして既存投資家であるANRI、グリーンコア株式会社が参画しました。
この資金は、「エンゼバー®すい臓がん」のPMDA(医薬品医療機器総合機構)への承認申請を見据えた臨床開発・申請準備、そして米国での研究開発・臨床開発・事業開発体制の構築に活用される予定です。多くの投資家が、コウソミルの技術とビジョンに大きな期待を寄せていることが分かります。
投資家からの熱いメッセージ
投資家の方々からは、コウソミルの技術と未来への強い期待が語られています。
デライト・ベンチャーズ Managing Partner 南場 智子 氏 / Principal 芝原 直也 氏


デライト・ベンチャーズは、コウソミルの技術が「がんの早期検知という、その後の治療選択やQOLを大きく左右する重要な領域」において、初期ステージのがんを高精度に検出する取り組みを進めていることに大きな期待を寄せています。彼らは、コウソミルのチームが「グローバル展開を見据えた」高い社会実装力を持っていると評価し、「多様ながん種への応用やグローバルでの展開を通じて、より多くの人が適切な治療選択にアクセスできる世界の実現」に貢献することを願っています。病気で悩む人々にとって、これはまさに「適切な治療へのアクセス」という、切実な願いに応えるものです。
アニマルスピリッツ 代表パートナー 朝倉 祐介 氏 / ベンチャーキャピタリスト 星野 怜生 氏
アニマルスピリッツは、コウソミルの独自技術が「表現型に近い情報である酵素活性を分子レベルで単離し計測できる」点に注目しています。この技術基盤は、膵臓がんだけでなく、「多様な疾患への応用が可能」であり、「従来は捉えられなかったバイオマーカーの創出を通じて、早期診断の可能性を大きく拡げていく」と期待しています。もし、この技術が他の病気の早期発見にも繋がるなら、それは計り知れない希望となるでしょう。
ごうぎんキャピタル 代表取締役社長 井田 修一 氏
ごうぎんキャピタルは、「わずか1滴の血液から膵がんの早期発見を期待できる『1分子計測リキッドバイオプシー』技術」と、コウソミルのメンバーの「力強いビジョンや行動力」に感銘を受け、出資を決定しました。「誰もが病に悩まず、自分らしく生きる世界の実現」というコウソミルのビジョンは、病気で苦しむ人々にとって、何よりも心強いメッセージです。
ANRI General Partner 宮崎 勇典 氏
ANRIは、コウソミルが東京大学で開発された「革新的な1分子酵素活性計測技術」を事業化していること、そして「膵臓がんを含めた早期診断の世界を実現するために真摯に着実に進めてこられた」姿勢を高く評価しています。日本発のソリューションがグローバルに展開され、がん患者さんの助けとなることを強く信じており、その大きな挑戦をこれからも支援し続けると表明しています。
グリーンコア株式会社 代表取締役 本庄 竜介 氏
グリーンコア株式会社は、コウソミルの「チーム力」「技術力」「ビジョン」に魅了され、投資を決めたとのこと。2年以上にわたる支援の中で、「ビジョンを形にしていく実行力」と「多くの関係者を巻き込んでいく力」に感銘を受けており、「難病のすい臓がん治療の飛躍に大きく貢献するであろう姿」に期待を寄せています。多くの人々を巻き込みながら進む彼らの挑戦は、まさに社会全体で病と闘う姿勢を示しています。
コウソミルの挑戦:病に悩まない世界を目指して
コウソミル株式会社は、東京大学と理化学研究所の最先端技術を基盤として、2022年4月に設立されたスタートアップ企業です。科学技術振興機構(JST)の支援プログラム(JST START)を経て、その技術力と将来性は高く評価されています。
2023年8月にはNEDO・JST主催の「大学発ベンチャー表彰 2023」において「科学技術振興機構理事長賞」を受賞し、2024年4月からはNEDOディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)STSフェーズにも採択されています。これらの実績は、コウソミルの技術が国の内外から高い評価を受け、その社会的な意義が認められている証拠です。
代表からのメッセージ
コウソミル株式会社 代表取締役 鏡味 優氏も、今回の資金調達について次のように述べています。
「シリーズA1資金調達を実施できたことを大変嬉しく思います。研究開発を起点とする当社の取り組みが、前向き臨床研究や承認申請など、いよいよ社会実装段階に入ってきました。今回出資いただいた資金と当社のメンバー一人ひとりが積み重ねてきた努力を力に、検査の承認取得とグローバル展開に向けた挑戦を進めていきます。」
この力強いメッセージからは、技術を社会に届けることへの強い情熱と責任感が伝わってきます。彼らの目指すのは、「誰もが病に悩まず、自分らしく生きる世界の実現」です。もし、早期発見が当たり前になり、病気で苦しむ人が減る未来が実現したら、私たちの生活はどれほど豊かになるでしょうか。
コウソミル株式会社に関する詳細情報は、以下の公式サイトで確認できます。
https://cosomil.com/
おわりに:あなたと、あなたの愛する人のために
膵癌の早期発見という、これまで非常に困難だった課題に、コウソミル株式会社は「1分子計測リキッドバイオプシー」という新しい技術で挑んでいます。今回の資金調達は、その挑戦をさらに加速させ、多くの人々に希望を届けるための大きな後押しとなるでしょう。
もしあなたが今、病気のことで心を痛めているなら、あるいは大切な人の健康を願っているなら、このような技術の進歩が、きっと未来を明るく照らしてくれるはずです。早期発見がもたらす安心感、そして治療への希望は、何物にも代えがたいものです。
コウソミル株式会社は、これからもがんの早期発見を実現する診断技術の社会実装に向け、次の成長フェーズを見据えた取り組みを進めていくとのこと。彼らの挑戦が、病気で悩むすべての人にとっての希望となることを心から願っています。
本件に関するお問い合わせは、コウソミル株式会社の広報担当までご連絡ください。
https://cosomil.com/contact/
