「最近、物忘れがひどくなった気がする…」そんなあなたへ。

「あれ、昨日何食べたっけ?」「さっきまで覚えていたはずなのに…」

最近、こんな風に物忘れが多くなったり、うっかりミスが増えたりして、「もしかして、私ってMCI(軽度認知障害)?」と不安を抱えている方、いらっしゃいませんか?

認知症は、何の前触れもなく突然発症するものではなく、正常な状態から「軽度認知障害(MCI)」という段階を経て、ゆっくりと進行していくと言われています。このMCIの段階は、将来の「あたまの健康」を守るために、適切な対策を検討すべき、とても大切な時期なんです。不安な気持ちを抱えている皆さんにとって、少しでも希望の光となるような、嬉しい研究結果が発表されましたので、ご紹介しますね。

ブロッコリースプラウトのすごい力!「SGS」って一体何?

今回注目されているのは、皆さんもよくご存知の野菜、ブロッコリーの若芽であるブロッコリースプラウトに含まれる機能性成分、「スルフォラファングルコシノレート(SGS)」です。別名「グルコラファニン」とも呼ばれます。

このSGSは、私たちの体の中で「Nrf2(エヌアールエフツー)」という生体防御機構を活性化させる働きがあることが知られています。Nrf2は、細胞をダメージから守る「解毒作用」や「抗酸化作用」、そして「抗炎症作用」など、私たちの健康維持に欠かせない、とっても大切な役割を担っています。ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に豊富に含まれているんですよ。

これまでにも、健康な高齢者を対象とした短期間の研究では、このSGSが認知機能に良い影響をもたらす可能性が示唆されていました。しかし、「MCIと診断された方を含む、認知機能低下リスクが高い方々に対して、長期的にどんな効果があるのか?」については、まだ十分なデータがありませんでした。

そんな中、カゴメ株式会社と弘前大学の研究グループが、画期的な研究結果を発表したんです!

3.5年間の長期研究で判明!SGSが「あたまの健康」維持に貢献する可能性

今回の研究は、なんと3.5年間(42ヶ月間)という、とても長い期間にわたって行われました。これほど長期的な介入効果を検証した例は、世界的にも珍しく、本当に貴重な成果なんです。

発表のポイントは大きく2つ!

  1. 3.5年間という超長期にわたる認知機能の維持を確認
    認知機能低下のリスクが高い高齢者の方々がSGSを摂取した結果、認知機能の指標である「MPI(Memory Performance Index:認知機能指数)スコア」が、SGSを摂取しなかったグループ(プラセボ群)に比べて、長期間にわたり良好な状態を維持していることが確認されました。

  2. MCIの方々で、より明確な効果が見られた!
    研究に参加した方々のうち、試験開始時にすでにMCIと診断されていたグループでは、3.5年後の試験終了時点において、認知機能維持の効果がさらに明確に示されたんです。これは、まさに今、不安を抱えているMCIの方々にとって、大きな希望となるのではないでしょうか。

グラフで見る研究結果

MPIスコアの変化量

このグラフは、MPIスコアの変化量を示しています。SGS群(青い線)がプラセボ群(赤い線)に比べて、時間が経ってもMPIスコアが良好に維持されているのがわかりますね。特に、MCIグループ(右側のグラフ)では、その差がよりはっきりと表れています。

即時再生スコアと遅延自由再生スコアの変化量

こちらのグラフは、記憶機能に関わる「即時再生スコア」と「遅延自由再生スコア」の変化量です。どちらのスコアも、SGS群の方がプラセボ群よりも、より良い状態を維持していることが示されています。

これらのグラフは、SGSを摂取することで、認知機能、特に記憶機能が、ただ維持されるだけでなく、統計的に見てもはっきりと良い結果が出たことを示しているんです。

信頼できる研究方法で検証!

今回の研究は、「ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験」という、とても信頼性の高い方法で実施されました。これは、参加者の方々を無作為に2つのグループに分け、一方はSGSを含むサプリメントを、もう一方はSGSが全く入っていない「プラセボサプリメント」を摂取してもらいます。しかも、参加者の方々はもちろん、試験を実施する研究者も、どちらのサプリメントを飲んでいるか全く知らない状態で試験を進めるんです。こうすることで、先入観や思い込みが結果に影響しないように、厳密に検証できるんですね。

参加されたのは、MCIと診断された方を含む、認知機能低下リスクが高い63歳から90歳の男女26名。SGS群とプラセボ群に分かれて、毎日サプリメントを3.5年間摂取しました。さらに、試験期間中には、両グループの参加者に対して運動プログラムも提供されたんですよ。

「あたまの健康チェック®」ってどんなテスト?

認知機能の評価には、「あたまの健康チェック®(英語名:The MCI Screen)」というテストが用いられました。これは、米国Medical Care Corporationと株式会社ミレニアが開発したもので、被験者の微細な認知機能の状態を0から100の指数値(MPIスコア)で分かりやすく定量的に観察できる、客観的な評価指標です。

この「あたまの健康チェック®」は、国際的に利用される高次機能検査バッテリーであるCERADやADAS-Cogの10単語想起テストを基に作られており、アメリカのFDA(食品医薬品局)の新薬治験でアウトカムスケールの1つとして採用されたり、日本でも厚生労働省事業「IROOP®」で採用されたりするなど、実績のある、非常に信頼性の高いテストなんです。

この研究が教えてくれる未来の希望

今回の研究によって、認知機能低下のリスクがある高齢者、特にすでにMCIと診断されている方々にとって、日常的にSGSを摂取することが、「あたまの健康」を維持し、将来に備えるための、安全で現実的な選択肢となり得る可能性が示されました。

「もしかしたら、私にもできることがあるかもしれない」

そう感じさせてくれる、希望に満ちた研究結果ですよね。

研究グループは今後、さらに詳しい研究を進めて、食事や機能性成分の摂取といった「早期からの介入」が、私たち社会全体の健康寿命の延伸に、どれくらい貢献できるのかを明らかにしていくそうです。あなたの「あたまの健康」が、社会全体の活性化にも繋がる…そう考えると、なんだかワクワクしませんか?

もっと詳しく知りたい方へ:掲載論文情報

今回の研究成果は、以下の論文として発表されています。

  • 論文名: Efficacy of 42-month oral administration of glucoraphanin in preventing cognitive decline in individuals at elevated risk of dementia, including those with mild cognitive impairment: a randomized, double-blind, placebo-controlled pilot study.

  • 掲載誌: Frontiers in Nutrition

  • 著者: Sunao Shimizu, Shuya Kasai, Chieko Suzuki, Tomoya Kon, Hiroyuki Suganuma, Shigenori Suzuki, Koichi Murashita, Shigeyuki Nakaji, Kazushige Ihara, Masahiko Tomiyama, Ken Itoh

  • DOI: 10.3389/fnut.2026.1740494

知っておきたい!用語の解説

*1 スルフォラファングルコシノレート(SGS)ってどんな成分?

SGSは、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツなどのアブラナ科の野菜に天然に含まれている成分です。体内でNrf2というシステムを活性化させ、細胞の解毒作用や抗酸化作用、抗炎症作用を高める働きが期待されています。様々な病気の予防や改善に役立つ可能性が、多くの研究で報告されている、まさにスーパーフードの秘密兵器のような成分なんですよ。

*2 MPI(Memory Performance Index:認知機能指数)スコアって何?

これは、認知機能テスト「あたまの健康チェック®」で算出される、認知機能の状態を示すスコアです。0から100の数値で表され、数値が高いほど認知機能が良好であることを示します。このテストは、とても細かな認知機能の変化も捉えることができるため、軽度認知障害(MCI)のような微妙な変化を見つけるのに役立つとされています。前述のように、新薬の治験や国の事業でも使われるほど、信頼性の高い指標なんですよ。

*3 弘前大学COI-NEXT拠点ってどんなところ?

弘前大学が中心となって進めている、文部科学省・JSTの「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されたプロジェクト拠点です。この拠点は、地域の人々が健康になりながら経済も発展していくような「ヘルスケア産業」を創り出し、すべての世代の人々が生きがいを持って働き続けられる、心身ともに豊かな「well-beingな地域社会」を目指しています。今回の研究も、その大きな目標の一環として行われたものです。

*4 岩木健康増進プロジェクトって何?

弘前大学が青森県弘前市岩木地区で、2005年から続けている大規模な健康調査のことです。なんと約3,000項目もの膨大な健診項目を設けていて、世界でも類を見ないほどの巨大な健康ビッグデータを記録しています。このデータは、認知症や生活習慣病の早期発見や予防方法の研究に活用されており、今回のSGSの研究も、この貴重なデータ基盤の上で実施されました。地域の皆さんの協力があってこそ成り立つ、素晴らしいプロジェクトなんです。

*5 過去のSGSに関する研究は?

実は、SGSが健康な高齢者の認知機能に良い影響を与える可能性については、すでに別の研究でも示唆されていました。例えば、2022年に「Frontiers in Aging Neuroscience」に掲載された論文では、SGSの摂取が健康な高齢者の情報処理速度や気分の改善に寄与する可能性が報告されています(Nouchi, R., et al., 2022)。今回の長期研究は、そうした先行研究の成果をさらに深め、MCIを含むリスク層への効果を具体的に示したものと言えるでしょう。

*6 ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験ってどういう意味?

これは、薬やサプリメントの効果を科学的に、そして公平に評価するための、最も信頼性の高い試験方法の一つです。参加者を「ランダムに(無作為に)」グループ分けし、一方は本物の被験物(今回はSGSサプリメント)を、もう一方は見た目も味もそっくりだけど効果のない「プラセボ(偽薬)」を摂取します。さらに、「二重盲検」というのは、被験者の方も、試験を行う研究者も、どちらのグループがどちらのサプリメントを摂取しているかを知らない状態で行う、という意味です。これによって、心理的な影響や思い込みが結果に与える影響を排除し、純粋に被験物の効果だけを評価できるんです。今回の研究も、この厳格な方法で行われたため、結果の信頼性が非常に高いと言えます。

*7 統計方法って難しいけど、何がわかるの?

今回の研究では、得られたデータを「線形混合モデル」という統計手法で分析しました。これは、一人ひとりの認知機能の変化や、SGS群とプラセボ群の間での違いを、より正確に、かつ複雑な要因(例えば、試験開始時点での個人の状態や、時間経過による変化など)を考慮しながら解析できる、高度な方法です。専門的な言葉で難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「統計解析ソフトR」というツールを使って、研究結果が偶然ではない、しっかりとした意味のあるものかどうかを、慎重に確認したということなんですよ。

あなたの「あたまの健康」は、日々の積み重ねで守れる宝物

今回の研究は、ブロッコリースプラウト由来成分SGSが、認知機能の維持、特に記憶機能の維持に、長期的に良い影響を与える可能性を示してくれました。特にMCIと診断された方にとっては、具体的な希望の光となったのではないでしょうか。

もしあなたが今、物忘れや「あたまの健康」について不安を感じているなら、SGSの摂取が、その不安を和らげ、将来のためにできることの一つになるかもしれません。もちろん、サプリメントはあくまで補助的なものです。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、そして社会的な交流など、日々の生活習慣全体を見直すことが、あなたの「あたまの健康」を守る上で何よりも大切です。

この研究結果をきっかけに、ご自身の「あたまの健康」について改めて考え、前向きな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。もし気になることがあれば、かかりつけのお医者さんや専門家にも相談してみてくださいね。

あなたの「あたまの健康」が、これからもずっと輝き続けることを心から願っています!