長引く「診断迷子」に希望の光!遺伝性血管性浮腫(HAE)の早期発見へ、新たな協力体制がスタート!
もしあなたが、原因不明の体の腫れやむくみに悩まされ、病院を転々としているなら、もしかしたら「遺伝性血管性浮腫(HAE)」という希少な病気が関係しているかもしれません。
この病気は、診断が非常に難しく、多くの患者さんが長年苦しんでいます。そんなHAEの患者さんを救うために活動している「一般社団法人遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム(DISCOVERY)」に、この度、製薬企業の科研製薬株式会社が賛助会員として仲間入りしました!
今回の連携は、HAEの早期診断と、患者さんの生活の質の向上に向けた大きな一歩となることでしょう。

HAEってどんな病気? 長年の苦しみを終わらせるために知っておきたいこと
HAEは、全身のさまざまな場所に、突然、腫れやむくみ(血管性浮腫)が現れる遺伝性の病気です。この腫れは数日で自然に治まりますが、何度も繰り返すのが特徴です。
ただのむくみと侮ってはいけません。顔や手足など目に見えるところに腫れが出るだけでなく、内臓にも起こることがあります。例えば、胃腸に腫れが起きると、激しい腹痛や腸閉塞のような症状に見舞われ、日常生活を送ることすら困難になります。さらに恐ろしいのは、喉に腫れが起きた場合、呼吸困難に陥り、命に関わることもあるという点です。
診断までの長い道のり
HAEの診断が難しいのは、その症状が他の病気と間違えられやすいこと、そして希少な病気であるため、医療従事者の間でも認知度が低いことが挙げられます。そのため、日本では、症状が出始めてからHAEと診断されるまでに、平均でなんと15.6年もの歳月がかかっていると言われています。
この長い間、患者さんは原因不明の症状に苦しみ続け、時には命の危険にさらされながらも、適切な診断や治療にたどり着けないという厳しい現実に直面しています。
近年では、発作の予防薬や治療薬がいくつか登場し、治療の選択肢は増えてきています。しかし、せっかく良い薬があっても、診断がされなければ治療を受けることはできません。だからこそ、早期診断の重要性がますます高まっているのです。
HAE患者さんのために立ち上がった「DISCOVERY」ってどんな団体?
そんなHAEの患者さんの苦しみを少しでも早く終わらせるために、2021年2月に発足したのが「一般社団法人遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム」、略して「DISCOVERY」です。
DISCOVERYは、「HAEと診断されずに症状に苦しむ患者さんを救いたい」という強い思いから、様々な分野の専門家が集まって設立されました。具体的には、13名の医師をはじめとする医療従事者、HAE患者さんの声を届けるNPO法人HAEJや患者会くみーむといった患者団体、そして武田薬品工業株式会社、鳥居薬品株式会社、CSLベーリング株式会社といった製薬企業が中心となって活動しています。
彼らの目標は、HAEの「適切な早期診断」と「診断率の向上」です。一人でも多くの患者さんが、迷うことなく正しい診断にたどり着けるよう、日々尽力しています。
DISCOVERYについて、もっと詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。
DISCOVERY 公式サイト
科研製薬がDISCOVERYに仲間入り!早期発見への期待が高まる
そしてこの度、製薬企業の科研製薬株式会社が、DISCOVERYに賛助会員として参画しました。科研製薬は、患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上に役立つ医薬品の提供を目指しており、特に治療選択肢が限られている希少疾患や、まだ満たされていない医療ニーズが高い領域において、画期的な新薬を迅速に生み出し、届けることに力を入れています。
科研製薬株式会社の営業本部長である小関智之さんは、今回の参画について、次のように述べています。
「HAE領域における疾患認知の向上、早期診断につながる取り組みの推進、そして適切な治療へのアクセス向上を目指すDISCOVERYの趣旨に深く共感し、賛助会員として参画いたしました。DISCOVERYへの参画を通じて、未診断患者さんの早期発見や適切な診断につながる環境整備に貢献するとともに、参画企業・医療関係者の皆さまと一緒に、HAE患者さんのQOL向上に貢献してまいります。」
このコメントからも、科研製薬がHAE患者さんのために真剣に取り組もうとしている姿勢が伝わってきます。様々な企業や団体が手を取り合うことで、HAEを取り巻く環境はきっと良い方向に変わっていくことでしょう。
科研製薬株式会社について、もっと詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。
科研製薬 公式サイト
DISCOVERYの具体的な活動内容を知ろう!4つのワーキンググループが患者さんをサポート
DISCOVERYでは、早期診断の実現に向けて、主に4つのワーキンググループ(WG)に分かれて、具体的な啓発活動や研究を進めています。それぞれのWGがどんな活動をしているのか見ていきましょう。
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医療データAI分析WG
このWGでは、電子カルテやレセプトデータといった医療データをAI(人工知能)で分析しています。目的は、HAEと診断されずに苦しんでいる患者さんを特定し、AIを活用して、普段の診療で見落としがちなHAEの兆候を見つけ出す仕組みを作ることです。AIの力で、診断の精度とスピードが飛躍的に向上することが期待されます。 -
非専門医診断支援WG
HAEは希少疾患のため、専門医が少ないのが現状です。このWGでは、HAEの専門ではない医師に対して、HAEに関する知識や情報を提供しています。さらに、「Doctor to Doctor遠隔相談」という仕組みを運営しており、非専門医が専門医に気軽に診断の相談ができるようになっています。これにより、専門医がいない地域でも、より早く正確な診断につながる可能性が高まります。 -
未診断患者向け疾患啓発WG
HAEの症状に悩んでいても、それがHAEだと気づいていない患者さんは少なくありません。このWGでは、「HAE-info」という疾患啓発ウェブサイトを制作し、HAEに関する正しい情報や、もしかしてHAEかも?と自分でチェックできる「自己診断支援ツール」を提供しています。自分や家族の症状に心当たりのある方が、一歩踏み出すきっかけとなるでしょう。 -
ファミリーテスト推進WG
HAEは遺伝性の病気です。そのため、患者さんのご家族にも同じ病気が潜んでいる可能性があります。このWGは今年度から活動を始めたばかりですが、遺伝性疾患の患者さんを対象に、家族検査に対する意識や、検査を受ける上でのハードルを調査しています。家族検査が進まない原因を患者さんの視点から分析し、家族単位での早期診断につなげることを目指しています。
これらの多角的なアプローチによって、HAEの診断を取り巻く環境は着実に改善されていくことでしょう。
多くの仲間たちが手を取り合って支えるHAEの未来
DISCOVERYの活動は、科研製薬だけでなく、多くの企業や団体の協力によって成り立っています。医療従事者に加え、IT企業や他の製薬企業など、様々な専門性を持つ仲間たちが連携し、HAE患者さんの早期診断実現のために力を合わせています。
現在の主な会員企業は以下の通りです。
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特別会員:日本アイ・ビー・エム株式会社
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一般会員:武田薬品工業株式会社、鳥居薬品株式会社、CSLベーリング株式会社
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協力会員:株式会社インテグリティ・ヘルスケア、株式会社QLife
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賛助会員:KalVista Pharmaceuticals Inc、科研製薬株式会社
これだけ多くの団体が協力し合っていることは、HAEの診断と治療の未来にとって、非常に心強いニュースですね。
あなたは一人じゃない! HAEの早期診断とQOL向上のために
HAEという病気で、もしあなたが、あるいはあなたの大切な人が、長年苦しんでいるのなら、どうか希望を捨てないでください。
今回の科研製薬のDISCOVERYへの参画は、HAEの早期診断と治療への道を開き、多くの患者さんのQOL向上につながる大きな一歩となることでしょう。AIを活用した診断支援、専門医への遠隔相談、そして疾患啓発活動など、様々な取り組みが進んでいます。
もし、この記事を読んで、自分もHAEかもしれない、家族に似た症状の人がいる、と心当たりのある方がいらっしゃいましたら、ぜひ専門医にご相談ください。そして、DISCOVERYのウェブサイトで情報収集をしてみてください。あなたに必要な情報が見つかるかもしれません。
DISCOVERYでは、様々なステークホルダーからのご参画や協業の相談も受け付けています。もし、この活動に興味をお持ちいただけましたら、事務局までお問い合わせください。みんなで力を合わせれば、きっとHAE患者さんの未来はもっと明るくなるはずです。
